かけら の商品レビュー
お父さんと一緒にバスツアーに参加することのになってしまった女の子の心の中のお話。 ありがちなお話だったので特に思うことはなかったですが・・・。 青山七恵さんは『窓の灯』や『ひとり日和』のほうが俄然面白いです。
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家族5人でさくらんぼ狩りツアーに行く予定だったが 兄の子どもが熱を出してしまい結局父と2人で 気まずくバスに揺られることになってしまった「かけら」 結婚と引っ越しが決まってからというもの 今も同じアパートに暮らす前の彼女のことばかり 考えてしまう「欅の部屋」 東京の大学に行きたい...
家族5人でさくらんぼ狩りツアーに行く予定だったが 兄の子どもが熱を出してしまい結局父と2人で 気まずくバスに揺られることになってしまった「かけら」 結婚と引っ越しが決まってからというもの 今も同じアパートに暮らす前の彼女のことばかり 考えてしまう「欅の部屋」 東京の大学に行きたいという西表島の従妹を 新婚ほやほやの夫婦が案内することになるが 彼女にどう接したらいいのかわからない「山猫」 装画:木村彩子 装丁:新潮社装丁室 表題作は川端康成文学賞受賞作。最年少だそうです。 過去には角田光代『ロック母』、絲山秋子『袋小路の男』なども 受賞しているようで、傾向がなんとなくわかる。 一人暮らしをしている大学生の娘が父親と2人で バスツアーに参加する微妙な気持ちや 南の島に住む高校生の従妹とのはずまない会話など なんとなく気まずい微妙な空気を見事に描いています。 特に「山猫」の、従妹を面倒見てあげなきゃと思ったり 憎らしく思ったりという気持ちのアップダウンが上手い。 「僕は黒川の言葉を、帰ってから寝る前までに数回、自分に言い聞かせた。小麦のことを忘れるために今、小麦のことを思い出している、という言葉を。思い出すことがなくなれば、それが小麦を忘れたということになるのだろうか。」
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3つの短編を集めた本。お互いに距離を置きがちになってしまっている父親と、大学生の娘と父親の二人旅(かけら)。別れた彼女と同じアパートに住み続け、別の女性と結婚することになり、引っ越すことにしたエンジニアの揺れる気持ちを描いた物語(欅の部屋)。結婚して間もない夫婦が、大学を見学する...
3つの短編を集めた本。お互いに距離を置きがちになってしまっている父親と、大学生の娘と父親の二人旅(かけら)。別れた彼女と同じアパートに住み続け、別の女性と結婚することになり、引っ越すことにしたエンジニアの揺れる気持ちを描いた物語(欅の部屋)。結婚して間もない夫婦が、大学を見学するため上京した高校2年生のいとこを預かることになり、右往左往する話(山猫)。派手さはありませんが、登場人物の気持ちの変化を丁寧に綴った小説です。(2010.2.5)
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「かけら」「欅の部屋」「山猫」という3つの短編が収録されている。ひとつの話を読み終えても、すぐ次の話を読み始めたくないと思う。読み終えた話を反芻したくなる。描かれた断片の前後を含めた物語を想像したくなる。絶対に読み返したいとは思わない。その話に触れた最初のイメージを膨らませたいと...
