14歳 の商品レビュー

千原ジュニア【著】

2024/08/18

普通の感覚。この言葉にどうしようもなく感じる違和感。周りの価値観とのズレを感じた時、まず疑うのは周りなのか、自分自身なのか？
救いのない14歳時の千早少年のような若者は、きっといる筈。そして、この本は間違いなく救いになると思う。文章的には荒削りであるが、どこかで誰かがこの本と出会うことを待っている筈だ。

2024/08/12

著書は『この本は俺は書きたくなかったのに、吉本興業に書けと言われたので書いた』と笑いを誘い、謙遜していたが大好きな本。読んでいて、泣いた数少ない本の1つ。

2024/02/25

ジュニアさんの中高生時代が書かれており、当時の気持ちを知ることができる。共感できることもあれば、全く気持ちがわからない部分もあり、それがお笑い芸人としての視点なのだなとも感じた。最後せいじさんが芸人に誘って、舞台に立ち、やりたいことに出会うところは感動した。

2023/12/13

自分の気持ちを表現するって、かなり難しいと思います。

自分でも自分が嫌なこと、親にも申し訳ないと思っていること。でもそんなことは恥ずかしくて喋れない。自分がどう思っていて、どうしたいのか。その悩んでいる気持ちが表現できない。自分ではそうと分からないけど、思春期であるときは余計に気持ちの振り子の振れ具合に自分自身翻弄されてしまう。

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本作「14歳」は、中学生の不安定な感情とそこに隠れる素直な気持ちが上手に掬われて表現された佳作だと思います。

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自分で分かっている。今の自分がダメだってこと。でもそれを言われるのはムカつくし、切れた後には申し訳ないと思っている。実は本人だって、心の「成長痛」のようなものに悩んでいるのかもしれない。

そんなとき、本作では祖母であったり、兄であったり、主人公を「普通」「あたりまえ」に扱う隣人は、本人を大いに助けるのでしょう。

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個人的に千原ジュニア氏について知っていることは多くはありません。

ただ、兄弟コンビであったり、兄よりテレビの露出度が高かったり、兄弟でいうと弟（本人）の方がセンスがあるとかないとか、そういうイメージがありました。

本作がどこまで作り物でどこまでが事実かは知りません。しかし、もし本作が概ね事実だとすれば、千原兄の（ある意味）尋常ならざる寛容さがあってこそ、今の千原ジュニアがあったのかもしれません。

普段単独出演で兄のおかしい点をいじり倒していたりしますが、本作を見ると実は兄への感謝にあふれている（た）のかもしれません。このあたりは読んでいただけると面白いかと思います。

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ということで千原ジュニア氏の作品でした。

何者になりたいのかわからない、だから何者にもなれない。でも自分は何のために生きている？みたいな鬱屈した青春時代を思い出しました。

全ての子がこんなにうまくいくとは限りませんが、親目線で読んでも意義深い作品かと思います。

2023/11/25

芸人、千原ジュニアの自伝的小説。まだ、部屋に鍵をかけ引きこもった14歳の頃から、兄とコンビを組み、吉本の養成所で芸人を目指すまでの少年を描く。
「僕は何になるんだろう。／僕は誰になるんだろう。／僕はどうなるんだろう。／僕はどうするんだろう。」
この物語では、「僕」を主語にした心の声が繰り返し出てくる。自分にとっての「普通」が、両親をはじめ、学校の先生、友達とその親たち、近所の人たちから「おかしい」とされることのギャップ。このままじゃいけない、ということを自分が一番分かっているのにも関わらず、正論を語る周囲の大人たち。ただ、かっこいいと思ったからやっただけのことに、その気持ちを理解せず、わかった風な同情をしてくる大人たち。
そうしたものに対して抱く、中学生の自分には、まだ言葉にできない鬱屈した気持ちが、ジワジワと伝わってくる物語だった。

そんな彼が、それでも芸人を目指そうと志す、それを支えたのが、「おばあちゃん」と唯一友達と呼べた「あいつ」、そして、「お兄ちゃん」だった。
「変わってしまった僕」を腫れ物のように扱う多くの大人の中、「おばあちゃん」と「あいつ」だけは、何も変わることなく接してくれる。相変わらず「おばあちゃん」は、本人も覚えていない昔話を聞かせてくれ、「あいつ」だけは、「僕」のやったことを、何ともないように聞き、笑ってくれる。

「おばあちゃん」の「なんにも変わってないのにね」という一言がとても印象的だった。「僕」はこの一言で「久しぶりに意識せず呼吸をしたような気が」する。
本当は一番本人が分かっていること。本当は一番本人が困っていること。そうしたものへの寄り添い方を考えさせてくれる本だった。

2023/12/27

不安、焦り、苛立ち、様々な思いを抱えながら「戦うべきリング」を求める苦悩。
14歳。引きこもり。ひとりでこんなことを考えているのか、こんなに物事を考えているのかとハッとする。自分は何も考えずに学校に当たり前に通って来たから。そうじゃない人たちがいる。疑問を持って自分で考え自分の道を行く人たち。むしろなんて強いんだと思った。みんなとやり方が違うだけ。
今のジュニアさんはこの時期があってのものなんだろう。14歳。羽ばたく前のさなぎの季節。周りの大人が変わらなければいけないね。引きこもりや不登校は悪いことじゃない。待つこと。おばあちゃんのように。

2023/07/30

引きこもっている子供の気持ち(もちろん全ての場合に当てはまるわけではないと思いますが)がとても伝わり、そしてその内面には1番近くにいる両親には恐らく何も伝わっていない。読みながらボロボロ涙が止まりませんでした。

2023/12/29

”自分は特別な存在”っていう中二病っぽい考えに対して、多くの人はなんとなく折り合いをつけながら生きていくのだろうけど、妥協せず貫いているところに妙に感心した。

2023/04/08

この熱量は半端ないね！！

心に刃を突き立て、拳を血がでるくらい握り、奥歯がゴキッと折れるのをかまわず噛みしめるくらい自分と世間の常識に闘った記録と記憶！素晴らしい〜

ぜひ〜

2022/04/09

不登校、暴力、規則違反
どれもこれも私ならそんな事して批判されることの方がめんどくさいわー君らなんでそんなに反抗的なのって思ってたタイプの人だった。
でも、彼の信念がたまたま周囲と同一でないことであっただけ。言語化できない、感情が分化出来ないときに理由を説明させることは難しい。大人がそこを汲むことができないのが問題なのかも。
そんな幼少期が今の自身を作っていると思うと、そんな過去も認められるのかもしれない。