時の娘 の商品レビュー
時間SF大好きです。読んでるSFの半分はタイムトラベルものです。さて本作ですが時間SFの短編が9作、それぞれ趣向が違う、好きな作品の順位で性格判断が出来そうな程バラエティ豊かです。一押しは「時が新しかったころ」ピクサーアニメかロバートゼメキスあたりで映画化して貰えないでしょうか。...
時間SF大好きです。読んでるSFの半分はタイムトラベルものです。さて本作ですが時間SFの短編が9作、それぞれ趣向が違う、好きな作品の順位で性格判断が出来そうな程バラエティ豊かです。一押しは「時が新しかったころ」ピクサーアニメかロバートゼメキスあたりで映画化して貰えないでしょうか。アクションシーンが満載、タイムマシーンもビックリドッキリメカの様で(トリケラタンク最高!)最後の2行は「愛と青春の旅立ち」に匹敵するラストです。(ちょっと褒め過ぎかな?でも何回もラストだけ読み返してしまいました)次点は「出会いのとき巡りきて」長編にしても面白そう、もっと話を拡げられるのでは。次々点は「台詞指導」過去へのタイムスリップがきっかけで現代の二人に恋愛感情が芽生える、ちょっとしゃれたSF、これはウッディアレンに映画化して貰いたい。あえて順位を付けてみましたが、どれもこれも素晴らしい、時間SFです。読んで良かった!「愛しているよ、カボチャちゃん」
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タイムトラベルものの短編集。 往年の名作ばかりで、タイプの違うものを取り揃えてあります。 SFにしてはかなり読みやすい方。 ロマンチックなのがやっぱり好きかな。 これは日本人の特性らしい? 「夏への扉」や「たんぽぽ娘」がオールタイムベストにいまだに入るのは日本だけだそう。 「チ...
タイムトラベルものの短編集。 往年の名作ばかりで、タイプの違うものを取り揃えてあります。 SFにしてはかなり読みやすい方。 ロマンチックなのがやっぱり好きかな。 これは日本人の特性らしい? 「夏への扉」や「たんぽぽ娘」がオールタイムベストにいまだに入るのは日本だけだそう。 「チャリティのことづて」ウィリアム・M・リー 1700年のマサチューセッツ。 11歳の女の子チャリティは熱にうなされ、不思議な光景におびえる。250年後に同じ土地で、高熱を出したピーターと、互いに見ているものが繋がったのだ。 魔女狩りにあいそうになったチャリティに知恵を貸すピーター。 そして‥? 「むかしをいまに」デーモン・ナイト 人生をさかのぼっていく男サリヴァン。 彼だけではなく、この世界ではそういうことになっているという設定? どうやら死んだところから始まり、長い結婚生活の後に出会いがあり、出会う前の孤独がやってくる。 技巧的な小説ですが、なくなった母親が生きているのと出会う喜びで締めくくられるのが感動的。 「台詞指導」ジャック・フィニイ 若くて美しい映画女優ジェシカと列車に同乗することになった台詞指導係ジェイク。 実はジェシカには役に必要な経験も演技力もなく、撮影が困難なのは目に見えていた。 今はない古いバスを撮影に使うことになり、深夜に衣装を着て、試運転に乗り出す。台詞指導係も車掌の服で。 ジェシカはそのとき出会った男性に一目ぼれされるが、実はバスは過去の時代に入り込んでいた。 そして撮影当日‥?! 「かえりみれば」ウィルマー・H・シラス ミセス・トッキンが30歳のとき、15歳にさかのぼってしまったという話。 もっとうまくやれたのにと教授に話したことがきっかけだったが。 15歳のときの学校の勉強が意外に大変で、すっかり忘れているため大変な目に遭う。 一週間の出来事だったが‥ 「時のいたみ」バート・K・ファイラー 妻のサリーのもとに10年をさかのぼってきたフレッチャー。 36際にしては急にふけてしまったが手当をして身体も鍛え、おかしくはないぐらいになる。 妻の危機を助けるために戻ったのだと気づくが‥? 「時が新しかったころ」ロバート・F・ヤング 白亜紀後期にタイムトラベルして調査にやってきたカーペンター。 トリケラトプスに見えるトリケラタンクに乗っている。 子供が二人いるのに気づいて仰天。誘拐されたという姉マーシーと弟スキップは、その時代の火星人だという。 当時の火星は生物が住める環境で、文明が非常に進んでいたというのだ。 子供らを守りながら恐竜と誘拐犯と戦い、出来るものならカーペンターのいる時代に連れて行きたいと思いながら、やむなく別れを覚悟する。 ところが‥? これが好き~! 「時の娘」チャールズ・L・ハーネス 三人の男を愛したと語り始める女性。 その母親は、未来を予言する能力がある占い師として富豪になった。 娘はそんな母を嫌っていたが、新聞の見出しをひたすら暗記するという妙な教育を受けていた。 行方不明の父親の事を聞いたところ‥ 原題は「クロノスの子供」といった意味で、クロノスは時の神。 「出会いのとき巡りきて」C・L・ムーア ありとあらゆる冒険をして生きてきた荒っぽい男エリック。 時間旅行を発明したというダウ博士の提案に乗り、時間旅行に出る。 スモークブルーの瞳をした印象的な美女に、さまざまな時代でめぐり合うことになった。 同一人物というわけではなく、生まれ変わり‥? そして‥ 「インキーに詫びる」R・M・グリーン・ジュニア 失った音楽的才能を捜し求めて、過去へ旅をするウォルトン。 過去の自分と出会うことが可能らしい設定。 うまくいかなかった恋人モイラも絡み合って登場する。 ちょっとジョナサン・キャロルを連想する酩酊感で、目まいがします。こういうのをキャロルは好きだったのかな。 とても良い企画だと思うけど、ただ「時の娘」というタイトルはいただけない。ジョセフィン・テイの名作に乗っかり過ぎ!あれはSFじゃないし~ 原題はこう訳さなければならないタイトルではないしね。 とはいえ、ツボにはまりました!
