幽霊の2/3 の商品レビュー
まんぞくまんぞく。何とも洒脱な印象で、50年以上前の作品とは思えない。さすが創元推理文庫復刊リクエスト1位。
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出版社社長の邸宅で開かれたパーティーで、人気作家エイモス・コットルが、ゲーム“幽霊の2/3”の最中に毒物を飲んで死んでしまう。事件の意外な真相とは? 杉江松恋さんが、「読み終わってタイトルの美しさに気づく」と書いているのをどこかで見かけて、興味を持ったのがこの本を読むきっかけ。...
出版社社長の邸宅で開かれたパーティーで、人気作家エイモス・コットルが、ゲーム“幽霊の2/3”の最中に毒物を飲んで死んでしまう。事件の意外な真相とは? 杉江松恋さんが、「読み終わってタイトルの美しさに気づく」と書いているのをどこかで見かけて、興味を持ったのがこの本を読むきっかけ。 美しいタイトル、と言われると、私は結構弱い。 読み終わってなるほど、意味深なタイトルだと思った。しかし、ちょっとこじつけだな、とも思った。本当に「ぴったり」はまるタイトルかというと、そうでもない気がする。 さて内容のほうは、途中でミステリーの論点ががらりと変化し、さらにラスト近くでもう一転するところが面白かった。 思いもかけない決め球に「そう来るか」という快感が味わえるし、「一体これからどうなるのだろう?」という期待も持てる。 でも、むしろこのミステリーの読みどころは自虐的なまでの文学およびミステリーに対する皮肉であろう。 「金の卵を産む鵞鳥」こと、人気作家をめぐる利益と権利はもちろん、文学そのものに対する辛辣であまりにも即物的な物の見方、そしてミステリーへのわかりやすい(そしてその大部分は「確かにわからないでもない」というような)浅薄な態度。 でも何より恐ろしいのは、「物を書く」人間をある意味で突き放しているところ。この物語そのものよりも、この物語の最後の一文にぞっとしたのは、おそらく私だけではないはず。
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名作の新訳、との触れ込みで期待感大で手に取りました。人気作家を囲むパーティの余興ゲーム中にこの作家が毒殺されてしまいます。犯人は誰?となるところですが、この作品は犯人探し、というよりは殺された作家エイモスの正体明かしが焦点になっています。彼の正体と彼を巡る人たちにはいくつもの秘密...
名作の新訳、との触れ込みで期待感大で手に取りました。人気作家を囲むパーティの余興ゲーム中にこの作家が毒殺されてしまいます。犯人は誰?となるところですが、この作品は犯人探し、というよりは殺された作家エイモスの正体明かしが焦点になっています。彼の正体と彼を巡る人たちにはいくつもの秘密があり、一つ一つ暴かれていく都度、「そうくるか!」と思いながら読みました。余興ゲーム名でもある「幽霊の~」が効いています。派手さは全然ありませんが面白かったです。 謎解き訳の精神科医ベイジルのシリーズものらしいです。1956年作ですが古臭くなく、舞台化できそうな作品です。
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先ずその読みやすさに驚く。原文の巧さに加えて翻訳も良いんだろうか。これが半世紀以上前に書かれたものとは。出版業界、あるいは文学界への皮肉や批評的な部分も楽屋裏を覗くような楽しさがあったし、当時の社会的背景は踏まえる必要があるものの、現代においてもさほど変わりが無いのかも、と思えて...
先ずその読みやすさに驚く。原文の巧さに加えて翻訳も良いんだろうか。これが半世紀以上前に書かれたものとは。出版業界、あるいは文学界への皮肉や批評的な部分も楽屋裏を覗くような楽しさがあったし、当時の社会的背景は踏まえる必要があるものの、現代においてもさほど変わりが無いのかも、と思えてしまうあたり秀逸
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
伏線が丁寧でうまい! 最後の解答編の構成もよく、頭の悪い私でも一発でついていけた。 タイトルの意味も感動の一つであり、当時の出版事情も折り込まれ、これは名作と言える。
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前に読んだ「家蠅とカナリア」はあまり好きではなかった。 こちらはわりと好き。 読み終えた後に気付く、なんて洒落たタイトル。
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howtoがさらっと描かれている。 殺された超人気作家は一体誰なのか? を機軸に話が進む。 『幽霊の2/3』!!
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最後の真相を知るまでわからなかったけれど なるほど「幽霊の2/3」か!とビックリした 内容もそうだけれど、タイトル含めて上手くて 読んで満足した
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変わった題名だと思ったけど、読み終わると納得! 最初、登場人物の名前がごちゃごちゃになって、分かりにくかったです。 それにしても「ヴィーラ」ってやなオンナ!
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売れっ子の作家が毒殺されたことからはじまるのですが、犯人探しがメインになるとおもいきや、どんどん話がころがり、思いがけない展開を見せていきます。面白いタイトルだなと思っていたのですが、なるほどと納得できる内容でした。
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