幽霊の2/3 の商品レビュー
フォロワーさんのレビューがきっかけで知ったヘレン・マクロイ。表紙がオシャレなのもあって早く読みたかったのですが、なかなか書店で見つけられず、やっと手にすることができました〜。 何より衝撃だったのは、2箇所ある「あの1行」! そもそも推理せずにミステリーを読む私ですが、まったく予...
フォロワーさんのレビューがきっかけで知ったヘレン・マクロイ。表紙がオシャレなのもあって早く読みたかったのですが、なかなか書店で見つけられず、やっと手にすることができました〜。 何より衝撃だったのは、2箇所ある「あの1行」! そもそも推理せずにミステリーを読む私ですが、まったく予想していなかった事実に驚きました。あの、続きが気になる引きがよかった。そして意味がわかって納得のタイトル。 また、女性作家ならではの観察眼で、服装やインテリアの描写が細かいのも楽しかったです。メグの手紙入れ間違いの場面はハラハラしましたが(^^; ただすっかり引き込まれていただけに、謎解きがアッサリしていたのがちょっと物足りないポイント。最後の一言には「これを小説で書くのか?!」と驚かされましたが。 こちらはシリーズものだそうですが、終盤に突然出てきたアレックは他作品ではもっと絡みがあるのでしょうか?妻子持ちの探偵なんて珍しいと思ったのですが、博士の家族はほとんど出番が少なかったのも不思議でした。 総じて、なかなかに好きな雰囲気のヘレン・マクロイ。 多作な方なのでこれから徐々に読んでいきたいと思います〜。
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出版社の社長宅で開かれたパーティー。 「みなさん、”幽霊の2/3”というゲームはご存知?」 この一言で始まった余興ゲームの最中に、ある人物が絶命する。 精神科医ウィリング博士が調べていくうちに、驚くべき真実が明らかになっていく… 関係者全員が見ている中での事件。 探偵役のウィリ...
出版社の社長宅で開かれたパーティー。 「みなさん、”幽霊の2/3”というゲームはご存知?」 この一言で始まった余興ゲームの最中に、ある人物が絶命する。 精神科医ウィリング博士が調べていくうちに、驚くべき真実が明らかになっていく… 関係者全員が見ている中での事件。 探偵役のウィリング博士も招待客の1人。 トラブルメーカーの女性や、怪しげな人物たちが集まり、「この中に必ず犯人がいる」という展開にワクワクする。 アメリカの出版業界を皮肉ったような描写や、自虐ネタのようなユーモアも面白い。 それがただ面白いだけでなく、全てが物語の伏線になってるから見事。 最後の「読者への挑戦」のようなヒントが提示されるシーンは胸が高鳴る。 私はそのヒントを読んでも最後の最後まで犯人がわからず、今回もまんまと騙されてしまった。 登場人物たちの何気ない言動から、深層心理を読み解いていくウィリング博士。 この作品の1番の面白さは、ウィリング博士が導き出した「驚きの真実」にある。 そして一見、関係ないと思われるようなことも全てが真相につながるヒントになっていた。まさかのあの部分にまで! すっかりヘレン・マクロイにハマった私の3作目は、執筆順では11作品目になる。 読みたい!と思うと我慢できないので、どうしても順番通りではなく、面白そうな作品から読んでしまうのが私の悪い癖(^_^;) まず、登場人物一覧を見ただけで、ある人物との関係性の変化にジーンときた。 シリーズものなのでウィリング博士の人生をずっと見守れるのが嬉しい。 解説は、杉江松恋さん! この作品を楽しむための道しるべのような、素晴らしいガイドだった。
