世界は分けてもわからない の商品レビュー
#構成が完璧。 -ベネチアの病、ランゲルハンス島、ヴィットーレカルパッチョの絵画、トリプトファン、空目、渡辺剛の国境写真、ガン細胞、パワーズオブテン、マップラバーとジグソーパズル、そしてスペクター事件。これらは一見無関係な個別事象として語られるが(もちろんそれぞれの個別の章だけで...
#構成が完璧。 -ベネチアの病、ランゲルハンス島、ヴィットーレカルパッチョの絵画、トリプトファン、空目、渡辺剛の国境写真、ガン細胞、パワーズオブテン、マップラバーとジグソーパズル、そしてスペクター事件。これらは一見無関係な個別事象として語られるが(もちろんそれぞれの個別の章だけでも面白い)、章が進むにつれ、それらが関係し合い、新しい見方、物語を紡ぎ始める。そしてこの本のタイトルの意味を否が応でも強く意識し、納得せざるを得ない。 -伏線を散りばめた、良質な小説のような読後感。 -幅広い知識と知的好奇心と教養に裏打ちされている。 -しかし結局、世界を分けようとする行為、そして統合しようとする行為の反復によってしか新しいことは分からないとも言える。
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人の死を、脳が死ぬ時点に置くならば、人の生は、脳がその機能を開始する時点となる。脳の神経回路網が構築されるのは、受精後24-27週の出来事。 脳死が人の死を前倒ししたように、「脳始」は定義の仕方によっていくらでも変えられる。 私たちは無関係なことがらに、因果関係を付与しがちであ...
人の死を、脳が死ぬ時点に置くならば、人の生は、脳がその機能を開始する時点となる。脳の神経回路網が構築されるのは、受精後24-27週の出来事。 脳死が人の死を前倒ししたように、「脳始」は定義の仕方によっていくらでも変えられる。 私たちは無関係なことがらに、因果関係を付与しがちである。連続を分節し、ことさら境界を強調し、不足を補うことが、生き残るうえで有利に働くからである。 しかし、その関係の多くは妄想でしかない。それを自省するために、我々は勉強しなければならない。
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STAP細胞のことを想わずにはいられない。 そしてSTAP細胞にも後に似たような話があったようなことを聞いたのだけど、その後どうなったのだろう。 人は見たいものを見ようとし、見たいものに現実を近づけようとする。
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おんなじ日に、内田樹さんの「日本辺境論」読んだ。 両方とも、出版されたのも、たまたま10年前だった。
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「生物と無生物」「ルリボシカミキリ」と比べると多少とっかかりにくい。ゲティ・センターという美術館がカリフォルニアにあるようだが、これは面白そうだと思う。
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「生物と無生物のあいだ」の続編的な位置づけとして出版された一冊。前作同様に、生命科学の最先端の面白さと、著者特有の美学的/文学的な表現がミックスされた独特の文体を楽しめる。 前作以上に様々なテーマを集めたオムニバスという印象が強く、統一的なテーマを見出すことは難しいが、タイトル...
「生物と無生物のあいだ」の続編的な位置づけとして出版された一冊。前作同様に、生命科学の最先端の面白さと、著者特有の美学的/文学的な表現がミックスされた独特の文体を楽しめる。 前作以上に様々なテーマを集めたオムニバスという印象が強く、統一的なテーマを見出すことは難しいが、タイトルにあるように「部分の総和が全体になるわけではない」というテーゼを最も示すかの如く、生命の不思議さが理解できる各エピソードはやはり面白い。
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一人の学者が、専門として一生かかってやる内容というのは、文系的素人の目で見れば「とても小さく狭い」、そういう印象を切実に感じる。 実際の仕事の重さや深さを貶しているのではない。専門の研究者の仕事というものは、どんな分野においてもそういうものだろう。しかし、人前で語りだしたとき...
一人の学者が、専門として一生かかってやる内容というのは、文系的素人の目で見れば「とても小さく狭い」、そういう印象を切実に感じる。 実際の仕事の重さや深さを貶しているのではない。専門の研究者の仕事というものは、どんな分野においてもそういうものだろう。しかし、人前で語りだしたときに、人は、もっと、もっと、というふうに新しい発見や、面白い話を求める。 「生物と無生物のあいだ」で、かつて、かっ飛ばした、あのホームランを、繰り返し求めるような自分の感覚にも、なんだか悲しいものを感じた。
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分子生物学をテーマにしたエッセイとでもいうのだろうか。相変わらずの美文だが、少しやり過ぎという感じがしないでもない。それでも見聞きし慣れない言葉が数多く登場する文章なのに惹き込まれる。特にスペクターの話は興味深い。
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福岡ハカセの最新刊。 読み手をわしづかみにして離しませんね、 ハカセの文章は。 全体のテーマは、部分と全体の関係について。 前半のいくつかの話は、一見このテーマとは なんら関係のないように見えて、最後には ちゃんとテーマに合ったオチがついている。 後ろの五章は...
福岡ハカセの最新刊。 読み手をわしづかみにして離しませんね、 ハカセの文章は。 全体のテーマは、部分と全体の関係について。 前半のいくつかの話は、一見このテーマとは なんら関係のないように見えて、最後には ちゃんとテーマに合ったオチがついている。 後ろの五章は、ある生科学者の話を紹介した もので、ヘタなミステリーを凌ぐほど面白い 展開。 さすが、福岡ハカセ。今回もやられました!
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これもまた動的平衡についての本。Wがもっとも希少な必須アミノ酸だそうな。WackerのWでもあるな。。。
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