ローマ人の物語(36) の商品レビュー
一番印象的だったのが、レリーフの時代ごとの写真。コンスタンティヌスの凱旋門が一番時代が新しいのに、レリーフの出来はほかの時代に比べて一番稚拙。技術力も国力が現れるとは。。。技術は必ず受け継がれて向上するものだと思っていたのに、国力によって退化することもあるなんて。
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★2010年64冊目読了『ローマ人の物語36 最後の努力(中)』塩野七生著 評価B 紀元306年から337年までのコンスタンティヌス帝の時代を描く。 前の時代を築いたディオクレティアヌス帝が自らの意志で引退し、第二期四頭政に帝国の運命を託したが、西方の正帝コンスタンティヌス・クロ...
★2010年64冊目読了『ローマ人の物語36 最後の努力(中)』塩野七生著 評価B 紀元306年から337年までのコンスタンティヌス帝の時代を描く。 前の時代を築いたディオクレティアヌス帝が自らの意志で引退し、第二期四頭政に帝国の運命を託したが、西方の正帝コンスタンティヌス・クロルスが死亡したことにより、一気に時代は混乱へ舞い戻る。結局、幾多の帝国内の戦乱を経て、先帝コンスタンティウスの実子であるコンスタンティヌスは、一時帝国の長年の首都であったローマの人々の支持を受けて立ち上がった前先帝のもう一人のマクシミアヌスの実子マクセンティウスを破り、実質的な正帝につく。その後、東方の正帝であったリキウスをも小アジアにおける決戦で破り、一時は6人もの正副帝が乱立したローマ帝政を再び一本化する。 これらの国内混乱をまとめる中で、コンスタンティヌス帝はリキウス帝とともに313年には、ミラノ勅令を発し、とうとうキリスト教を認める。
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コンスタンティヌス帝が登場。 ○○帝と書くしかないほど、皇帝がコロコロ変る。とても覚えきれない皇帝たちの名称(先帝たちの名称を持ってきているので、同じような名前ばかりだ)。 今でもそうだが、安定した政治が必要なことだ。
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ディオクレティアヌス退位後、四頭政から六頭政を経て、コンスタンティヌスが再び唯一の皇帝として君臨するまで。 国家の疲弊した有様が、コンスタンティヌスの凱旋門からまざまざと見て取れるのは、ちょっとした衝撃だった。五賢帝時代に精巧な美術品を生み出していたことが嘘のように、200年後の...
ディオクレティアヌス退位後、四頭政から六頭政を経て、コンスタンティヌスが再び唯一の皇帝として君臨するまで。 国家の疲弊した有様が、コンスタンティヌスの凱旋門からまざまざと見て取れるのは、ちょっとした衝撃だった。五賢帝時代に精巧な美術品を生み出していたことが嘘のように、200年後のこの時代には皇帝に捧げる凱旋門にさえも粗野な造形しか作りえなかったのか。写真を事細かに出してくれるので違いは一目瞭然。人の営みが後退することなど、日常生活ではそうそう感じられるものではないが、後退するときはするんだよなー。 6人の皇帝の主導権争いがメインの一冊だったので、登場する皇帝たちがやけに人間くさいし、久々にローマの伝統的な会戦などもありこのシリーズの中では、かなり面白く読めた一冊だった。 ところでディオクレティアヌスが気の毒だ・・・。
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4頭政崩壊からコンスタンティヌスがただ1人の皇帝となるまでです。 社会も思想も人すらも崩壊していくローマを読んでいると、物悲しくなってきます。 特にP114~P115の浮き彫りの比較を観ると国の衰えとは経済の衰えだけでなく、人の力とそれに付随する全てが衰えていくものなのだなと実感...
4頭政崩壊からコンスタンティヌスがただ1人の皇帝となるまでです。 社会も思想も人すらも崩壊していくローマを読んでいると、物悲しくなってきます。 特にP114~P115の浮き彫りの比較を観ると国の衰えとは経済の衰えだけでなく、人の力とそれに付随する全てが衰えていくものなのだなと実感します。
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ディオクレティアヌスが実施した「テトラルキア」により、一時的に確保したローマの安全も、ディオクレティアヌス引退後にシステムは結局崩壊。国家としての根幹を成す考え方を失った国家が示す、文明の末路か。
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コンスタンティヌス大帝の時代へ。 キリスト教を公認したことから、「大帝」と呼ばれているが、かなりどろどろしした骨肉の争いの結果を勝ち残ってきた皇帝だ。 多神教のローマ世界から一神教のローマ世界への大転換点。
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■この本は、最終巻までいったら感想を書こうと思ってたのだけど、この巻に出てくる写真がショックだったので、書いてしまいます。 コンスタンティヌス帝の凱旋門のレリーフ。昔の凱旋門からひっぺがしてつぎはぎし、一部を彼が生きた4世紀の新作で補っている…という実態もショックですが、それより...
■この本は、最終巻までいったら感想を書こうと思ってたのだけど、この巻に出てくる写真がショックだったので、書いてしまいます。 コンスタンティヌス帝の凱旋門のレリーフ。昔の凱旋門からひっぺがしてつぎはぎし、一部を彼が生きた4世紀の新作で補っている…という実態もショックですが、それよりも何よりも。 200年前に作られた部分より、4世紀に作られた部分のほうが躍動感のない平坦なレリーフだという事実がショック。 技術は常に前進するものだとどこかで信じていた私には、キッツい写真でした。技術だけじゃない、ひょっとして思考力だって…。 ローマ旅行でこの門を「すげー」と仰ぎ見たときには全然知らなかった。 ■小説部分のことも。下巻の、コンスタンティヌスのキリスト教への接し方を考察した部分は、相変わらずの皮肉屋っぷりが発揮されて元気ですが、それ以外は事実を淡々と、ちゃっちゃっと述べていくといった印象です。ディオクレティアヌスの心情とか、もっと描いてほしかったなぁ。。。 この本は小説ではなく歴史エッセイのようなものなので、あまり心情を掘り下げるとテイスト変わっちゃうんだとは思うけど…。
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