デパートへ行こう! の商品レビュー
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デパートのたった一夜だけのお話だけど、あらゆる人の人生がいっぱいつまったお話。 スタートはあまりに悲惨で、最後はきっとハッピーに、と思って何とか頑張って読んでいたが、途中、キツかった。 私の理解力に問題があるんだろうが、物語が暗闇で繰り広げられているように、私にとっても暗闇。 いったい誰が誰に話しかけているんだろう?って途中からわからなくなった。登場人物の人間関係を描きたいんだろうけれど、それがかえってごちゃごちゃな雰囲気にさせている。 最後、マホさんが潔くないし、マコトとのこれからもわからない。(まぁうまくいくとは思えないけど) だいたい、社長の愛人って、別に自分でも望んだ関係でしょう?男と女で、男だけを悪者にして、復讐するために盗みをはたらくなんて、ちっとも同情できない。 どいつもこいつもポリシーがなくて、魅力が見えないなか、警備のおじさんだけは筋が通っていた。彼が最後に一番幸せになれて、良かった。 それから、自分のことだけ考えればいいやって思いそうな人たちが、結局目の前のけが人や襲われている女性を助けようとしちゃうとこ、本能でできちゃうところが格好よかった。 ところどころ、救いはあったけれど、ちょっと疲れたので読み返しはしたくない。
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久々に面白い本。 夜のデパートにコッソリ隠れていたら・・・って、子供の頃想像していた。 だから余計に面白かった。 展開も意外なとこで繋がりがあったり、楽しんで読めました! おすすめです。
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閉店後の真っ暗なデパートで繰り広げられる、 ドタバタだけど、悲しげな騒動。 硬派なイメージの作家さんだけど、 こんなソフトなのもあるのね。
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日本橋の営業時間終了後のあるデパートに様々な思惑で残り、集まってしまった様々な人々が起こす一夜の騒動。 最初は全くつながりがないように個々が登場してくる登場人物が読み進めるにつれてそれぞれ相関しているという展開は興味深かったですが、あまりにも相関が深すぎることが分かってきた後半は...
日本橋の営業時間終了後のあるデパートに様々な思惑で残り、集まってしまった様々な人々が起こす一夜の騒動。 最初は全くつながりがないように個々が登場してくる登場人物が読み進めるにつれてそれぞれ相関しているという展開は興味深かったですが、あまりにも相関が深すぎることが分かってきた後半は「世の中これまでも狭くはないよなぁ」と思ってしまいました。
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日本橋にある老舗百貨店、閉店後にいろいろな思惑を抱いた人たちが集まってきて繰り広げる悲喜劇。 小説というより、映画の脚本のような感じだった。登場人物の交錯は技ありだが、それぞれの人物の事情を説明するには、一晩の出来事の中では語り尽くせないわな。
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鈴善デパートに深夜集まってくる人々。それぞれに多様な理由がある。 深夜のデパートを舞台に繰り広げられる展開は新鮮。
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深夜のデパート、侵入者多すぎ、セキュリティ甘すぎw 真っ暗なはずなのにそうは思えないし、場面があまり想像できなかったな。 ストーリーとしては面白く読めたし、大団円のラストには和みました。
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真保裕一の原点かもしれない。デパートという題材の庶民性。少なくとも都会に住む人の思い出のなかにはデパートという名の、高級で煌びやかで、ちょっと手が届かないフロアの一角に、屋上遊園地やデパ地下の試食コーナーなど、庶民が入り込める余地がある。買い物に出かけるにしても、きちんと身奇麗...
真保裕一の原点かもしれない。デパートという題材の庶民性。少なくとも都会に住む人の思い出のなかにはデパートという名の、高級で煌びやかで、ちょっと手が届かないフロアの一角に、屋上遊園地やデパ地下の試食コーナーなど、庶民が入り込める余地がある。買い物に出かけるにしても、きちんと身奇麗にして出かけてゆかねばならない少し気取った、それでいて少し幸せと夢の溢れる場所。 そんなデパートが今、日本各地で倒産し、閉店し、テナントビルやモールに変わろうとしている。そんな時代背景に対し、デパートが生んだ多くの人物への記憶や物語を、真保裕一は、たった一夜の深夜の老舗デパートに展開してみせた。寓話のような、童話のような、レトロでノスタルジー豊かな物語に。 この作家、『誘拐の果実』『繋がれた明日』といったシリアスで緊張感に溢れたネクラ系の物語を紡いでもそこそこに巧く、そちらが本筋というイメージが強い嫌いもあるのだが、実は、『奪取』で見せたような明るく陽気で、それでいて社会への挑戦意欲に満ちた落ち零れたちの奮起といったものを書かせると、ぴか一である。 さらに職業人のプロ意識を書かせてもすごい。さまざまな職業(SP、海難救助員、爆発物処理班、消防士)に携わる人で綴った作品集『防壁』は、優れた短編集だと思うし、小役人シリーズと言われた初期の作品にしても、職業を題材にした人間描写がこの人の原点なのではないだろうか。 その意味で、デパートに関わる職業人たちと、デパートに拘る客たちの物語、それこそ彼らの人生の物語がクロスする場所として深夜のデパートを存分に使ったこの小説は、素晴らしい着想であるし、そこに働く職業人の人生というものは、やはり神保イズムというべきか、これぞ、というものが込められているのである。 「名作『ホワイトアウト』を超える、緊張感あふれる大展開!」 と帯にはあるけれど、『ホワイトアウト』のようなシリアスかつシンプルな冒険小説ではなく、どちらかというと人情ドラマの側面が強い。だからこそ、『ホワイトアウト』よりもずっと真保裕一らしい世界がこちらの小説に深く、印象的に拡がっているように思うのだが。
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創業精神の崩壊、不祥事も重なる経営難の百貨店。本店閉店後のある夜、目的を秘めた内外部の侵入者対警備員対経営者の物語。不祥事の曰くや個に病む面々が地中の蟻の巣の様な闇の中、時折ゴッツンコしながら偶然以上の繋がりに本質を見直す。デパートの一夜が語るお伽噺が聞く者全てに明るい朝を迎えさ...
創業精神の崩壊、不祥事も重なる経営難の百貨店。本店閉店後のある夜、目的を秘めた内外部の侵入者対警備員対経営者の物語。不祥事の曰くや個に病む面々が地中の蟻の巣の様な闇の中、時折ゴッツンコしながら偶然以上の繋がりに本質を見直す。デパートの一夜が語るお伽噺が聞く者全てに明るい朝を迎えさせた。
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#読了。閉店後のデパートに、人生に希望を失った人々が集う。そこで繰り広げられる、コメディタッチの演出。ドラマにでもなりそうなストーリー。ラストの展開が意外で、良かった。
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