デパートへ行こう! の商品レビュー
勢いがあり、後半はなかなかに熱かった。が、視点が頻繁に変わるのでのめりこむのが個人的に難しく、読了までに無駄に時間がかかってしまった。 ホワイトアウトや奇跡の人とは異なり、コメディ色が少しばかり出ているように思う。 ユーモアで、やろうとしていることは褒められたことじゃないけどどこ...
勢いがあり、後半はなかなかに熱かった。が、視点が頻繁に変わるのでのめりこむのが個人的に難しく、読了までに無駄に時間がかかってしまった。 ホワイトアウトや奇跡の人とは異なり、コメディ色が少しばかり出ているように思う。 ユーモアで、やろうとしていることは褒められたことじゃないけどどこか憎めない人々(ただし一部を除く) 最後ははっきりとしていない部分がなくもないが、上手くまとまってる感がある 特に、そこに持ってたかーという印象を受けたが、最後の最後はハッピーエンドで終わったので後味がよい作品だといえる
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“明かりの消えた深夜のデパートのあちこちに蠢く人の気配。不穏な空気が流れ出し、静かに騒ぎが始まった。所持金143円、全てを失った男は、深夜のデパートにうずくまっていた。そこは男にとって、家族との幸せな記憶がいっぱい詰まった、大切な場所だった。が、その夜、誰もいないはずの店内の暗が...
“明かりの消えた深夜のデパートのあちこちに蠢く人の気配。不穏な空気が流れ出し、静かに騒ぎが始まった。所持金143円、全てを失った男は、深夜のデパートにうずくまっていた。そこは男にとって、家族との幸せな記憶がいっぱい詰まった、大切な場所だった。が、その夜、誰もいないはずの店内の暗がりから、次々と人の気配が立ち上がってきて―。一条の光を求めてデパートに集まった人々が、一夜の騒動を巻き起こす。名作『ホワイトアウト』を超える、緊張感あふれる大展開。”-帯より。 それほど難解な内容ではないんだけど、なぜか読了までに時間を要した1冊。 三谷幸喜の脚本とか、奥田英朗の群像劇っぽい印象を受けました。 観たことないけど、『有頂天ホテル』ってこんな感じ? 可もなく不可もなく。
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読みにくいという感想もあるかもしれないし、作られたドラマって感じもしなくもないけど… 面白かったし、読み終わって気持ちがふわっと暖かくなったかな
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職も家族も失い、最後の場所としてデパートへ向かう中年の男。駆け落ちの夜を過ごす場所としてデパートを選んだ若いカップル。男に裏切られた復讐としてデパートの品物を盗み出そうとする社員。お飾りでしかない社長業に絶望する社長。何かの情報を持ってヤクザから逃げるためにデパートに忍び込んだ男...
職も家族も失い、最後の場所としてデパートへ向かう中年の男。駆け落ちの夜を過ごす場所としてデパートを選んだ若いカップル。男に裏切られた復讐としてデパートの品物を盗み出そうとする社員。お飾りでしかない社長業に絶望する社長。何かの情報を持ってヤクザから逃げるためにデパートに忍び込んだ男。 様々な人生が交錯するデパートの一夜……。 いろんな人の話が絡み合っててスピード感のある話。最終的に登場人物が結びつくところは面白かったけど、それぞれの人が察しが良すぎて都合良く話が進みすぎてるような気がした。 でもみんななかなかいい味だしてるキャラクターで、特に警備員の半田さんは素敵だったわー。
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ローカル線で行こうが面白かったので、続けて読んでみました。 とある名門デパートのある一夜に起きた、ドタバタな事件の物語。 登場人物が多く、前半で人物紹介をしつつ展開し、後半で登場人物を交わらせつつ最後にはすべての登場人物のエピソードを回収していく。 設計図がきちんとできた小説だと...
ローカル線で行こうが面白かったので、続けて読んでみました。 とある名門デパートのある一夜に起きた、ドタバタな事件の物語。 登場人物が多く、前半で人物紹介をしつつ展開し、後半で登場人物を交わらせつつ最後にはすべての登場人物のエピソードを回収していく。 設計図がきちんとできた小説だと思いました。 そのまま映画のシナリオをみているようですが、少々登場人物が多すぎるきらいがあり、映画だったら混乱しちゃうかも。 面白かったのですが、ものすごく面白かったか?といわれると...な感じ。
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デパートって、私の子供の頃は楽しいところだ。 子供のころは、めったに行かないデパートだけど、 父の上司におくるお中元やお歳暮を買いに、 母と祖母と一緒に京都のデパートへ年2回、行っていたのだ。 デパートはやはり楽しくて夢を売ってくれる所だった。 この作品の主人公加治川英人と同様に...
