ニサッタ、ニサッタ の商品レビュー
青年期のちょっとした思い違いやボタンの掛け違いによる窮地に落ち入り、立ち直る姿に共感を覚える。また東京と北海道の描写、人物設定も見事。入院中の苛立ちや祖母の癒しの表現にも自分自身の経験から納得以上のものを感じた。久し振りに休日を読書だけで過ごすことになったが、なかなか良い休日だっ...
青年期のちょっとした思い違いやボタンの掛け違いによる窮地に落ち入り、立ち直る姿に共感を覚える。また東京と北海道の描写、人物設定も見事。入院中の苛立ちや祖母の癒しの表現にも自分自身の経験から納得以上のものを感じた。久し振りに休日を読書だけで過ごすことになったが、なかなか良い休日だった。
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主人公の転落人生にハラハラしながら読み進め、繰り返し大失敗をして、せっかく頑張ろうとしているところで脇が甘くヒヤヒヤしたが、なぜか読むのが嫌にはならず、最後は前向きに終了。 ニサッタ アイヌ語で明日
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主人公は片貝耕平。 無名な新設大学を卒業し、就職した会社を勢いで辞め、再就職した会社がいきなり倒産するというエピソードから始まる。 その後、日雇いや派遣の仕事をしていたが、パチンコにはまり、溺れた生活を送っていくうちに借金を抱えてしまう。 住み込みで働くことになった新...
主人公は片貝耕平。 無名な新設大学を卒業し、就職した会社を勢いで辞め、再就職した会社がいきなり倒産するというエピソードから始まる。 その後、日雇いや派遣の仕事をしていたが、パチンコにはまり、溺れた生活を送っていくうちに借金を抱えてしまう。 住み込みで働くことになった新聞配達店で、色黒でエキゾチックな顔をした「杏菜」に出会う。 杏菜も何か過去を秘めているようだが、耕平は自分のことが精一杯で優しくしてやることが出来ないまま、故郷の北海道に帰ることになる。 地元でコツコツと人生をやり直し始め、杏菜がいきなり北海道にやってくる。 が、飲酒運転で交通事故を起こしてしまい、何もかも嫌になるが、杏菜や祖母とのやりとりで、自分の生きている価値を見つめ直していく。 耕平のどうしょうもなく中途半端で要領が悪く、甘えがあるが、根は優しく、根性は曲がっていないというキャラが、誰にも共感できるところではないでしょうか。 ストーリーとして派手さはありませんが、とても細かく人物描写がなされていて、リアリティがあるなあと思います。 また民族問題も取り込みながら、人間の存在価値なども感じられました。 じんわりと温かくなるストーリーでした。
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人生のどん底からの頑張る姿が、現実味あった。主人公はどうしようもないなーって感じだけど、応援したくなる。
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耕平が本当にプライドだけ高くて根気無くてイライラするなぁ! と最後まで耕平の不甲斐なさにイライラ思いながら読み切った。 でも「どうしたらこの貧乏から抜け出せるのか、もうその日暮らしの貧乏なんて嫌だ」なんて、なんだか自分も同意できる部分が多く、身から出た錆とは言うけれど社会で上手く...
耕平が本当にプライドだけ高くて根気無くてイライラするなぁ! と最後まで耕平の不甲斐なさにイライラ思いながら読み切った。 でも「どうしたらこの貧乏から抜け出せるのか、もうその日暮らしの貧乏なんて嫌だ」なんて、なんだか自分も同意できる部分が多く、身から出た錆とは言うけれど社会で上手く生きていけない生きづらさにはまったくもって共感した。 おばあちゃんの温かさが場面場面で染みた。杏菜はなんだかんだ根のいい子されているけれど、私は最後まで苦手だった。こういう子にははっきりしてよ!と言いたくなってしまう。
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会社が倒産し、その後社員になれず辛い生活を強いられる男性の話。何気なく図書館の棚から選んだだけなくのに、今の私の状況と少しだけ重なる部分があって、読み易いのに読み辛かった。
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自業自得といえば自業自得なんだけど、トコトンツイテナイ耕平。( ˃ ⌑ ˂ഃ ) 読んでてかわいそうになっちゃったよ。。 だけど最後はやっと光が見えてきた感じで、、ホッとしました。 分厚い本だったけと、続きが気になってサクサク読めました。
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こんなに分厚い本なのに、もう読み終わった〜! 順調にいってる時ほど足元をすくわれる、そんな典型みたいな話。調子のいい時ほど気を引き締めないと。転落し始めるとコロコロ下まで落ちていくのは速いんだから。 ここまでイタイ思いをしなければ、気づかなかったんか?しっかりしろよー耕平! ...
こんなに分厚い本なのに、もう読み終わった〜! 順調にいってる時ほど足元をすくわれる、そんな典型みたいな話。調子のいい時ほど気を引き締めないと。転落し始めるとコロコロ下まで落ちていくのは速いんだから。 ここまでイタイ思いをしなければ、気づかなかったんか?しっかりしろよー耕平! でも命のあるうちに気づけてよかったよ。あんまりお母さんやばあちゃんや杏菜ちゃんに心配かけるんじゃないよー。 杏菜ちゃんの実母、「もう過去は忘れたし、振り返らないつもりだから」って杏菜を捨てて自分だけさっさと幸せになってて、ひどくない?あんまりじゃない?
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ある朝、出社したらそこはもぬけの殻だった・・・ 自分の弱さや不運からどんどん底へ沈んでいく主人公の青年。 不幸な生い立ちの少女 ふたりの未来が明るいといいなって思えるような作品でした。
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とっても良かった。どこにでもいそうな主人公のどこにでもありそうな人生(かなりツイていないが 笑)。それを全く飽きさせることなく読ませるのはさすが乃南アサ。主人公と共に焦り、憤り、涙しながら一気に読んだ。読書の楽しさを改めて感じさせてくれる作品。読後感も最高。
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