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精神科医ウィリング11作目。 流行作家の別居中の妻が戻ってくるとわかり、 あたふたするエージェント夫妻と出版社の社長夫妻。 妻と再会した作家はあっという間に、 アルコール依存症に戻ってしまう。 妻のためのパーティにウィリング夫妻が出席したが、 作家は毒殺されてしまう。 最初の緊張感からの思いがけない展開が繰り広げられて面白かった。 面白かったのだが、いや、面白かったが故に 作家が記憶喪失で発見された男と明かされた後、 その正体をウィリング博士が探し出す過程を もうちょっと紆余曲折させてほしかった。 わがままなのは分かっているが。 長年仕えてくれていたジュニパーが引退して、 孫娘が料理人として勤めていた。 そして、ウィリング夫妻に娘が産まれていたよ! それにしても、 作家を世に出すためとはいえ、 長年妻もだますとは、ちょっとひどい。
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警察にも捜査協力する精神科医ベイジル・ウィリングが参加したホームパーティで、〈幽霊の2/3〉というゲームの最中に主賓の作家エイモス・コットルが毒殺された。容疑者はパーティの参加者である出版社の社長夫妻とコットルのエージェント夫妻、文芸批評家2名に別居先のハリウッドから急に戻ってきたコットルの妻。だが、被害者の素性を調べるうち驚くべき秘密が明らかになっていく。出版業界を取り巻く幻想への皮肉に満ちた語り口がクールなミステリー。 『家蝿とカナリア』『暗い鏡の中に』と続いてマクロイを読むのは三冊目だが、本当にこの人はお洒落だと思う。どの作品も服飾品と室内装飾の描写が細やかで、舞台となる50年代ニューヨークに憧れる気持ちを満たしてくれるし、それが主人公ベイジルの観察眼をも示しているから単なる風俗描写以上のパワーを持っている。 今回は出版業界という、マクロイにとっても完全に身内の世界を舞台にしているせいか筆が乗りまくっている。事件発生までの導入が少し長いが、殺人が起こってからは秘密を抱える者同士の会話劇にグイグイ引き込まれた。筋だけを追うと二時間ドラマのようなのに、そして現に二時間ドラマのようにすいすいと読めるのに、悪趣味の一歩手前でやめる抑制が効いている。 螺旋状にうずまく謎の中心に用意されたのは、死んだ作家が賞を受ける文学賞のパーティの円卓。ここで批評家のレプトンが開陳する創作への皮肉な態度と作家になれなかった自身への諦念は、山口雅也の「曲がった犯罪」を思いださせる。あの犯人はヴァン・ダインがモデルだったはずだけど、彼と同じくマクロイも美術評論家の顔を持っていたという。 〈作者〉という幻を創作する。殺人よりよほど周到に仕組まれたこの犯罪こそが本書の眼目だ。そして〈作者の創造〉という同時代のポストモダン作家が「ハイブロウ」な小説に仕上げたテーマを、マクロイはあくまで完成度の高いエンターテイメントのまま、これ以上ないキレの一言で終わらせる。マジでお洒落なんだこの人は。
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タイトルが秀逸、というのは端々で目にしてしまっていたので、気に留めながら読んでいたけど、わかってもよかったかもしれないけど、気づかなかった。面白い。 エイモスの経歴がまったく無い、と知った瞬間が1番想像が付かなかった。エイモスの死の動機や手口は普通。犯人が勝手に過去を語ってくるし、謎解き感も少ない。女性陣がもっと生き生きとヴィーラとかフィリパとか、書かれてても良かったのに。
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この作者には謎の信頼感があって、確実に失望させられない安心感がある。そして、シリーズ作品の主人公であるベイジルウィリングがロボのように感情がなく、頭脳明晰で隙がなく、全く愛すべからざる人物である不思議さ。でもまたそこがいいんだよな。手前味噌こねこねしたようなシリーズ物はうんざりだ...
