時の娘 の商品レビュー
何のために時を超えるのか それはもう一度、会いたい人がいるから とするとまあ、タイムトラベルと恋愛ものと相性がいいのは当然なのかもしれません。 表題作の『時の娘』がすごい。最後の展開に、ぞっとするようなそれでいて爽快感があります。 一番好きだったのは『時が新しかったころ』です...
何のために時を超えるのか それはもう一度、会いたい人がいるから とするとまあ、タイムトラベルと恋愛ものと相性がいいのは当然なのかもしれません。 表題作の『時の娘』がすごい。最後の展開に、ぞっとするようなそれでいて爽快感があります。 一番好きだったのは『時が新しかったころ』ですね。伏線なんてもんじゃない。時間と空間を超える壮大な愛。 『出会いのとき巡りて』は、本当に魂の形で何度でも出会う話。見つめ合えばそれで分かる。最高。 短いお話もあれば、中編クラスの少し長めのものもあります。 SFが好きな方にはとてもおすすめです!
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「時の娘」タイム・パラドックス。母の恋人を奪うため娘は過去へタイムワープ。永久に終わらない。 「時が新しかったころ」もお勧め。
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「ロマンティック時間SF」というサブタイトル通り、時間の跳躍と、その移動に伴って出会う男女の物語のアンソロジー。 1977年、母は美貌の持ち主で、更にどういうわけか、様々な事象を予言する力を持つ。そんな母がもう時間がないから、次の仕事にはつかないと言い出した。そして、マグネトロ...
「ロマンティック時間SF」というサブタイトル通り、時間の跳躍と、その移動に伴って出会う男女の物語のアンソロジー。 1977年、母は美貌の持ち主で、更にどういうわけか、様々な事象を予言する力を持つ。そんな母がもう時間がないから、次の仕事にはつかないと言い出した。そして、マグネトロン発生機を作成し、20年前に戻ることを可能にするが…。 真ん中辺くらいまでの作品までは集中力が続いていたのだが、正直なところ、後半の数作はちゃんと理解しないまま読み飛ばしている。冒頭の『チェリティのことづて』や『時が新しかったころ』などの、古典的なSFや冒険小説といったあたりは、誰にでも理解はできるだろう。しかし、時間跳躍のたびに同じ少女に出会うとかいう辺りで、完全に集中力が切れて、最後の作品に至っては、ほとんど覚えていない。 全体に、ロマンティックでほのぼのをイメージしていると、かなりSF的にも出来事的にもハードな内容も含んでおり、あんまり油断して読むと、アチャーってなったうえで、オチが良くわからないという表題作などもある。 浅倉久志など、そうそうたるメンバーの訳者揃いであるが、作品によって出来のばらつきが大きいのではないか?一部の作品は、読ませる気がないような、比喩なのか描写なのかわからない、文になっていないような文も混ざっており、師走の疲れた頭には辛かった。 序盤の数作はおすすめなので、安く見つけたらぜひ。 読み直さないとなこれは…。
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『A Message from Charity』/『チャリティからのメッセージ』/william M.Lee 『Backward,0 Time』/『むかしをいまに』/Damon Knight 『Double Take』/『台詞指導』/Jack Finney 『Backward,T...
『A Message from Charity』/『チャリティからのメッセージ』/william M.Lee 『Backward,0 Time』/『むかしをいまに』/Damon Knight 『Double Take』/『台詞指導』/Jack Finney 『Backward,Turn Backward』/『かえりみれば』/Wilmar H.Shiras 『Backtracked』/『時のいたみ』/Burt K.Filer 『When Time Was New』/『時が新しかったころ』/Robert F.young 『Chiled by Chronos』/『時の娘』/Charles L.Harness 『Tryst in Time』/『出会いのとき巡りきて』/C.L.Moore 『Apology to Inky』/『インキーに詫びる』/Robert M.Green,Jr. 題名通り恋愛を絡めた時間SF というより時間という距離を味付けにした恋愛短編集 SFという意味であまり期待してはいけない 『たんぽぽ娘』のRobert F.youngが象徴的か 上から順に ・少年少女の淡い恋 意味は違うけどメルヘンな感じで微笑ましい読後感にごまかされた魔女狩りが暗い ★*3 ・逆回しものの典型 丁寧な描写で水準作 ★*4 ・思い入れない日本人からすれば全体に描写を削った方が良いとは思うが小説としてはこの本で一番上手いか ★*3 ・軽い法螺話 引き際が上手くまとまり良い良作 ★*4 ・いかにもな短編 大人な苦さに対して純愛とやらを一緒に飲み下すと消化不良な気がする ★*3 ・訳者解説にあるように『夏への扉』『たんぽぽ娘』をとても好む層がいるようだがよくわからない ★*3 ・タイムバラドックスものはパズルゲーム過ぎて物語にならないと思う ★*3 ・男の浪漫みたいな印象だが女性作家作らしい 障害があることに燃えるのであって恋愛対象はどうでもいいらしい ★*3 ・はいはい高踏高踏 ★なし 総じて恋愛ものに興味がないのであまり楽しめなかったということか この作者の他作品も読んでみたいと思うものはなかった
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タイムトラベルものは、やっぱSFの基本なんだなー、と思った。 「時間旅行」という要素を絡めるだけで、物語がぐっと一段深くなる。 個人的には、やっぱロマンスが絡む作品が好きだな。 爽やかなラブロマンスとタイムトラベルは、素晴らしく相性がいいコンビだと思う。
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予約しました。 『盗まれた街』で有名なジャック・フィニイのタイムトラベルものの短編が収録されているようです。
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タイムトラベルを扱った中短編集で、 表題作は有名なミステリ小説とは無関係。 収録9編の初出は1930年代後半から 1970年(を少し過ぎるくらい)までだそうで、 いずれも古きよき強く優しく懐の深いアメリカのイメージが 横溢している。 編者のセンスのなせる業とはいえ、 やはり、いい...
