ヤッさん の商品レビュー

原宏一【著】

2010/06/02

結構一気に読んでしまいました。

ヤッさんは、ホームレス。
しかし、ホームレスとしての哲学と矜持を持っています。
“ホームレスは都会という恵まれた環境で、都会の恩恵を受けて生きているんだから、その幸せに感謝の気持ちを持たなければならない”
幸いにして、今のところホームレスとして生きなければならない状況に陥ったことはありませんが、もし自分がホームレスになったとして、ここまで毅然として生きられるかというのは甚だ疑問です。

主人公はどちらかというとヤッさんではなく、ヤッさんに惹かれ、その弟子になってしまったタカオです。
ヤッさんがさまざまな問題を解決していく一方で、タカオが成長していきます。

ヤッさん自身が、照れ屋なのか、気っぷがいいのか、とにかくさっぱりしているので、お話全体もさっぱりとした印象で、結構重めな話題もあるのですが、読後感もさわやかな本でした。

2010/05/27

誰が呼んだか“銀座のヤス”。親しみ込めて“ヤッさん”。築地市場と一流料理店を走って回り、頼られる謎の男。自分がなぜ宿無しかは語らないが、驚きの舌と食の知識を持つ。新米ホームレスのタカオは、ひょんなことからヤッさんに弟子入りして、「驚愕のグルメ生活」を味わうことに。市場も銀座も、最高に旨くて、人情はあったかくて、さっぱりと気持ちがいい。だが、誇りを持って働く現場には事件も起こる。ヤッさん&タカオの名コンビが、今日も走る。

2010/05/08

ヤッさんは家も財産も仕事も持たないホームレスだが人間としての矜持は持ってなきゃいけない、それがヤッさんのホームレス哲学だ。
そんなヤッさんが新米ホームレスのタカオを引きつれ銀座、築地を舞台に食に関わる揉め事を解決していく。
謎のホームレスのヤッさんだが食に関してはすべてが超一流だ。
テンポがよくて痛快な人情物語。
『ありきたりな身の上話はそれだけか』ヤッさんの決め台詞が響き渡る。

2010/02/07

家も職もなくしホームレスになったタカオ。ひょんなことから知り合ったやっさん。
築地市場と一流料理店を走って周り、情報屋？のようなことをしている。
お礼は賄いなどなど。ホームレスのグルメ生活！
誇りをもっていきている。
ところでやっさんは、何者！？

面白い～！

2010/01/25

男気溢れる「ヤッさん」。銀座のヤスことヤッさんはホームレス。何故かプロ顔負けの「舌」と食に関する知識を持っている。
でも世間一般が想像するようなホームレスとは違う、身奇麗で健康的なホームレス。
彼に弟子入りする新米ホームレスのタカオが、様々な食の場で沢山の人と関わりながら生きていく、情に溢れた物語。
食べる事、作る事、食べさせる事、それぞれに対する姿勢を考えさせられる作品。
ヤッさんの潔さは読んでいて、痛快でした。

2009/12/31

人情系　タカの成長もなかなかリアル　自分はやっさんのいう「世間様」ってほど世間に貢献していないので…活力をいただいた気分になれました

2009/11/22

これまた感想が難しい(笑)。
熱い人情ものなんですが、自分には
イマイチ響いてこない...。

主人であるヤッさんとタカオが様々な人から受ける
恩恵（作中では対価ですが）があまりにも大きくて、
バランスが悪く感じます。
作品の基本要素がしっくり来ないから...
のめり込んで読めなかったよー。

いろんな人が余りにも優しくて、甘過ぎる(笑)。

2011/09/18

とにかくヤッさんがいいんです。誇り高きホームレスであるヤッさんに弟子入りしたタカを通して、いろいろな出来事が語られる。築地界隈の業界話や食いもん屋事情はとても興味深く感心します。移転話など東京の時代の空気もリアルです。美味しそうなものが次々出てくるし、人情味もたっぷりでとても楽しめます。お話として何度もトラブルが起きるのですが、ヤッさんの他にも度量の大きい人物がたくさん登場してくれるので安心して読めた本でした。面白かった！