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色々な作家の時間SFが9作集められている短編集。 「ビブリオ古書堂の事件手帳3」の「たんぽぽ娘」を探していて行き当たった本です。この本には当の「たんぽぽ娘」は載っていないのですが、ロバート・F・ヤングの別の作品が掲載されています。 私はSFにそれほど精通している訳ではないので...
色々な作家の時間SFが9作集められている短編集。 「ビブリオ古書堂の事件手帳3」の「たんぽぽ娘」を探していて行き当たった本です。この本には当の「たんぽぽ娘」は載っていないのですが、ロバート・F・ヤングの別の作品が掲載されています。 私はSFにそれほど精通している訳ではないのですけど、時間SFっていうジャンルは好き。ロマンティックなお話しは特に。 今回の9作品のうち、ロバート・F・ヤング以外の作家さんは、聞いた事もなかったのですが、「ロマンティック時間SF傑作選」と名づけられているだけあって、どの作品も「時間」を軸としたロマンティックなお話しで、なかなか楽しめました。 ただ、ちょっと言い回しとか、取っつきにくい作品もあったかな。 9作の中では、 ウィリアム・M・リー 「チャリティのことづて」 ウィルマー・H・シラス 「かえりみれば」 ロバート・F・ヤング 「時が新しかったころ」 が良かったです。
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ロマンティック時間SF傑作選として、9編収録されている。 『ビブリオ古書堂の事件手帳3』にあった『たんぽぽ娘』を探していて手にとった本書。 おもしろい作品があった。 ロバート・F・ヤング『時が新しかったころ』 『たんぽぽ娘』の作者。この作品もおもしろい。 ロマンティック...
ロマンティック時間SF傑作選として、9編収録されている。 『ビブリオ古書堂の事件手帳3』にあった『たんぽぽ娘』を探していて手にとった本書。 おもしろい作品があった。 ロバート・F・ヤング『時が新しかったころ』 『たんぽぽ娘』の作者。この作品もおもしろい。 ロマンティックです。タイムトラベルです。 カーペンターは過去にさかのぼり白亜紀後期の研究をしている時に大火星からやってきた姉弟を助けることになった。 追ってから姉弟を助けた先の別れには… 時を越え、文明も超えてのめぐり逢いに心響く。 『たんぽぽ娘』を俄然読みたくなった。 チャールズ・L・ハーネス『時の娘』 表題作品。 母は未来を予言できる富豪。 そんな母を嫌う娘。 母が愛した3人目の人を娘も慕うようになり… よくあるタイムトラベルものかと思いきや…結末はおもしろい。 C・L・ムーア『出会いのとき巡りきて』 エリックは波乱万丈の人生を過ごしてきた30歳。 何かが満ち足りない日々を過ごしている中、ウォルター・ダウという科学者に会い、後戻りできない時の旅へ出かけることを決意する… 過去と未来を行きつ戻りつのすれ違いに感情をくすぐられた。 もともと『時』に関する小説が好きです。 うーんとなる作品もあったのですが、取り上げた3つに出会えただけでも満足。 なんか王道的作品をじっくりと読破したくなりました。
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海外時間SFを集めたアンソロジー。「チャリティのことづて」のみ既読。どれも期待以上に楽しんで読めました。マイベストはロバート・F・ヤング「時が新しかったころ」。白亜紀、タイムトラベル、恐竜型ロボット、異星人などなど小さいころ大好きだったものがたくさん詰まった楽しい愛と冒険の物語。...