タイムトラベルを扱った中短編集で、 表題作は有名なミステリ小説とは無関係。 収録9編の初出は1930年代後半から 1970年(を少し過ぎるくらい)までだそうで、 いずれも古きよき強く優しく懐の深いアメリカのイメージが 横溢している。 編者のセンスのなせる業とはいえ、 やはり、いい時代だったんだろうなぁ……と、 しみじみ。 以下、特にハートを鷲掴みにされた作品について。 ■ウィリアム・M・リー「チャリティのことづて」 同じ町に住む現代(1965年)の少年と、 265年前(1700年)の少女の心の交流。 二人は厚い時間の壁に隔てられ、 決して触れ合うことはできない。 ムズムズするほど奥床しくてチャーミングな ロマンティックSF! ■ジャック・フィニイ「台詞指導」 1960年代、ニューヨークで 40年前の禁酒法時代の映画を撮影するチームが 往時のスタイルの大道具・小道具を集めて 準備していたら時間の捩じれが起きて、 40年前のニューヨーカーたちと接触、 その中の一人は……という、 フィニイらしい、優しさと残酷さが詰まった切ない佳品。 原題"double take"の意味は 意外な物事を見過ごし、または聞き流した後で 気がついてハッと驚くこと。 まさにソレ! ■ロバート・F・ヤング「時が新しかったころ」 タイムマシンで白亜紀を調査するカーペンターは、 誘拐犯の手から逃れた火星人の姉弟 マーシーとスキップを助ける。 長大な距離と時間を超えて成就した純愛に 不覚にも落涙(!)。 ■ロバート・M・グリーン・ジュニア 「インキーに詫びる」 音楽評論家ウォルトン・アスターは 少年時代の愛犬インキーの死の真相や その他の真実を知るため、過去へ遡ったが……。 覆面作家(正体不明)の技巧的な一品。
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タイムトラベルものの中編集 「時が新しかったころ」 白亜紀を舞台にした冒険譚。 恋愛要素がないと思いきや、、、 今回の秀作。 「時の娘」 まさにタイトルどおり。 母と娘の葛藤とタイムトラベルを 絡めて描いている。 鶏と卵みたいな話。 「インキーに詫びる」 現在、過去、未来、...
タイムトラベルものの中編集 「時が新しかったころ」 白亜紀を舞台にした冒険譚。 恋愛要素がないと思いきや、、、 今回の秀作。 「時の娘」 まさにタイトルどおり。 母と娘の葛藤とタイムトラベルを 絡めて描いている。 鶏と卵みたいな話。 「インキーに詫びる」 現在、過去、未来、現実と幻想が 混じり合う不思議な雰囲気の話。 何度も読み直してようやく全体像が つかめた。
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海外の時間SFの短編を9編収録したアンソロジー。 時間を越えた恋愛などの王道のものから、タイムパラドックスを使った技巧的なものまで幅広くあります。でも個人的には恋愛系のものの方が面白いのが多かったかな。 一番印象的だったのはロバート・F・ヤングの「時が新しかったころ」。...
海外の時間SFの短編を9編収録したアンソロジー。 時間を越えた恋愛などの王道のものから、タイムパラドックスを使った技巧的なものまで幅広くあります。でも個人的には恋愛系のものの方が面白いのが多かったかな。 一番印象的だったのはロバート・F・ヤングの「時が新しかったころ」。この作品は長編化されていて、僕はすでに長編版を読んでいたのですが、改めて読むとやっぱり面白いし、ロマンティック! タイムスリップというテーマに加え、舞台となる時代が白亜紀なので恐竜が登場し、さらには宇宙人が登場し、その宇宙人を追う悪人が登場し…、と非常に贅沢な設定をたくさん使いながらもそれらが上手く収束し最後のロマンティックな結末につながります。物語の骨格がこれほどしっかりしている作品ってそうそうないんじゃないかな、と思います。 そのほかの恋愛系では「チャリティのことづて」「出会いのとき巡りきて」前者は時代を超えてテレパシーでつながりあった男女の物語、後者は生まれ変わりがテーマとなり、どちらも王道の展開で安心して読めます。 ちょっと変わったところでは表題作「時の娘」は、母娘のドロドロとした恋愛の争いがタイムパラドックスと結びついていく秀作です。 「かえりみれば」はだれでも一度は想像したことがある、「あのころから人生をやり直せたら」という願望がちょっとユーモアと皮肉交じりに捉えた短編でこちらも面白かったです。 恋愛とはいかにタイミングが重要か、そして恋愛において時間はいかに残酷か教えてくれるジャック・フィニィの「台詞指導」も「時が新しかったころ」と同じくらいこのアンソロジーの中では気に入っています。今、告白しようか、もしくはプロポーズしようか迷ったりしている人、また告白、プロポーズされるのを待っているすべての人のこの短編を強くおススメしたいです!
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ジョセフィン・テイ はまったく関係ありません。 ヤングの「時が新しかったころ」と、 さすがに表題作、ハーネスの「時の娘」が良かったです。 お二方とも、本領発揮というところで。 どっちもなんか、 似たような話を知っているような気もするんですが。 こういうジャンルはまあ、雰囲気もの、ということで。
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