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ブラバン の商品レビュー

3.3

126件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

    21

  3. 3つ

    48

  4. 2つ

    20

  5. 1つ

    3

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2024/01/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大人の青春譚。 四十代に入った中年が高校時代を振り返り、吹奏楽部再結成に向かう話。 私はブラバン経験もないし、楽器も作中の音楽もてんでわかりませんでしたが、「ああ、青春の振り返りは甘いもので、けど現実に戻ったときの衝撃も大きいなぁ」と感じた作品でした。 年月が経って変わらない人もいれば、音信不通の人もいる、変わり果ててリスカする飲んだくれになっている者もいる。 発案者の桜井さんは土壇場で披露宴取りやめで、クライマックスは悲しみに溢れてしまう。 主人公も順風満帆とは程遠く、振り返った後は悲しみが残るような感じで描かれていました。 割と救いが無い人は完膚なきまでに無いよなぁ… 特に先生… 流産した子はやっぱり来生の子だったのかな? それもひとつの人生で、宝石のように大事に取っておける青春を過ごしたことはかけがえの無いものなんだなぁ。 私も高校よりは大学で部活に精を出した者で、今でもその思い出は宝石のように輝いています。 割と救いがなくて暗かったり、楽器、音楽の知識が必要で、登場人物が多くて読むのが大変でしたが、年を取ってから読むべき一冊です。

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2023/10/09

自分の結婚式で、高校時代のブラスバンドを再結成・演奏してもらおうと企画したのをきっかけで、当時の部員の今昔を描き出す。語り部となるのは立案した女性ではなく、彼女の一年後輩の男性となる。地元に残って酒屋(描写としてはバー)を営んでおり、昔の仲間とも

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2023/01/26

自分が吹奏楽部に所属しているためタイトルと表紙に惹かれて手に取った本。 少しずつ読み進めてようやく読了。 全体的に切なさをとても感じた。 高校時代と成人してからの人間関係の変わりよう、思い描いていたのとは違う将来、寂しくなる要素は多くあれど、また再び、かつての青春時代を過ごした仲...

自分が吹奏楽部に所属しているためタイトルと表紙に惹かれて手に取った本。 少しずつ読み進めてようやく読了。 全体的に切なさをとても感じた。 高校時代と成人してからの人間関係の変わりよう、思い描いていたのとは違う将来、寂しくなる要素は多くあれど、また再び、かつての青春時代を過ごした仲間と音楽を奏でるということに胸を打たれた。 とりあえず明日から部活の練習をちょっとだけ頑張ろうと思う。