デパートって、私の子供の頃は楽しいところだ。 子供のころは、めったに行かないデパートだけど、 父の上司におくるお中元やお歳暮を買いに、 母と祖母と一緒に京都のデパートへ年2回、行っていたのだ。 デパートはやはり楽しくて夢を売ってくれる所だった。 この作品の主人公加治川英人と同様に・・・。 勤め先が倒産し職も失い家族も離れて行った主人公は人生に失望していた。せめてもの慰みに夜にも関わらず、子供の頃に大好きだったデパートへ侵入する。ひっそりとして誰もいない真夜中のデパートなのに、その日に限ってなぜか人がいた。家出をしてきた訳ありの学生カップル、デパートに不満を持つ女性店員、誇り高い警備員とその部下、ヤクザから逃げる元刑事。これだけの人たちが、閉店後のデパート内をそれぞれの思惑からウロウロしていたのだからたまらない。あちこちでばったりと遭遇しては、「あれは誰?」「何でこんな時間にここにいるの?」と大慌て・・・。 ドタバタと滑稽なほどストーリーは絡まりあって行った。 最後は主人公が自殺の場と選んだデパートの屋上。 怪獣ショーさながらの自殺阻止実行の攻防戦がはじまり、緊張感あるシーンに夢中になった。 デパートの一夜の出来事が、息つくまもなく、ユーモラスに描かれていて面白く読めた。 最近はデパートにかわる娯楽施設やショッピングモールも多いので、 その役割は変化してきているのだろうか・・・。 デパート巡りも面白いかもしれない、と改めて思った。
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【デパートへ行こう】 真保裕一さん 古き良き時代、デパートは商品のみならず夢をも売っている場所だった。 しかし、規制緩和や産業の自由化など、デパートを取り巻く環境は激変し デパート業界は時代の波にのまれ衰退の一途を辿り始めた。 贈収賄事件の渦中にある老舗デパート・鈴膳。 鈴膳にも不況は押し寄せ、今や他店との合併話まで持ち上がっている。 鈴膳は現社長・矢野純太郎の祖父が興したデパートだ。 今年で創設100年目の節目にあたり、現在「百年祭」と銘打った セールが開催されている。 「百年祭」の最終日前夜、彼らは忍び込んだ。 会社をリストラされ、女房にも見限られた自殺志願の男。 父母への反抗から警察につかまるコトを望む少年とその彼女。 警察を免職になりヤクザに追われる男。 自分を捨てた男に対する復讐を動機に窃盗を目論む女。 そして、鈴膳の現場にこだわる初老の警備員と若い警備員。 深夜、デパートの中で、彼らはお互いの目的を果たすべく行動するが、、 ☆ おんもしろ~~~い。。あずきさん、面白かったです~。。 先の「ローカル線で行こう」よりも、わたし的には面白かった。 「ローカル線で行こう」はお互いに反目しつつも、同じような 鉄道に対する想いを持っていた従業員が、新社長の下少しずつ 心を通わし一つの目的に対して立ち向かっていくという面白さが ありましたが、この本はそれぞれの事情をかかえる登場人物が お互いに勘違いをし、その勘違いの結果物語が良い方向へ面白く進んでいく。 そして、最後はバラバラだったピースが”カチッ”と上手く ハマるようなスッキリとした心地よい読後感があります。 そうですねぇ、「ナミヤ雑貨店の奇蹟」と似たような読後感を 感じました。。
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これはまた ハツピーエンドが素晴らしい小説だ なんか読み進めていくとだんだんと心が明るくなってくる お奨めしたい一冊だ デパート懐かしい言葉 終戦後のわが町郡山のうすいデパート まだ商品が少なくてがら空きのフロアで 毎日毎日漫談歌謡ショウなどのもようしががあって楽しかったなあ ...
これはまた ハツピーエンドが素晴らしい小説だ なんか読み進めていくとだんだんと心が明るくなってくる お奨めしたい一冊だ デパート懐かしい言葉 終戦後のわが町郡山のうすいデパート まだ商品が少なくてがら空きのフロアで 毎日毎日漫談歌謡ショウなどのもようしががあって楽しかったなあ 子供が小さいころは電車に乗せて旅行気分で県庁のある福島のデパートまで遠征して屋上の遊園地で遊ばせ好きなものを買ってやった いまでもでかいスノーピーのマグがある うすいデパートは分館が駐車場に代わって東京のなんとかの系列に入って今でもある 今は超高級品ばかりで僕には縁が遠くなったけど北海道展などの催しの時だけ出かけていく ごたごたと溢れんばかりの特売品が並べられていたころが懐かしい
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閉店後の灯りが消えた深夜の老舗デパート鈴膳を舞台に繰り広げられる一夜のドタバタ。誰も居ないはずの店内だがこの日に限って人が集まる。犯罪の手引きをしてヤクザに追われる元警察官。家族にあいそをつかされ生きる希望を捨てた中年男性。訳あり家出高校生カップル。良からぬことを企む女店員。そし...
閉店後の灯りが消えた深夜の老舗デパート鈴膳を舞台に繰り広げられる一夜のドタバタ。誰も居ないはずの店内だがこの日に限って人が集まる。犯罪の手引きをしてヤクザに追われる元警察官。家族にあいそをつかされ生きる希望を捨てた中年男性。訳あり家出高校生カップル。良からぬことを企む女店員。そして社長。更に警備員が追っかける。結局最後は共通の要因の中にはこれら全ての人は結びつくという小説ならではストーリだったがドキドキして読めた。鈴膳の生き字引の警備主任の半田良作がこれも小説ならではの計算された活躍はカッコ良かった。母親と会えた場面はちょっと涙。カップルも収まったし社長も意気だった。長い一夜の物語でした。
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残業禁止の土曜日の閉店後明かりの消えた真夜中の老舗デパート鈴膳百貨店の一夜の出来事を、54章のオムニバスで綴る長編。その日に限って、人々が集まってくる。帰宅途中だった形ばかりの創業一族の社長。よからぬ企みを抱く女性店員。妻と娘に捨てられ生きる希望をなくした中年男。訳あり家出の高校生カップル。道を踏み外した元刑事…。そしてデパート系列の警備会社の生き字引と言われる戦災孤児の老警備員と新米。☆『ローカル線で行こう! 』を読んだ後だったので、再建物と思っていたが意外な展開に驚いたが面白く読めた。
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