図書館の神様 の商品レビュー
まず、清さんの語りから始まり、あれ?これってヤングに理解できる内容なのかなぁ、どんよりな感じだなぁ、共感するとしたら大人になるんじゃないかなぁと思いながら読み始めました。そうやって読み進めていくと、清さんの文学に対する気持ちの変化が、次に出てくる垣内くんの言葉や心地よい部活動の空...
まず、清さんの語りから始まり、あれ?これってヤングに理解できる内容なのかなぁ、どんよりな感じだなぁ、共感するとしたら大人になるんじゃないかなぁと思いながら読み始めました。そうやって読み進めていくと、清さんの文学に対する気持ちの変化が、次に出てくる垣内くんの言葉や心地よい部活動の空間によって少しづつ変化していく。先生と生徒というそれ以上それ以下にもない関係の2人の会話がとても愛おしく青春を帯びていて、あ…これはヤング向けだし、大人にも刺さるなぁと読んでいてしみじみ思いました。途中で、もう味わうことの出来ない青春の1ページを感じる場面があり、そこでは静かに涙をしてしまいました。後味も良く清しい、読んでよかったそんな物語です。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本は世界の旅に連れて行ってくれる。現実でうまくいかないことやどうしようもないもどかしさを抱えていても、図書室に行けば、タイムマシンに乗ることができる。大勢に理解されなくても良い。痛みは自分だけのもので良い。だけど、どこかにひとりでも波長が合う人、分かり合える人がいれば、新たな世界へ自分で自分の背中を押して踏み出す勇気をもらえる。教師と学生、年齢や立場をこえて、ひととひととの関わり合いが、その人を成長させる。温かい物語でした。
Posted by
高校のバレーボール部のある出来事をきっかけに、バレーボールから離れ高校の講師になった清。 バレーボール部の顧問になれるかと少し期待していたのに、部員がたった一人の文芸部の顧問に。 そのたった一人の部員である、垣内君の発言がめちゃくちゃ大人で、驚かされた。 そんな垣内君も、あ...
高校のバレーボール部のある出来事をきっかけに、バレーボールから離れ高校の講師になった清。 バレーボール部の顧問になれるかと少し期待していたのに、部員がたった一人の文芸部の顧問に。 そのたった一人の部員である、垣内君の発言がめちゃくちゃ大人で、驚かされた。 そんな垣内君も、ある出来事で…。 お互いのことを詮索しないし、自分のことを色々話す訳でもない、清と垣内君の関係性も素敵だなぁ。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
高校生の頃にバレー部のメンバーが自殺したのを機にバレーを離れた清が、高校の講師になり、赴任先で文芸部の顧問をしながら再生していく様子を描いたストーリー。 不倫相手の浅見さんとの関係にモヤモヤしながらも離れられずにいたり、本当はバレー部の顧問をやりたいと思いつつ、文芸部の顧問となり、部長の垣内君に、"文芸部がつまらないとか、外で運動すべきだなどと、よほど顧問とは思えない発言をしたりする清は、高校教師をしつつも、投げやりな感じが否めない。 そんな清に対して、怒ったり反抗したりすることもなく、大人びた言葉で返したり、お勧めの文学作品を教えたりする垣内君の独特なキャラが好き。 清の弟、拓実もフワフワしているようで姉想い。 そういう彼らとのやり取りがすごくよかった。 そして、正式な高校教師となった清に宛てて、高校の時に自殺した山本さんのお母さんから、清を解放するかのような手紙が届く。 瀬尾まいこさんらしい、なんだか心がほっこりする読後感。
Posted by
瀬尾まいこさんの作品はやっぱりいいなって思いました。垣内くんの考え方が特に好きだなと思った。 最近、たまたまXで、箕輪厚介さんが「自分にとって心地よい習慣を、やることが実は幸せだったりするかもしれません。」(お布団をきれいに畳む、太陽に挨拶する。神社までお散歩するなど)とツイート...