「かけら」「欅の部屋」「山猫」という3つの短編が収録されている。ひとつの話を読み終えても、すぐ次の話を読み始めたくないと思う。読み終えた話を反芻したくなる。描かれた断片の前後を含めた物語を想像したくなる。絶対に読み返したいとは思わない。その話に触れた最初のイメージを膨らませたいと思う。描かれた世界の余韻に浸るのではなく、少し離れたところから俯瞰したくなる。例えるなら写真を見た時と同じかな?その切り取られた瞬間の前後の時間を想像したくなる。その瞬間を含む幅を持った時間を頭の中で眺めたくなる感じ。「かけら」に描かれた娘と父の時間。「欅の部屋」に描かれた諒助と小麦の時間。「山猫」に描かれた杏子と秋人の時間。そのどれもが全体の一部分であり物語は切り取られた部分の前後にも広がっていることを示してくれている。一葉の写真や一枚の絵画を見てそこにあるままを感じ取れば良いのか?そうではないと思っている。綺麗。面白い。瞬間的な感性の刺激からはその程度の感想しか生まれない。しかし想像力や予備知識があればもっと深いところ、もっと広いところまで到達した上で自らの感性を刺激し、より多くの想いを引き出すことができる。この3つの短編は大いにイメージを膨らませてくれた。此処に書かれていない様々なことまでも考えさせてくれた。もちろん各編のタイトルや本の装丁もイメージを膨らませる一助となった。大げさに言うならば、自分が文学に求めるものがこの本にはあった。
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青山七恵さんは 何気ない日常を 力まずサラッと書いているような気がします。 「かけら」「欅の部屋」「山猫」 3作品とも、どこにでもあるような話。 しかし、青山さんが書けば 言葉の一言一言が新鮮味を帯びてくるから不思議。 「山猫」が良かったです。
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こういう雰囲気がすごく好き。 だから自分もそういう文章を書いてみたりそういう空気を作れるように目指してみたりする。 けれどそれは自分から何かを断ち切っているんじゃないかって、少し思う。その何かははっきりとは言えないけれど… 青山七恵さんの文章は初めて読んだのですが、ラストが若干...
こういう雰囲気がすごく好き。 だから自分もそういう文章を書いてみたりそういう空気を作れるように目指してみたりする。 けれどそれは自分から何かを断ち切っているんじゃないかって、少し思う。その何かははっきりとは言えないけれど… 青山七恵さんの文章は初めて読んだのですが、ラストが若干物足りないかも。嫌いではないけれど、全部が全部これだったら萎えるなぁ… 読んでる途中につき、書き直しする予定。
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とても良かったです! これからもこの人の生み出すものに心を留めていたいです。 26歳の女性が書いているなんて!!
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文章に情緒とか雰囲気があってよかった。 久々に文章自体に味わいのある本を読んだような気がします。 ただ、メリハリが利いてないというか、いつまでこのトーンなの…と、思ってしまった。 面白い話とか、明るい話を読んでみたいです。
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初めての青山七恵作品。24歳で芥川賞を取られたんですね。この「かけら」では川端康成文学賞も。短編が三つ。父と二人だけで「さくらんぼ狩りバスツアー」に参加してしまった娘の話が「かけら」。とらえどころのない女の子・小麦を好きになり、2年間つきあった後別れたものの、同じマンションの4階...
初めての青山七恵作品。24歳で芥川賞を取られたんですね。この「かけら」では川端康成文学賞も。短編が三つ。父と二人だけで「さくらんぼ狩りバスツアー」に参加してしまった娘の話が「かけら」。とらえどころのない女の子・小麦を好きになり、2年間つきあった後別れたものの、同じマンションの4階と3偕に住んでいる「欅の部屋」。東京に住む新婚夫婦のマンションに西表島から従姉妹の女子高校生が大学の下見のため何泊かする「山猫」。どれも、距離感 の話だなぁ、と感じました。なんかこう、膜がかかったようなもどかしさがあってその人の生身を感じられない人っているものですけど、「山猫」の女子高校生がまさに。青山さんは彼女を描くことで何を言いたかったのか?? ついメッセージを読み取ろうとしてしまうのは、私の悪い癖なのかもしれないけど、だから何?という気持ちが正直なところかなぁ。「欅の部屋」の小麦も、どこを見ているのか、その視線の先がつかめない。でも、「かけら」は面白かったです。強圧的でもお調子者でもない、自然体のお父さん、いいと思うけどなぁ。でも、父親と二人っきりで一日バスツアーという羽目^^;になったら、私もかなり疲れると思う。父親を少し離れて見ている娘。時に過去の兄との喧嘩を思い出し辛らつになったり、でも、100メートルほど離れたところに発見した父には手を振りたくなったり。お父さんはこんな娘をどう思っているんだろう。そこのところの心理描写がなかったので、こんなもんだろう、と達観しているのかも、とこれもすぐに決着を付けたがってる・・?表紙の色と滲みがとても綺麗で、「かけら」のお話に優しさを与えていたような。日常生活で、なんということも起こらない、という話はかなり好きなのですけど、その中に配置された人が大事なんだなぁ、というのが一番の感想かもです。
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新潮2009年11月号書評より 文学界2009年12月に書評されていた本 群像2009年12月に書評されていた本
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