時の娘 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
[ 内容 ] 時という、越えることのできない絶対的な壁。 これに挑むことを夢見てタイム・トラヴェルというアイデアが現れて一世紀以上が過ぎた。 時間SFはことのほかロマンスと相性がよく傑作秀作が数多く生まれている。 本集にはこのジャンルの定番作家といえるフィニイ、ヤングらの心温まる恋の物語から作品の仕掛けに技巧を凝らした傑作まで名手たちの9編を収録。 本邦初訳作3編を含む。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]
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ほんとにロマンティック!だいたい私は形而上学的なのとかディストピアとか救いのない話を好む傾向があり、しかしそれに後ろめたさも感じているというめんどくさい系なので…やはりロマンティックなのも知らねばならぬ!という気持ちで。うーん、だだ甘~。私は好きじゃないけど、こういうのが好きな人...
ほんとにロマンティック!だいたい私は形而上学的なのとかディストピアとか救いのない話を好む傾向があり、しかしそれに後ろめたさも感じているというめんどくさい系なので…やはりロマンティックなのも知らねばならぬ!という気持ちで。うーん、だだ甘~。私は好きじゃないけど、こういうのが好きな人が多いのは良くわかる、みたいな。無理矢理好きなのを選ぶなら<かえりみれば>と<時の娘>。時の娘、結局時間を一回りして憎悪を繰り返さねばならぬ感じがとても好き。ロマンティック研究は諦めよう。
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時を超えるSF短編集。地域の背景や時代の背景など想像が難しかった。気にいったのは「台詞指導」と「出会いのときは巡りきて」かな。
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タイムマシン系SFの短編集。 どれも切れ味良い短編。なかでも「時が新しかったころ」は設定から面白い。白亜紀で、タイムトラベルして来た未来の地球人と白亜紀の火星人が出会うなんて、スケールが大きい。オチもなかなかニヤリとさせられて良かった。
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時間SFとロマンスの相性のよさには感服しきり。もちろん、時間SFである以上、結末というのは決して予想だにしないものにはならないのだけれども、それでもやはり唸らずにはいられない"うまさ"というものがある。「時が新しかったころ」で泣いた。
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タイムSFのアンソロジー 「チャリティのことづて(ウィリアム・M・リー)」 は既読。どこで読んだんだったかな。ブクログで検索したらいいんだろうが、ここ検索機能が貧弱だからなぁ。レビューから検索できないのが難点。 次の「むかしをいまに(デーモン・ナイト)」は意味がわかんない...
タイムSFのアンソロジー 「チャリティのことづて(ウィリアム・M・リー)」 は既読。どこで読んだんだったかな。ブクログで検索したらいいんだろうが、ここ検索機能が貧弱だからなぁ。レビューから検索できないのが難点。 次の「むかしをいまに(デーモン・ナイト)」は意味がわかんない。疲れてるのかなぁ、流し読みだからよけいにわからない。 既読感が残る「台詞指導(ジャック・フィニイ)」も頭に入ってこない。 「かえりみれば(ウィルマー・H・シラス)」はオチがわからず消化不良。 「時のいたみ(バート・K・ファイラー)」は未来の自分が目的持って過去へ遡る話。いい話なんだが、なんで離婚するのかわかんないな。 「時が新しかったころ(ロバート・F・ヤング)」はけっこうワクワクもの。未来の地球と過去の火星。なかなか楽しかったし、オチも美しい。 期待の「時の娘(チャールズ・L・ハーネス)」はなかなかのものだが、輪廻ものでひねりはない。 時代の飛びまくる「出会いのとき巡りきて(C・L・ムーア)」は期待はずれ。 「インキーに詫びる(R・M・グリーン・ジュニア)」は今回はパス。少しばかり目が見にくくて、読書がスランプだなぁ。
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タイトラベルをテーマにしたSF短篇集。"時を越えて思いを伝える"という日本人が好きなロマンスとタイムトラベルを主軸にした、ロバート・F・ヤングやジャック・フィニイなど20世紀のアメリカの作家の作品が9編収録されています。当然、どの作品も主人公がタイムトラベルを...
タイトラベルをテーマにしたSF短篇集。"時を越えて思いを伝える"という日本人が好きなロマンスとタイムトラベルを主軸にした、ロバート・F・ヤングやジャック・フィニイなど20世紀のアメリカの作家の作品が9編収録されています。当然、どの作品も主人公がタイムトラベルを経験するのですが、時の越え方にも精神的なものや物理的なものなど色々とあり、作品によって、それらを選択、または組み合わせたりしており面白いです。ストーリーも分かりやすいものから一読しただけでは内容の把握に戸惑うものまで難易度も様々です。
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ロマンス溢れるタイムトラベルものを集めた珠玉の短篇集。 全体を通して、ロバート・F・ヤングの「時が新しかったころ」が頭一つ抜けている印象。このジャンルの定番作家と称されるだけあって、綺麗な幕の閉じ方を心得てますね。著者で有名な「たんぽぽ娘」が気になるところです。 時間SFはパ...