瀬尾まいこさんの作品はやっぱりいいなって思いました。垣内くんの考え方が特に好きだなと思った。 最近、たまたまXで、箕輪厚介さんが「自分にとって心地よい習慣を、やることが実は幸せだったりするかもしれません。」(お布団をきれいに畳む、太陽に挨拶する。神社までお散歩するなど)とツイートしていた。その言葉を目にして、垣内くんは本当の幸せが何かを体現しているなと感じた。 序盤からあまり主人公には共感できない点もあるけど、不倫している人をここまでポジティブにポップに表現しているのは、瀬尾さんマジックだと感じた。私は不倫はコスパが悪い(得られるものが侘しすぎる)気がするので、その選択をしてしまう人は、なんならかの満たされない思いがあり、依存してしまってると思う。だから日々の中にある小さな幸せを感じる余裕がない人と思っている。ただ、真面目だった人が投げやりな人生を送っているという印象を、より持たせるために、作品のスパイスになっていて、その対比で、私は垣内くんとのやりとりがより愛おしい時間に感じることができた。 垣内くんのように夢中になれることを私も今後も続けたいし、そういう環境にいる今が幸せだなと日々噛み締めている。 今日も朝ご飯を食べて、駅まで歩ける体に感謝しよう。もっと当たり前の習慣に感謝してもいいのかもしれない。小さいことに目を向けて、今自分にすでにあるものに感謝したいと改めて思えました。この作品に出会えたことにも感謝。ありがとうございます。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
高校時代バレー部のキャプテンで後輩を自殺に追い込んでしまった過去を持ちつつ不倫をしいる主人公の高校教師と部員の一人を怪我させてしまった元サッカー部キャプテン 今は文芸部との関係 黙るべき時を知る人は言うべき時を知る 不倫関係がなんか嫌で、あまり楽しめなかった
Posted by
なにか大きな成長とか出来事がなかったように思う ただただ物語が進んでいき淡々と終わった 山あり谷ありの物語が好きだから少し残念 文学が好きになっていく過程はなんとなく親近感が湧いた。 自分も昨年の夏頃から読み始めたから。 高校の時に部活で自殺させてしまったかもと思うのいう設定は...
なにか大きな成長とか出来事がなかったように思う ただただ物語が進んでいき淡々と終わった 山あり谷ありの物語が好きだから少し残念 文学が好きになっていく過程はなんとなく親近感が湧いた。 自分も昨年の夏頃から読み始めたから。 高校の時に部活で自殺させてしまったかもと思うのいう設定は面白い 不倫をやめなんとなく文学部の垣内くんとのやりとりが良い くっつくのかなーって読んでたら全然手紙だけでなんが悪い意味で期待を裏切られた
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
瀬尾さんの温かい気持ちになれる小説だった。 「図書館の神様」という題名から引かれて読んでみた。題名だけを読んだら、「文学とはどれだけ素晴らしいものか」や「文学って人の人生を変えるものなんだよ」なんでことが込められた作品だと想像していた。 しかし、読んでみると、まず主人公の清は読書をほとんどしたことがない国語教師。おっそうきたか。なんて思った。 そして、そこから清は自分の担当した文芸部のたった1人の部員垣内くんと過ごす中で本に魅了されていく。 しかし、終盤、垣内くんの「本で自分以外の世界と触れていく」という演説の場面の直後に主人公の清が「文学は面白いけど、私にとっての『それ』(自分以外の世界と触れていく)ではない」と述べるシーンがある。 ここから、文学が全てではないということを感じた。題名から想像したこととは若干異なった感想になったが、文学の可能性と文学だけでない可能性を感じることができた作品だった。
Posted by
友人の自殺、不倫、重苦しい暗い話のように思われるが、垣内くんとの遠すぎず近すぎない関わりの中で、過去も現在も、ゆっくり前に進んでいく。 清と垣内くんとの会話も、弟との会話も、テンポ良くて面白い。 先生と生徒の立場が逆転するような会話でも、からかうこともなく、当たり前のようなところ...
友人の自殺、不倫、重苦しい暗い話のように思われるが、垣内くんとの遠すぎず近すぎない関わりの中で、過去も現在も、ゆっくり前に進んでいく。 清と垣内くんとの会話も、弟との会話も、テンポ良くて面白い。 先生と生徒の立場が逆転するような会話でも、からかうこともなく、当たり前のようなところが素敵だ。 2人の関わり合いをもっとみてみたいなと思った。
Posted by
20231228 清と垣内くんの関係性、なんかいいー!!! どっぷり浸かってないけど、心地よい関係。 解説でも言及されているように、一見、希薄であるものの根っこの部分で繋がっていて、ベタベタしないが素っ気ないわけでなく、情には流されないが情の厚さを感じられる。
Posted by