永遠の0 の商品レビュー
戦争、戦後の苦しさ、大変さを描いており、分かりやすい面もあるが。 私にとっては、作者が戦死を美化している様に感じ、読後あまり良い気持ちになれなかった。
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国のために戦うのは当然だ。そんな中、何よりも生きて帰ることを第一に、零戦に乗り数々の戦場を生き抜いてきた男、宮部。 なぜ彼は特攻隊となり命を落としたのか。 当時を知る人々から話を聞く内に、宮部の人物像、真実が明らかになっていく。 ‥‥ 攻撃するためだけ。還ることを想定されてい...
国のために戦うのは当然だ。そんな中、何よりも生きて帰ることを第一に、零戦に乗り数々の戦場を生き抜いてきた男、宮部。 なぜ彼は特攻隊となり命を落としたのか。 当時を知る人々から話を聞く内に、宮部の人物像、真実が明らかになっていく。 ‥‥ 攻撃するためだけ。還ることを想定されていない戦機に戦法、命令。 作中の登場人物と同じように、宮部に生きてほしいと思ったし、最後の決断には何とも言えない気持ちになった。 宮部自身だけ生き残ろうとするのではない。同じ部隊の命も大切にし、"生きることを優先すること"を諭す姿が印象的でした。 2024年9月1日
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第2次世界大戦時のゼロ戦搭乗員たちの話。 ニートの青年が、実は祖父とは血のつながりがなく本当の祖父は特攻で死んだことを知り、本当の祖父について調べていく。当時の体験を聞き歩き、祖父の人間像を追ううちに、戦争の悲惨さや戦闘員たちを特攻へと追い立てた状況が明らかになっていく。 人が次...
第2次世界大戦時のゼロ戦搭乗員たちの話。 ニートの青年が、実は祖父とは血のつながりがなく本当の祖父は特攻で死んだことを知り、本当の祖父について調べていく。当時の体験を聞き歩き、祖父の人間像を追ううちに、戦争の悲惨さや戦闘員たちを特攻へと追い立てた状況が明らかになっていく。 人が次々と亡くなる悲惨な状況描写であるはずなのに、血なまぐささはなく儚さが漂う文章。戦争に向かう狂気的な社会の雰囲気や、敵兵とのわずかな交流などが切ない。徐々に浮かび上がる宮部の人物像に引き込まれていき、ラストの衝撃へとつながる素晴らしい展開。後半は涙が止まらなかった。 これが処女作だというのだからすごい。
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涙なしでは読めない作品です! 戦争で亡くなった祖父はどんな人だったのか? そんな疑問を胸に、彼を知る人々から話を聞く中で、その人物像が徐々に浮かび上がってきた。 「何よりも命を惜しむ男」であり、 「奴は海軍航空隊一の臆病者だった」と語られた。 この時、主人公やその姉の様に怒りにも似た感情が湧き上がってきた。「命が惜しいのは当たり前だ」と。 しかし、話を読み進めていく中で、彼を憎む人々も彼と同じ事を望んでいるのだと気がついた。 だから、自分に正直で強い彼を妬み、彼を批判する事で苦しみや悲しみから目を背けているのだと。 彼は立派な人だった。 皆が国に逆らう事を諦めていても、 愛する人の為に、 最後まで自分の正しさを曲げなかった。 非人道的な戦法や特攻隊、桜花は余りにもむごかった。 軍の上層部は自分を棚に上げ、人の命が失われていく事をなんとも思わない。こんな指導者のもとで動かされていた人々はもう全てを諦めていた。 そんな中、彼だけは、愛する人のために生き続けることを諦めなかった。 最近読んだ本の中で一番読み甲斐のある本でした。 現代を生きる私たちには馴染みのない環境や言葉がとても多く、読みやすい作品ではありませんが、ぜひ最後まで読んでほしい名作です!
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号泣してしまった。 戦争の壮絶さ、悲惨さと、狂気とも言える時代を必死に生き抜いていった人々の日々を、目の前でありありと投影されたような気持ちになりました。 最期のエピローグでは、堪えていた涙が止まらなくなりました。宮部さんは、本当に立派な人だったと思います。また宮部さんを取り巻...
号泣してしまった。 戦争の壮絶さ、悲惨さと、狂気とも言える時代を必死に生き抜いていった人々の日々を、目の前でありありと投影されたような気持ちになりました。 最期のエピローグでは、堪えていた涙が止まらなくなりました。宮部さんは、本当に立派な人だったと思います。また宮部さんを取り巻く大石、景浦の2人のエピソードも心打たれるものがありました。 戦争が身近なものではないこの時代に、読めて良かったと心から思います。
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言わずと知れた名作。8月に再読しようと決めて朝の通勤時間、涙を堪えるのに必死になりながら一気に読んだ。この本を読んで戦争を讃美しているなんて、どうして思えるのだろう。確かに日本の戦術であったり、軍部トップの行いについては批判すべき点は多くあると思う。それでも、あの戦争で命をかけて...