ロマンス溢れるタイムトラベルものを集めた珠玉の短篇集。 全体を通して、ロバート・F・ヤングの「時が新しかったころ」が頭一つ抜けている印象。このジャンルの定番作家と称されるだけあって、綺麗な幕の閉じ方を心得てますね。著者で有名な「たんぽぽ娘」が気になるところです。 時間SFはパズル要素が強いです。 時間に対する基本的な理論(荒唐無稽なものもあり)とタイムパラドックスへの対処が、そのパズルを複雑怪奇なものに仕立てあげます。 表題作も技巧に凝ったパズルを組み立ててますが、「インキーに詫びる」が、本書でもとびきり奇抜な設定で、印象に残りました。 このパズルを読み解くことも時間SFのひとつの楽しみかもしれません。 ○収録作 ・「チャリティのことづて」 ウィリアム・M・リー ・「むかしをいまに」 デーモン・ナイト ・「台詞指導」 ジャック・フィニイ ・「かえりみれば」 ウィルマー・H・シラス ・「時のいたみ」 バート・K・ファイラー ・「時が新しかったころ」 ロバート・F・ヤング ・「時の娘」 チャールズ・L・ハーネス ・「出会いのとき巡りきて」 C・L・ムーア ・「インキーに詫びる」 R・M・グリーン・ジュニア
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ロバート・F・ヤングの『時が新しかったころ』収録。1961年の『たんぽぽ娘』より後の作品だろうなと思ったら、はたして〈イフ〉1964年12月号に発表された作品だった。骨子は同じだが、マシンや異星人、アクションが緻密な分SFらしさが増している。更に書き伸ばされて、長編Eridahn...
ロバート・F・ヤングの『時が新しかったころ』収録。1961年の『たんぽぽ娘』より後の作品だろうなと思ったら、はたして〈イフ〉1964年12月号に発表された作品だった。骨子は同じだが、マシンや異星人、アクションが緻密な分SFらしさが増している。更に書き伸ばされて、長編Eridahn(1983)になっているそうな。歴史は初めから決定されている、過去は変えられない、未来を知ろうとするのは愚かな事だ、というのが彼の主張だが、時を超えたロマンスは永遠に不滅らしい。 その他にも、自分の事故死からどんどん時間を遡っていくデーモン・ナイト『むかしをいまに』、10年後から戻ってきて妻を救うバート・K・ファイラー『時のいたみ』、タイム・パラドックスが面白いチャールズ・L・ハーネス『時の娘』が印象に残った。
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題名に「ロマンティックSF傑作選」とあるように、時間SFロマンスの作品集。収録は以下の9作品。 「チャリティのことづて」 ウィリアム・M・リー 「むかしをいまに」 デーモン・ナイト 「台詞指導」 ジャック・フィニィ 「かえりみれば」 ウィルマー・H・シラス 「時のいた...
題名に「ロマンティックSF傑作選」とあるように、時間SFロマンスの作品集。収録は以下の9作品。 「チャリティのことづて」 ウィリアム・M・リー 「むかしをいまに」 デーモン・ナイト 「台詞指導」 ジャック・フィニィ 「かえりみれば」 ウィルマー・H・シラス 「時のいたみ」 バート・K・ファイラー 「時が新しかったころ」 ロバート・F・ヤング 「時の娘」 チャールズ・L・ハーネス 「出会いのとき巡りきて」 C・L・ムーア 「インキーに詫びる」 R・M・グリーン・ジュニア 個人的には特に「むかしをいまに」、「インキーに詫びる」の二作が楽しめた。 「むかしをいまに」は時間が逆に進んでいく世界が舞台。と言ってしまえば簡単だけれど、その設定を細部まで彫り込んでいる点が絶妙。 「インキーに詫びる」は、幻想的でふわふわした掴みどころのない物語。でもその向こうには巧妙で複雑な配置が感じられる。 どれをとっても良作。一言で時間SFといってもタイムトラベルだけではなく、意識だけのタイムトラベル的なものもあれば、難解につながっているものもあって、時間SFばかりの短篇集でありながら飽きが来ない。これぞまさしく傑作選。
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