世界は分けてもわからない の商品レビュー
★図書館だよりNo.73 「読書への羅針盤」 松本 健作 先生(土木工学科) ➣記事を読む https://www.sist.ac.jp/about/facility/lib/letter.html#073 【所在・貸出状況を見る】https://sistlb.sist.a...
★図書館だよりNo.73 「読書への羅針盤」 松本 健作 先生(土木工学科) ➣記事を読む https://www.sist.ac.jp/about/facility/lib/letter.html#073 【所在・貸出状況を見る】https://sistlb.sist.ac.jp/opac/volume/93865
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「生物と無生物のあいだ」がとても好きだったのと、タイトルに惹かれたので! 構成や言葉えらびが本当に素敵で、科学について書かれた文章と思えない、美しい〜〜SDS-PAGEとか、学生の時にやったけどこんなに美しく文章にできるのか…となった。 スペクターのストーリーは、最近読んだ「...
「生物と無生物のあいだ」がとても好きだったのと、タイトルに惹かれたので! 構成や言葉えらびが本当に素敵で、科学について書かれた文章と思えない、美しい〜〜SDS-PAGEとか、学生の時にやったけどこんなに美しく文章にできるのか…となった。 スペクターのストーリーは、最近読んだ「科学とオカルト」の議論が思い出された。理論と技術、再現できないことに価値があったこと、とか 人がものごとを分けてしまうこと、勝手に境界をみつけてしまうこと、なインクラビリ (ちょっと表現が違うかもしれないけど)「全体から部分を取り出したときに失われるものは、その流れである」みたいな記述は、なるほど〜と思った!組み合わせや相互作用、生物以外でもこの考え方ってつかえそう 「分けてもわからないと知りつつ、今日もなお私は世界を分けようとしている。それは世界を認識することの契機がその往還にしかないからである。」 細谷さんの具体と抽象にも通ずるかな、具体だけ、抽象だけじゃなくてその粒度をコントロールしていくこと
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ミクロの文体、言葉の選びとしてもおもしろいし、マクロな構造としても素晴らしい。 自分も幾何学的な美のある文章、美しい文様を描けるようになりたい。
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『生物と無生物のあいだ』が大好きで何度も読み返していた。 先日、youtubeで10年以上前のものだが大谷大学での講演が素晴らしかったので またひとつ、著作を手に取った次第。 中心となるお話の要約: 世界(細胞内で起こるメカニズムなど)は各現象、パーツに分けないと理解できない...
『生物と無生物のあいだ』が大好きで何度も読み返していた。 先日、youtubeで10年以上前のものだが大谷大学での講演が素晴らしかったので またひとつ、著作を手に取った次第。 中心となるお話の要約: 世界(細胞内で起こるメカニズムなど)は各現象、パーツに分けないと理解できない。 しかし、各パーツは一対多の関係で繋がっているので、「部分」としては切り出せない。 原因と結果が逆転することもあり、(onewayではなく)別の平衡を求めても動いている。 なので、世界は分けないと分からないが、分けてもわからない →部分を見て分かった気になっても、それだけでは(とてもではないが)全体を説明できない。(私解釈) 今回のものは生物と〜よりはぐっとこなかったが、 主題を巡る、福岡先生のご専門以外も含めたお話は面白かった。 特に、最後のある研究室における世紀の発見までの道のりと顛末は小説のよう。 主題については、変数が多すぎて簡単には説明できない、ということだろうか。 千里の道も一歩から、パーツを少しずつ明らかにしていけば、完璧ではないにせよ、多くを説明できる、それが科学の進歩ということなんじゃないかと思っている。
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◯インビトロの実験は、ものごとの間接的なふるまいについて何の情報ももたらしてはくれません。(85p) ◯全体は部分の総和以上の何ものかである。(125p) ◯滑らかに見えるものは、実は毛羽立っている。毛羽立って見えるものは、実は限りなく滑らかなのだ。(164p) ★ブェネツ...
◯インビトロの実験は、ものごとの間接的なふるまいについて何の情報ももたらしてはくれません。(85p) ◯全体は部分の総和以上の何ものかである。(125p) ◯滑らかに見えるものは、実は毛羽立っている。毛羽立って見えるものは、実は限りなく滑らかなのだ。(164p) ★ブェネツィアのインクラビリ(不治の病)と名付けられた水路、パワーズ・オブ・テン、カルパッチョの絵画、マップラバーとマップヘイター、空耳ならぬ空目など、分子生物学と関係ない話に見えて、最後に全て、スペクター事件に繋がる。 ★福岡センセイは博学で芸術にも造詣が深く、文章も文学的で好きだ。
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☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆ https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA90727779
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もう10年以上も前の本とは思えない。7章までの流れるような文章は素晴らしい。8章以降、やや毛色は異なるが科学読み物として秀逸だ。世界は分けないことにはわからない、けれど分けてもわからない。結局、「部分」と「全体」を行ったり来たりしないことにはわからないのだ。
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おなじみ分かりやすい理系の話、という感じ。 終盤は、世紀の大発見がまさかの捏造データによるものだったという話。 いやあ、今回も面白かった。
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図書館でふと目に入って読んでみた。 エッセイ風というか、小説風のオシャレな文章で書いてあった。ドラマチックな文体だったが、自分としてはあまり内容が頭に入ってこなかった。ふわふわしていた。 世界は分けないことには分からない、しかし分けてもわからない。
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やっぱり面白い、福岡伸一さん。 『生物と…』の続編とはいえど、独立して読める。 科学ミステリ風の筆致は、読み手にどんどんピースが繋がっていくような快感を与えるのだけれど、実はそれすらも相対化されるという、メタミステリ(という言い方があればだけれど)。 昔、センターの過去問で解いた...
やっぱり面白い、福岡伸一さん。 『生物と…』の続編とはいえど、独立して読める。 科学ミステリ風の筆致は、読み手にどんどんピースが繋がっていくような快感を与えるのだけれど、実はそれすらも相対化されるという、メタミステリ(という言い方があればだけれど)。 昔、センターの過去問で解いた評論文に「カメラは生きた世界を切断してみせる」とあったのを思い出した。内田樹先生の「物語るという欲望」や、鷲田清一先生の「身体、この遠きもの」あたりを併せ読みしたい一冊。 ただ、リン酸化反応とか化学式とかは、化学赤点だった私にはほぼ飛ばし読み箇所だった。本の内容じゃなく、自分にがっかりする。
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