海外時間SFを集めたアンソロジー。「チャリティのことづて」のみ既読。どれも期待以上に楽しんで読めました。マイベストはロバート・F・ヤング「時が新しかったころ」。白亜紀、タイムトラベル、恐竜型ロボット、異星人などなど小さいころ大好きだったものがたくさん詰まった楽しい愛と冒険の物語。カボチャちゃんがすごく愛らしいです。ハリウッド映画かアニメでやってくれないかな。また、因果律が真逆の世界を描いた「むかしをいまに」、様々なものを経験しつくした主人公が時を超えて求める「出会いのとき巡りきて」もお気に入りでした。
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時間をテーマにしたSFが好きな人には おすすめできると思います。 ただ、本当に詳しい方には今更なのかも。 私は詳しくないので入門としてはすごく助かりました。 いろんな作品が入っているので 自分に合う作家がひとりは見つかるのではないかと。
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インキーに詫びるが印象に残る。単にラストを飾るからではない。文体が前衛的と紹介されている通りばらばらに断片をちりばめているその語り口が時間の流れを困惑させ読者を酔わせる。読者の時間空間を狂わせる作品だ。精神が病んでいるとも言える。ロマンティック時間SFとは毛色が違うがこういうのも...
インキーに詫びるが印象に残る。単にラストを飾るからではない。文体が前衛的と紹介されている通りばらばらに断片をちりばめているその語り口が時間の流れを困惑させ読者を酔わせる。読者の時間空間を狂わせる作品だ。精神が病んでいるとも言える。ロマンティック時間SFとは毛色が違うがこういうのもいい。
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「地球ではカボチャってのは、いたって上等の野菜なのさ。しかし、そういう問題じゃない。“カボチャ”っていうのは、男が好きな女の子を呼ぶときの言葉なんだ」(「時が新しかったころ」より) 桜庭ほんぽっ!で見かけて購入したSF。 海外のSFって少々敷居が高くとっつきにくい印象があったの...
「地球ではカボチャってのは、いたって上等の野菜なのさ。しかし、そういう問題じゃない。“カボチャ”っていうのは、男が好きな女の子を呼ぶときの言葉なんだ」(「時が新しかったころ」より) 桜庭ほんぽっ!で見かけて購入したSF。 海外のSFって少々敷居が高くとっつきにくい印象があったのだけれど ここに乗っているのはとても読みやすいものばかりで 夢中になって次から次へと読んだ。 特にロマンス系が集められているから 普段だったら絶対読まないのだけれど、 こういうのに入っているなら読むんだなぁと思ったのでした。 お気に入りは「時が新しかった頃」。 最後のトリックというか、うまい合わせかたに息を呑んで そして感動してしまった。 何度も何度も読んでしまった。 とても良いアンソロジーだった。 気に入ったの著者のは他作品も読んでみたい!!! 【9/1読了・初読・私の本☆】
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一冊でいろんな作者の作品が楽しめるお得な短編集。タイムスリップ+恋愛ものが大好き!という人におすすめ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
お気に入りは「時が新しかったころ」、「時の娘」、「インキーに詫びる」。 「時が新しかったころ」はまるでエンターテイメント映画を見ているような気持ちで読んだ。主人公の台詞まわしがすごく好き。愛車(?)に名前をつけ、擬人化させるように扱っているところも楽しかった。だんだん真相が読者にも分かってくるんだけど、やっぱり終盤の「499999991×8003432111は?」の問いかけにはにやりとしてしまった。爽やかで綺麗な終わりかただった。大好き。 「時のいたみ」は、年老いた主人公がどんな思いで身体を鍛えていたのかを想像して泣きそうになりながら読んでいたのだけど、最後の3行の破壊力は凄まじかった…どうしてもその結末にしなくちゃいけなかったのか…。私が甘過ぎるのか…? 「時の娘」はすごいとしか言いようがない。伏線も何もかも綺麗に回収されて、お見事。しかし本当にそんなことがあり得るのか…真剣に考え過ぎると怖くなる。 「インキーに詫びる」はこのアンソロジーの中でも異色だが、こういうハッピーエンドは好きだ。タイムトラベルをタイムトラベルとして扱わず、最後まで幻覚として話を進めていたのが面白かった。覆面作家ということで正体がとても気になる。いったい誰なんだグリーン・ジュニア。 こういったアンソロジーは滅多に読まないのだけど、編者もあとがきで述べている通り、埋もれていたり入手困難な作品を一度に読めてお得だと思った。読書の幅を広げるためにも、またこのようなアンソロジーを読んでみたい。
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