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かけら の商品レビュー

3.3

54件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2023/12/25

「かけら」 二人旅の間に。 普段から仲が良く話もするならいいが、気まずい思いをしてまで行く価値のある旅行なのか。 「欅の部屋」 想い出す過去。 縛られている訳ではないが、ふとした瞬間に想い出すぐらいには好きだった相手なのかもな。 「山猫」 上京する前に。 今までに関わりがほと...

「かけら」 二人旅の間に。 普段から仲が良く話もするならいいが、気まずい思いをしてまで行く価値のある旅行なのか。 「欅の部屋」 想い出す過去。 縛られている訳ではないが、ふとした瞬間に想い出すぐらいには好きだった相手なのかもな。 「山猫」 上京する前に。 今までに関わりがほとんどない相手との時間は、上手く場を繋げたとしても疲れるだろうな。

Posted byブクログ

2023/05/03

「かけら」 父親とバスツアーへ行く娘の話。成人してから親と2人でどこかへ行くことなんてそうそうない。それに第一、何を話そう、どんな風に間を持たそうか、その辺を気にしてしまう。 子供の頃は甘えて頼るだけで良かった存在が、自分より背丈が低くなりいつの間にか見守りが必要な危なっかしい存...

「かけら」 父親とバスツアーへ行く娘の話。成人してから親と2人でどこかへ行くことなんてそうそうない。それに第一、何を話そう、どんな風に間を持たそうか、その辺を気にしてしまう。 子供の頃は甘えて頼るだけで良かった存在が、自分より背丈が低くなりいつの間にか見守りが必要な危なっかしい存在になったときの感覚、距離感が掴めず、ちょっとしたことでムキになってしまう。 そんな感覚的な微妙な気持ちが上手く書かれていた。主人公の娘はわりとツンツンしているため、些細なことで突っかかる。これは親なら受け入れられるが他人なら反発されそうな類だ。 最後、みんなお父さんの かけら だ。という発言でハッとさせられる。吹けば飛びそうな細身の父が、実はちゃんと物を見て考えていたんだなと。 最近母と2人で旅をしたときにこの本を思い出し、読みたくなって図書館で借りた。 「欅の部屋」 別れた女性をふとしたきっかけで思い出してしまう。 思い出すことで踏ん切りをつけ、忘れようとしていると主人公の友人は言うが、果たしてそうかなぁ。 「山猫」 西表島から大学の下見にやってきた叔母の娘を自宅に泊まらせる若い夫婦の話。 都会人の夫婦は色々気を使い、快適な東京生活を過ごしてもらえるよう手を尽くすが、イリオモテヤマネコ(猫)のように自由人な娘(栞) 読んでいて妻と栞が噛み合わなさすぎて笑えた。東京タワーに登ろうと40分待って、登る直前に高いところが嫌だから乗りたくないって、そりゃないよ・・・。持って早く言え! と思うけど、その気持ちをそういう風に伝えるのが島人なのかな。沖縄には 沖縄時間?という言葉があるくらいだし。 最後の段落は、ここぞとばかりにギュッとまとめて付け加えた感満載で、正直無くても良かったのでは?と思った。 ただ、物語の雰囲気はわりと好きで、栞はもちろん若い夫婦も人間らしさを感じられ、読んでいて楽しかった!

Posted byブクログ

2022/12/28

読みやすい短編三話。どの話も淡々と綴っているが気持ちが伝わってくる。三話目の山猫の話も、西表島から大学を見に来た無口な従姉妹との話だが、山猫は実際に出て来ないが、対比が何となく面白かった。

Posted byブクログ

2022/12/22

普通だと心の中で留めおく感情たちが文字として並んでいる感じで、少し居心地の悪い気持ちになった(褒めています)

Posted byブクログ

2020/09/11

かけらは情景描写が綺麗。欠片はかけらと名を持った時かけらのような軽やかさよりもどっしりしているように感じた。

Posted byブクログ

2017/04/19

父親を客観的に見定めようとする娘が出てくる表題作に、前の彼女を気にかけている婚約中の男の話と、あともうひとつの短編が収まった一冊。子供だった時も大人になってからも父親のことを大好きだった私にはピンと来ない話でした。

Posted byブクログ

2016/09/04

予定外に父とふたりでさくらんぼ狩りに行くことになった桐子の話、かけら。 無口な父親と、娘の微妙な関係がリアルでした。 同じ年頃には、私も父には優しく出来てなかったかもと思い出し、今は年老いた父に優しくしようと、ちょっと切なくなりました。 結婚を控え、元カノを忘れるために思い出す...

予定外に父とふたりでさくらんぼ狩りに行くことになった桐子の話、かけら。 無口な父親と、娘の微妙な関係がリアルでした。 同じ年頃には、私も父には優しく出来てなかったかもと思い出し、今は年老いた父に優しくしようと、ちょっと切なくなりました。 結婚を控え、元カノを忘れるために思い出す諒助の話、欅の部屋。 あまり魅力的に感じられない小麦。でも、諒助には、二人で過ごした時間が大切だったということが、切々と伝わってきます。 それは、何も知らない婚約者華子が、かわいそうに思えるほどでした。 西表島から上京したいとこ栞に翻弄される杏子の話、山猫。 これは嫌。 このシチュエーションは、私も困るなと。 この話だけ、くるくると視点が変わり、少し読みにくかったです。

Posted byブクログ

2016/03/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

家族全員で出かけるはずだった日帰りのさくらんぼ狩りツアーに、ふとしたことから父と二人で行くことになった桐子。 口数が少なく、「ただのお父さん」だったはずの父の、意外な顔を目にする(表題作)。 結婚を前に、元彼女との思い出にとらわれる男を描く「欅の部屋」、新婚家庭に泊まりに来た高校生のいとこに翻弄される女性の生活を俯瞰した「山猫」。 川端賞受賞の表題作を含む短編集。 (アマゾンより引用) まぁ、可もなく不可もなく…な一冊。 たんたんと日常を描いたようなそんな作品

Posted byブクログ

2015/10/19

表題作 かけら よそよそしい父娘のバス旅行での話。父にとってのかけらの定義や、なんだか不思議な父の行動がクスッと笑える。言葉は少ないけど、大切なことだけを話しているのか、自分の父にもすこし似ていたり。

Posted byブクログ

2015/09/21

青山七恵の作品は、読後に心が穏やかではいられなくなるものが多い。これらもヤバいとことに行ってしまうかなと思いつつ読み進めて行くが行かない。私の心配は最後に杞憂だったとほっとする。そんなところも含めて好きな3編。

Posted byブクログ