この作者には謎の信頼感があって、確実に失望させられない安心感がある。そして、シリーズ作品の主人公であるベイジルウィリングがロボのように感情がなく、頭脳明晰で隙がなく、全く愛すべからざる人物である不思議さ。でもまたそこがいいんだよな。手前味噌こねこねしたようなシリーズ物はうんざりだし、主役以外の人物はむしろ人間臭く、物語を大きく牽引している。終盤までさっぱり犯人わからないのに、キチッとまとめるし、要するに誰が読んでも面白いんだよう。なんかセンスが非常に現代っぽくて、そういうのって実は年代関係ないのかも。
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なるほどタイトルはそういうことだったのか。しかし、そこが本書のメインのカラクリであり、その他の犯人は誰かなどについてはかなりおざなりだ。 とくにヴィーラ殺しについて3人のうち批評家にしぼったのは完全に当てずっぽうであるし、犯人もすぐ自白する。 完全完璧な言い訳できない証拠を提示して犯人をはじき出すやり方が好きなので、そういう点ではあまりあわなかった。
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ホームパーティの余興『幽霊の2/3』の最中に、有名作家が毒殺された。 参加者は、彼の身勝手な妻・エージェント夫妻・出版社の社長夫妻・作家志望の未亡人とその息子。文芸批評家。全員が彼の死で損することはあっても、得はないように見えた。 同じく招待されていた精神科医の調査により、隠され...
ホームパーティの余興『幽霊の2/3』の最中に、有名作家が毒殺された。 参加者は、彼の身勝手な妻・エージェント夫妻・出版社の社長夫妻・作家志望の未亡人とその息子。文芸批評家。全員が彼の死で損することはあっても、得はないように見えた。 同じく招待されていた精神科医の調査により、隠されていた事実が明らかになる。 ストーリーも特筆するほどではないし、被害者を含め関係者が皆嫌な奴ばかり。だが、真相が開示されたとき、タイトルの秀逸さには思わず膝を打った。
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初マクロイ。 高飛車で煙たがられる美女を発端とし、異様な雰囲気の中、それぞれの思惑を持ったメンバーが揃ったパーティで殺人が… この設定の時点で、傑作にならない作品はあるか?というくらい好き笑 ホワイダニットの過程で読ませる作品。容疑者達の秘めたる新しい一面が、ページが進むごと...
初マクロイ。 高飛車で煙たがられる美女を発端とし、異様な雰囲気の中、それぞれの思惑を持ったメンバーが揃ったパーティで殺人が… この設定の時点で、傑作にならない作品はあるか?というくらい好き笑 ホワイダニットの過程で読ませる作品。容疑者達の秘めたる新しい一面が、ページが進むごとに、ドバドバと流れだし、新たな謎と動機が生まれる。しかもその使い方がとても秀逸。あっけにとられてしまった。 カーや三津田信三の某作のような、謎の提示のには感動してしまった。推理に移行する終盤にして、恐ろしくフェアな作家ぶりが予想外だった。 トリックや犯人についてはさほど驚きはない。ただ、鮮やかな構図の逆転。加えて、ニヤリとするタイトルの妙には一読の価値は間違いなくあった。
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派手で残虐な殺人が書物内にあふれている現在でも、この、一人の作家が毒殺された(だけの)古い(1956年)作品に十分満足できることから、作家の力量とはどこにあるのかを再確認させられるような一冊です。 編集者、エージェント、批評家、彼らの妻たち、そして殺された作家。 みんなが何かしら...
派手で残虐な殺人が書物内にあふれている現在でも、この、一人の作家が毒殺された(だけの)古い(1956年)作品に十分満足できることから、作家の力量とはどこにあるのかを再確認させられるような一冊です。 編集者、エージェント、批評家、彼らの妻たち、そして殺された作家。 みんなが何かしらの事情を抱えているうさん臭さやきな臭さが見事に織り上げられ、事件の真相と犯人が暴かれた瞬間「きれいにまとまった」満足感を感じます。 探偵役のベイジルは神がかった活躍などしませんが、その控えめさがむしろ作品に品の良さを与えているのも好感。
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