カデナ の商品レビュー
なかなか入り込めずダラダラ読んで、最後の方にちょっと面白くなってきた。やっているミッションはかなり緊迫感のあるものだけど、淡々と語られている。最後の方はちょっとやりきれない。
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沖縄に引っ越したのを機に、知人に勧めてもらっとこともあって手に取りました。 学生の頃の平和教育以来、いわゆる戦争ものは避けてきました。自分の中で受け止めきれず。それを誰かが現在進行形で受け止めているのですが。。 この作品はそんな私でも読み切れました。感想はうまく言葉にできないけれ...
沖縄に引っ越したのを機に、知人に勧めてもらっとこともあって手に取りました。 学生の頃の平和教育以来、いわゆる戦争ものは避けてきました。自分の中で受け止めきれず。それを誰かが現在進行形で受け止めているのですが。。 この作品はそんな私でも読み切れました。感想はうまく言葉にできないけれど、沖縄に生きるということのイメージを少しだけ掴んだ気がします。
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現実の生活の中に基地がある沖縄。そのことについて目を背け続けていた自分自身に気が付いて愕然とする。 ここに暮らしているのは「私」であり、大切な「あなた」だ。 戦争と平和。生きるということについて考えさせられる。心に深く刻まれた一冊。 (内田樹さん推薦本)
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池澤夏樹は好きで、過去の作品は結構読んだ。個人的には「ハワイイ紀行」なんか好き。けど、小説は元々そんなに作品数が多い人では無いので、しばらく手に取っておらず。これは出てすぐ手に入れたけど、何となく読まずに置きっぱなしだった一冊。 最近はどうも上段に構えた戦争物が多い気がするけど、...
池澤夏樹は好きで、過去の作品は結構読んだ。個人的には「ハワイイ紀行」なんか好き。けど、小説は元々そんなに作品数が多い人では無いので、しばらく手に取っておらず。これは出てすぐ手に入れたけど、何となく読まずに置きっぱなしだった一冊。 最近はどうも上段に構えた戦争物が多い気がするけど、僕はこう言う方が性に合うみたい。淡々と、そして池沢作品に共通する救いがあるのが良い。派手な盛り上がりには欠ける文章だけど、添い寝するみたいに読めるから。 最後、主人公の男の子に、若き日の大工哲弘の面影を見いだした。北海道出身ながら10年以上沖縄に住んでいたこの人のウチナー愛、かな?
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1968年の夏、沖縄嘉手納基地を舞台に四人がベトナム戦争に関わっていくスパイ活動。 戦争にはいろいろな形があり、受け止め方にもいろいろな形があるのだと改めて感じた。 淡々と、そして確かな筆致は池澤夏樹ならでは。
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テーマと設定が面白い。沖縄に住んだ経験も活きているのだろう。サイパンがこうであったのか?改めて知ることも多かった。
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2013/12/31 淡々としながらも虚無感がそこはかとなく感じられる本でした。沖縄、サイパン 戦地だったことを思い出しました。
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これはベトナム反戦の話であり、家族の話なんだなと思った。 朝栄さん、阿南さん、タカ、フリーダ。 4人の持つバックグランドはまったく違うけど、危険な任務の遂行に向かわせる動機は、多くの人の命を救いたいだけではなく、それぞれの家族に対する思いにあったんじゃないかな。 だからパト...
これはベトナム反戦の話であり、家族の話なんだなと思った。 朝栄さん、阿南さん、タカ、フリーダ。 4人の持つバックグランドはまったく違うけど、危険な任務の遂行に向かわせる動機は、多くの人の命を救いたいだけではなく、それぞれの家族に対する思いにあったんじゃないかな。 だからパトリックとフリーダには家族になって欲しかったな。 何年か後に打ち明けて、許しあって。
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ベトナム戦争当時の沖縄。米国兵相手に模型店を営む嘉手苅朝栄、空軍基地で働くフィリピンで米国人とフィリピン人の間に生まれたフリーダ曹長、軍人相手のロックバンドでドラムを叩くタカ。三人はベトナム人「阿南さん」の指示のもと、それぞれの反戦活動を行うことになる。 沖縄的なのんびり感、戦争...
ベトナム戦争当時の沖縄。米国兵相手に模型店を営む嘉手苅朝栄、空軍基地で働くフィリピンで米国人とフィリピン人の間に生まれたフリーダ曹長、軍人相手のロックバンドでドラムを叩くタカ。三人はベトナム人「阿南さん」の指示のもと、それぞれの反戦活動を行うことになる。 沖縄的なのんびり感、戦争の現実、日本への返還、基地への反感——、などが暖かさと調和を持って描かれる不思議な小説。まあまあ面白かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2012年(も)、なにかと話題だった沖縄の基地問題、また年末恒例のNAHAマラソンに参加できなかった代わりにと、1968年の沖縄を舞台とした作品を読んでみた。著者の作品は詩集と芥川賞選考コメント、書評くらいしか読んだことがなかったけど、読みやすさと読み応えが、いい塩梅で設えられた手練れの一作だった。10年(だっけか?)、沖縄に移り住んでただけあって、登場人物も臨場感あふれる動きを見せる。主要登場人物3人の視点から描かれるそれぞれの心情が真に迫って切ない。 先の総選挙の結果から、またまた長いものに巻かれよ的な、KYを良しとしない大政翼賛な世相になっていきそうな危険を感じる今、反体制、反ベトナムの地下組織的レジスタンスを続ける知花先生の「無理なことを大義として掲げてしまうと組織は動きが取れなくなる」「やめる者を引き留めはしない。それが運動を健全に進める大事な条件」と、”国家より個人が優越する”と語る場面が目を引く。 自分の記憶がかすかに存在する時代の日本(本土)と、それとは異世界の沖縄の様子をタイムマシンに乗って垣間見てきたような不思議な郷愁を味わいながら、ゆっくりゆっくり時間をかけて読了した。佳作なり。
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