言わずと知れた名作。8月に再読しようと決めて朝の通勤時間、涙を堪えるのに必死になりながら一気に読んだ。この本を読んで戦争を讃美しているなんて、どうして思えるのだろう。確かに日本の戦術であったり、軍部トップの行いについては批判すべき点は多くあると思う。それでも、あの戦争で命をかけて戦った先人達のお陰で今の平和で豊かな日本があると感謝の念を感じる事が、なぜ戦争賛美に繋がるのか。できれば今の若い人達にも広く読んで欲しいと思う本である。
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心揺さぶられる一冊! 知らないことがたくさんあり過ぎて、そんな自分を恥ずかしく思った。とても大切なお話でした。 また時間を置いて再読したいなと思いました。
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これほどの骨太な小説は初めて読んだかもしれません。 小説ではありますが太平洋戦争があったのは事実です。 “kamikaze”は英単語にもなっています。 本当にあった歴史です。 愚かなエリート将校が度々描かれていましたが、戦後80年近く経った今も変わりありません。 僕が本書を手に取った2024年は政権与党である自民党議員たちによる裏金問題や身内への税優遇がピックアップされています。 税金で国民が苦しむのは江戸時代から変わりません。税金が苦しいものと分かっているから身内には優遇するのでしょう。 訓練中に事故で飛行機ごと亡くなってしまった学生を上官が訓練生たちを集めて詰るシーンがあった。 宮部は上官である中尉を許さなかった。反発して「亡くなった訓練生は立派な軍人であった」と云う。 中尉は優秀ではない部下の命よりも出世と貴重な飛行機の方が大切なので言い返すが、誰がどう考えても非人道的な中尉は論理的な事は言えない。「下の位の分際で、生意気だぞ」としか言えない。 『良い家に早く生まれて早く出世しただけの僕ちゃん』と自ら発していることにも気付いていない。 軍人と政治家を結びつけている僕は間違っているかもしれないが、現代よりも当時は大学に入るのは生まれた家の考え方、何より金がないと難しい事だったと思う。富の集中によりいつまでも何世代にも及ぶ世間知らずが、血反吐を吐き生きている国民を嗤い安全圏から搾り取る。 “kamikaze”を行った彼らをテロリストと云う輩がいると本書の序盤で知り驚いた。 読み進めて分からなくもないかと少し思いましたが、最後まで読みやはりおかしいと思い直しました。 これは「テロリスト」という単語の意味について自身が帰属する組織の為のポジショントークでしかないと断言したい。 彼らは自ら志願して特攻隊になったわけではない。 上官に強制され志願した。 上官は命が高いので特攻などしない。 現代人からすると考えられない。 それでも彼らは何の為に死ぬかを真剣に考えて特攻したんだ。 日本を勝たせる事は家族を守る事。この海戦で勝つのは日本の未来の為と考えていたのだ。 何度も涙で本を閉じた。 多くの日本人に読んでほしい。 時間が無いなら児玉清さんの解説だけでも読んでほしい。 毎年8月にはこの本を必ず読みます。 この本に出会えて良かったです。
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太平洋戦争版「壬生義士伝」。 とても面白かった。二番煎じ感は否めませんが。 壬生義士伝との比較状、★はひとつ減らしました。 1点、第十一章の最終行。 「ぼくたちの、おじいちゃんだ!」は不要。これがあることで、全体がすごく安っぽくなってしまっている。 この作家の本を読んだのは、こ...
太平洋戦争版「壬生義士伝」。 とても面白かった。二番煎じ感は否めませんが。 壬生義士伝との比較状、★はひとつ減らしました。 1点、第十一章の最終行。 「ぼくたちの、おじいちゃんだ!」は不要。これがあることで、全体がすごく安っぽくなってしまっている。 この作家の本を読んだのは、これが初めて。2番目に面白いのがコレ。 ただ、ここでは詳細書きませんが、「錨を上げよ」を読んでこの作家が大嫌いになり、その後は一切読んでません。
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まず本書に出会えたことに感謝しています。2時間ほどで知覧特攻記念館に行ける県に住んでいます。私も何度か行きましたが毎回「戦争」のもたらした結果や影響について深く考えさせられます。また近いうちに行ってみたいと思います。
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