獣の奏者(2) の商品レビュー
シリーズ2作目。 あとがきを見ると、著者はこの2作で終わりのつもりで書いたもよう。その後3作目と4作目が出るに至った経緯についても書かれている。確かに、これで終わりだともっともっと続きを知りたくなる。それくらい夢中になれるシリーズ。 2作目は、王獣と意思疎通するために竪琴が使え...
シリーズ2作目。 あとがきを見ると、著者はこの2作で終わりのつもりで書いたもよう。その後3作目と4作目が出るに至った経緯についても書かれている。確かに、これで終わりだともっともっと続きを知りたくなる。それくらい夢中になれるシリーズ。 2作目は、王獣と意思疎通するために竪琴が使えるのではとエリンが気付き実行したところから、学舎を卒業し教導師として働きながら「操者ノ技」の使い手としての存在が真王たちに知られ、王宮に呼び寄せられ大公とのいざこざに巻き込まれながらもギリギリのところでリランに助けられて生き延びるところまで。 まとめようとするとこの一冊ですごく時がたち色々なことが起きていることが分かる。テンポ感が良く話がどんどん進むため、飽きたりする暇もない。一気に読んだ。 真王の祖先や霧の民の秘密や、なぜ王獣規範が存在しているかの種明かしが最後の方でやっと明らかにされる。そこでパズルのピースがぴたりとはまる感じがして納得感がある。
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2022/12/25 本編よんであとがきよんでえっ?これで終わりってなった。エリンとイアルの話か〜
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圧倒的な世界観。あっそういえばファンタジーだったっけ?と思わず架空の世界が書かれていることを忘れてしまうような、緻密で説得力のある描写。 面白い物語の中に数々の伏線が張り巡らされ、無駄なものは一切ない。 通常人と通じ合わない獣とコミュニケーションとる少女。 自然に反するような...
圧倒的な世界観。あっそういえばファンタジーだったっけ?と思わず架空の世界が書かれていることを忘れてしまうような、緻密で説得力のある描写。 面白い物語の中に数々の伏線が張り巡らされ、無駄なものは一切ない。 通常人と通じ合わない獣とコミュニケーションとる少女。 自然に反するような決まりがなぜあるのか。 獣が戦に使役されてきた経緯。 政治的な思惑が渦巻く中で、その思いと離れて自然と共に生きたいと望む少女はナウシカのようだし(蟲の使役、力の強さもそう)、 王獣と闘蛇の圧倒的な力は、ブレイブ・ストーリーの幻界の王国?にある扉を開くと現れてしまう圧倒的な力を想起させる。 政治、獣の使役、ミステリー的要素は十二国記にも通じる。 この完璧な物語を解体して、再構成したというアニメ作品、続編の「探求編」「完結編」も俄然楽しみになってきた。
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決して人に馴らしてはいけない獣と心を通わせることに成功してしまったエリンは、彼女の意志によらず、政治的な思惑に飲み込まれてしまう。 ただの少女が成長していく物語というだけでなく、この話はファンタジーでありながら、物語の中で人々がリアルに生きている様子がわかる。人間の醜い部分も、...
決して人に馴らしてはいけない獣と心を通わせることに成功してしまったエリンは、彼女の意志によらず、政治的な思惑に飲み込まれてしまう。 ただの少女が成長していく物語というだけでなく、この話はファンタジーでありながら、物語の中で人々がリアルに生きている様子がわかる。人間の醜い部分も、政治の汚い部分も、誤魔化さず描かれているところがとても好き。
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エリンが過酷な道に進んでいるのを苦しく読み進めた。なかなか、報われることがないのと、バルサみたいに相手に武術で勝つというようなスカッとすることがないので、読んでいて辛かった。まだ、前巻の方がエリンの成長が素晴らしく、読んでいる方もワクワクする内容だったので、今回が暗く感じてしまっ...
エリンが過酷な道に進んでいるのを苦しく読み進めた。なかなか、報われることがないのと、バルサみたいに相手に武術で勝つというようなスカッとすることがないので、読んでいて辛かった。まだ、前巻の方がエリンの成長が素晴らしく、読んでいる方もワクワクする内容だったので、今回が暗く感じてしまった。
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王獣編はドキドキ、ワクワクというファンタジーではなく、とっても切ないストーリーでした。王獣、闘蛇は王とのかかわりが多いので、政治がらみのいやらしい部分もあり、それにエリンが巻き込まれて・・・。 自然と生き物と共生しているエリンを人間の黒い部分が苦しめます。そして王の盾として生き...
王獣編はドキドキ、ワクワクというファンタジーではなく、とっても切ないストーリーでした。王獣、闘蛇は王とのかかわりが多いので、政治がらみのいやらしい部分もあり、それにエリンが巻き込まれて・・・。 自然と生き物と共生しているエリンを人間の黒い部分が苦しめます。そして王の盾として生きるイアルの運命。この二人は別々の道を歩いているが同じように少しずつ成長していっているのが分かり、最後のほうになるにつれてハラハラしてきます。 欲は時に人間を悪い方向に向かせます。この作品はファンタジーだけれど、大人も考えさせられる、現実に通じるものを感じました。
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2022.09.11 再読。 ファンタジーはほとんど読まないこの本以来読んでいないが、面白かった記憶があり再読。やっぱりいい! ファンタジーならではの世界観ですが、その中に生物と人間の関わり、親子の関係、政治といった現実の要素が多々あり、単なる闘いでは終わらない物語を感じました。2回目のせいか、以前は世界観や名前が分からず見返すことが多かったですが、今回はさくさく読み進められ、泣けるポイントも多かった気がします。(エリンとエサルの名前はもう少し違いがあるように変えて欲しい!) 悪者はすぐに分かりますがそこがメインではなく、戒めで規律を重んじる世界で、自分だけでなく周りも巻き込むかもしれない恐怖の中、自分がどうしたいか、どんな世界にしていきたいかを過去や周りの考えに捉われることなくエリン自身が考え行く姿にグッときます。 2011.01.09
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エリンとリランの絆の深さに最後感動した。 とにかくただのファンタジーではない。 政治的陰謀も絡み、冒険物語でもあり、エリンの教師としての迷いのシーンにあるような1人の少女の成長物語でもあり。 子供相手というより大人向けファンタジー。 ジョウン、前作からフラグ立ってたけどやっぱサヨナラで悲しかった。。
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再読だが泣けた。 想いが伝わることなどない。それでも「伝えようとすることをやめなければ、時には奇跡が起こる」のだと思った。
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獣と人の交流よりも、人のもつ業の深さ、卑しさ、醜さが強調されているように感じる。ただ、人の歴史はそういうもので常に守られてきたことは事実。大切なのはそれを受け入れ、そんなものに縛られぬ未来を築くことではないだろうか。とはいえ、本作品の根底にあるのは人と交わることなき獣と、少女の触...
獣と人の交流よりも、人のもつ業の深さ、卑しさ、醜さが強調されているように感じる。ただ、人の歴史はそういうもので常に守られてきたことは事実。大切なのはそれを受け入れ、そんなものに縛られぬ未来を築くことではないだろうか。とはいえ、本作品の根底にあるのは人と交わることなき獣と、少女の触れあい。とりあえず読め、面白いから。
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