ニサッタ、ニサッタ の商品レビュー

乃南アサ【著】

2014/02/18

始まりからどんどん下降してしまう主人公が自分と重なり、自分も落ち込みました。
でも今ってこういうこと本当にある世の中で、頑張っても報われないことが多いような気がします。
だから平穏に生きていけることを幸せだと思います。
その中にいると欲が出てしまうけど、そう思えることが幸せなんだと思います。
頑張ることを諦めたくないな。

2015/06/13

東京で就職した会社を安易な理由で辞めてしまい、その後、耕平は何をやってもうまくいかない。
本人にも問題があるが、不運もあり、あっという間に転落していく。

うまくいかないことが多すぎて、どこまで堕ちていくのだろうと気の毒に思えるが、新聞屋で同僚になった杏菜もまた更に不幸な人間だった。
人はどんなに苦しくても、うまくいかなくても、それでも生きていくのだと改めて思う。耕平の祖母の言葉も、温かく人生の重みがあって心に沁みる。
この作者の「地のはてから」の主人公が、この祖母ということのようで納得。

2013/11/17

耕平の今時の根性のない生活の様子から始まる。なんとかなると自分自身を過大評価して底辺をうろうろする。しかし、耕平は根本の考え方はしっかりしていたと思う。自分自身のせいなんだけどいろんなことが重なってどん底生活が続く。杏菜が出てきてなにか意味があるのかなと思ったらかなり大きく関わってきた。杏菜の真実の告白、おばあちゃんの言葉によって健康に生きている、自分を心配して愛してくれる家族がいることは当たり前じゃない幸せなんだと感じることができた。

2013/06/29

職と住む場所を失った若い男性の再起の物語。
人間、堕ちるのは簡単だけど、這い上がるのはなんて大変なんだろう。
最後は明るく終わるが、それまでの主人公の言動からすると・・・一波乱、二波乱あるのかも。

「地の果てから」と近い場所が舞台となっていて、「地の果てから」の主人公「とわ」が、「ニサッタ～」に出てくるおばあちゃんのような老後を過ごしていてくれたらなあと思った。

2013/06/17

北海道から東京の大学に進み就職するが、本人が思うようにはいかず職を失い住む場所もなくし転落していく…
主人公の耕平が「ついてない」とくさりたくなるのも分からなくもない、しかし地のはてからで読んだ悲しい時代を生きた祖母の苦労や杏菜が背負わされているものは自らの力でどうこうできるものではないことを思うと違うだろ！と。
それでも杏菜に出会って聞いて感じて気づいてよかった、杏菜も耕平に出会えてよかった、そう思うラストとともに祖母も穏やかに暮らしていることが描かれていてホッとさせられる。

それにしてもこの「ニサッタ、ニサッタ」と「地のはてから」は作者が思うことがすごく表されている感じた。

2013/04/29

乃南アサさん好きです。

でも、やっぱり音道シリーズなど、彼女の警察小説が好きなんだよな。
犯罪者の家族の道程を書いた作品とか、良かった。
クールな文体に暗い作品が合うんだと思う。

なので、上記の「ニサッタ、ニサッタ」はちょっと拍子抜け。
主人公がおバカすぎていまいち感情移入ができず・・・・。
でも、方言が懐かしくて、まあいいんでない？ていう感じかな～。

2013/04/13

4月6日～13日

最初の会社を勢いで辞め、二番目の会社が突然倒産し、派遣先をたて続けにしくじったときでも、住む場所さえなくすことになるなんて、思ってもみなかった。ネットカフェで夜を過ごすいま、日雇いの賃金では、敷金・礼金の三十万円が、どうしても貯められない。失敗を許さない現代社会でいったん失った「明日」をもう一度取り返すまでの物語。

2013/03/18

帯から。
「普通のサラリーマンだった耕平は、会社の倒産をきっかけに、じわりじわりと落ちていく。まだ戻れる、まだ間に合うと思いながら」

読後感は良かったです。
最後は、ハッピーエンドといえますので、安心して生徒にも薦められます。

耕平は最初の就職は上司に我慢できなくて辞め、次の就職先はある日出社すると倒産していたということで、これは耕平に罪はないのですが、そこからなぜか見事に落ちていく。
住む場所さえなくし、実家に頼ろうにも母親から頼るなと言われ、そしてネットカフェ、日雇い、サラ金からの怖い督促。そしてついに見つけた住み込みの新聞配達。これで落ち着くかと思いきや、先輩とけんか後にやめて郷里に戻る。そして心を入れ替えスーパーにアルバイトで勤め、頑張って働き上司にも認められ正職で採用か、と思った矢先に飲酒運転で事故を起こし、入院、解雇。
自暴自棄になりながらの入院生活。

そんな中での耕平に心の変化をもたらすのが、杏菜ちゃんという少女というか女性。
新聞配達所で出会い、なぜか耕平の郷里にやってきて、耕平の母親や祖母に可愛がられ、世話を焼かれている杏菜ちゃんの存在。
この杏菜ちゃんがとても良い子です。
苦労をしてきているにもかかわらず、心根の良い子で、この杏菜ちゃんの成育歴を知る中で耕平は今度こそ心を入れ替え、心を切り替え真面目に働きだします。

人というのは、自分のためには頑張ったり、強くなったりすることが難しくても、守りたいと思う人ができると、頑張ったり、強くなったりするものなのだと、ラストでつくづく感じました。
頑張れ、耕平君。
そして、杏菜ちゃん、幸せに。

分類　913/ノ

2013/03/14

ある日、会社が突然なくなった。耕平はそれから
バイトを転々とし、借金とりに追われるようになり
新聞販売店に住み込みで働くことになる。

2013/02/08

不運な主人公
でも身近に起こりうることで、他人事でないなと感じたり。
マイナス思考の悪循環になるのがよく分かる

最後はとんとん拍子に人生が変わって良かったような、でも良くなりすぎて納得いかないような…
自分の気の持ちようで人生変わるのかな