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2022/09/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この間、職場の有線で「ムーンライト・セレナーデ」がかかっていた。 やっぱり名曲だなぁと思ったのは、こんな本を読んだからだ。 『ブラバン』 津原泰水 (新潮文庫) 作者は私と同年代である。 同じ時代に違う場所で高校生をやっていたんだね。 典則高校吹奏楽部で、“弦バス”ことコントラバスを弾いていた他片(たひら)くんが、この物語の語り手である。 これは、四十代になった彼らの物語なのだ。 読み始めてすぐ、素朴な広島弁にまず引き込まれる。 高校を卒業して四半世紀、様々な人生を歩み、四十路となった元吹奏楽部のメンバーに、ひょんなことから再結成の話が持ち上がる。 しかし物語は、再結成までの苦労話というよりは、どちらかというと高校時代のエピソードに重きが置かれているようで、私はブラバン部員ではなかったけれども、高校時代を思い出して懐かしい気持ちになった。 でもすごく読みにくいのよねー。 現在なのか過去なのか、いつの話が始まったのか分かりづらいところがあったり。 そしてやたら人が多い! まあ登場人物が多いのは、三学年分だからしょうがないけど。 冒頭の登場人物紹介を見ると、ブラバン関係者だけでなんと顧問含め総勢34人! たぶん登場人物をある程度絞って書けばすっきりするはずなのに、この34人全員の名前をとりあえず作中に出した作者の意気込みには拍手を送りたい。 初めてのコンクールでの緊張感はとてもリアルだ。 二度目の文化祭での“悪事”はすごかったな。 クラシックや課題曲などの正規の演目のラスト一曲に、勝手にジャズの曲をかぶせてしまうという。 顧問が怒って舞台を降りた後、有志のみで演奏された「ムーンライト・セレナーデ」は名演だった…。 彼らは、顧問に内緒で、弦バスの裏板に穴をあけてアンプとスピーカーを内蔵し、エレキ化してしまったりする。(ちなみに学校の備品) こんな若気の至りに時間を惜しげなく使えるのは若さの特権だ。 案外結果はどうでもよかったりするのだ、こういうのって。 将来のためとか、自分にとってプラスになるとか、何かを得ようとしてやるわけじゃないから、純粋だしアホだし。 ところで、語り手の他片くんが自分のことを話す時やたら暗いのが、読みながら気になった。 本人が語るところによると、彼は高校卒業とともにコントラバスをやめ、漫然と大学に通ったあと、好きになれない仕事を転々とし、すべての恋愛に失敗してきた。 飲み屋を始めたが経営は火の車、金目の物はすべて手放し、大切なフェンダーのベースも売り払ってしまう。 ……という人生なのだそうだ。 店を持ったのは、「自分を許容してくれる場所、狭い穴蔵が、ただ欲しかった」から。 再結成を一番喜んでいたのは、実は彼だったのではないだろうか。 ただの語り手として役を振られたわりには、背景に含みがあり過ぎるもの。 安野先生と付き合っているのも、本当は、“弦バスの他片くん”という若き日の肩書きを、夢見るように楽しんでいたかったからなのかもしれない。 ラストシーンは、母校の現役吹奏楽部員たちが、OBたちのために企画したクリスマスコンサートだ。 物語は、本番寸前の楽屋の場面で終わっている。 本番前のドキドキが、高校生だったときの彼らと今の彼らとは、明らかに違うのがわかる。 年を重ね時を経ることの重さが、ひたひたと胸に迫ってくる。 これを現役の若い人たちが読んだら、もしかしてちょっとガッカリするかもしれない。 でも、四十代になったらもう一回読んでみてほしいな。 チューバを抱きしめる唐木くんや、本番前なのに眠ってしまった幾田くん。 校庭に佇む桜井さん。 小日向くんの「行くで」にほろりとした。 四十にして惑わずなんて嘘だ。 大体の人は惑っている。 私も。 人と比べるしか測りようのないものよりも、味のある人生だったと思えることの方がいい。 若い読者にはちょっぴり苦い、これは大人のための青春グラフィティなのだった。

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2022/04/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

私自身、コントラバスを吹奏楽部が弾いていたので、すごくわかる。今アラフォーとなり、さらに気持ちが刺さる。役割を与えられ、初めて存在を得て。 自己表現の労を惜しんで、溜め込むことに慣れてきた。他に人から大事にされる方法を思いつかずで。 Noと言おうというまいと、砂時計の砂は勝手に落ちていく。早めに気づいて、ひっくり返して回るほかない。特に大事な人々の時計は

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2022/02/13

実体験かと思うレベルのリアルさ (起伏がない、音楽の話題に脱線しまくる、というあたりも含めて) 青春を完全に終えた年になったとき皆いろんな人生を背負って集まるんだな この世に集まれない人すらいるのがかえってリアルだった。おそらくあともう少し歳をとればより味わい深いはず

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2021/04/04

こういう大人のなり方も、確かにあるだろうなと思えた。没入できたということだと思うので評価。でも、沈む。

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2021/02/21

去年の大晦日東京より一時帰還した友人から頂いた小説。まさか小説をいただけるとは思っておらずめちゃくちゃ嬉しかった。お返しとして私も小説をプレゼントした。 吹奏楽部に所属していた友人らしい設定の小説でなんと言っても台詞のセンスがお見事でした。読んでいて軽快で何度もクスッときたシーン...

去年の大晦日東京より一時帰還した友人から頂いた小説。まさか小説をいただけるとは思っておらずめちゃくちゃ嬉しかった。お返しとして私も小説をプレゼントした。 吹奏楽部に所属していた友人らしい設定の小説でなんと言っても台詞のセンスがお見事でした。読んでいて軽快で何度もクスッときたシーンがありました。主人公のお店に訪れた柏木とそのお連れカリスマに本当はボイラーメーカーというお酒であるのにマックスウェーバーであると嘘をつくところ。出されたカリスマもそれに納得してしまうこのような軽快なやりとりが続き面白く読めました。

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2021/01/03

古いアルバムをながめる時のように、優しい時間をくれる物語だった。 「人はなぜ音楽を奏でるのか」。 「そいつと共にいるかぎりは何度でも生まれ直せるような気がするから」。 音楽は生へのエール。

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2020/02/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

登場人物が多く、高校生時代と大人時代とが行ったり来たり。 会話文に方言が多用されており、物語に入り込むまで時間がかかった。

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