海の都の物語(4) の商品レビュー
国土も資源も貧弱にもかかわらず巧みな外交と海軍力で繁栄を続けてきたヴェネツィアに国力ではるかに勝るトルコが立ちはだかるようになる。賢い若きスルタンはヴェネツィアの予想を覆して勢力を広げてきた。様々な戦の記述の詳細は忘れてしまったが、電話もテレックスもない時代に敗戦を知ってショック...
国土も資源も貧弱にもかかわらず巧みな外交と海軍力で繁栄を続けてきたヴェネツィアに国力ではるかに勝るトルコが立ちはだかるようになる。賢い若きスルタンはヴェネツィアの予想を覆して勢力を広げてきた。様々な戦の記述の詳細は忘れてしまったが、電話もテレックスもない時代に敗戦を知ってショックを受けるのが1か月とか2か月後という中で、スパイを放って情報を集めていたというのが興味深い。考えてみれば日本の忍者も同じころ同じようなことをしていたわけだ。 この巻は後半のエルサレムへの聖地巡礼パック旅行の様子が圧倒的におもしろい。カメラのない時代に金持は画家や版画家を連れて巡礼に出かけたそうだ。お蔭で読者はそのときの訪問地の様子を見ることができる。ヴェネツィアは国を挙げて巡礼ビジネスをやっていて、客としては至れり尽くせりなので、少し遠回りでもヴェネツィアから出かける巡礼者が多かったとのこと。たしかに初めていく長旅なのだから、自国の言葉で持ち物その他のアドバイスを得られるのは大助かりだったに違いない。航海中に命を落とす巡礼者もいた中、無事に数か月の旅を通じてきちんと記録をつけてくれた官僚の旅行記をもとにしたとのこと。やはり記録は大事だ。この官僚は後に神聖ローマ帝国への大使になったそうだ。
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3.5かな。最後の「聖地巡礼パック旅行」にある巡礼者のミーハーぶりと、それをヴェネツィア人が観光業として成立させる記述が面白い。2巻目もそうだが、歴史というより、地域振興のヒントがもらえそう。自治体の人、読んだらどうかな?
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コンスタンティノープル陥落前後のトルコとの戦いと1480年の聖地巡礼記 特に後者が歴史の中の日常的冒険として面白かった 聖遺物崇拝や完全免罪にはそうでない方からは愉快でしかないけれども
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ヴェネチアの敵が変わった。 陸軍中心のオスマン・トルコに変わるのだから。 でも、ヴェネチアは巧みに乗り越えてしまい、通商圏を半世紀かけて元に戻したのだから。 少しずつ都市国家を中心に発展してきた世の中から植民地主義へと向かってゆく。 ヴェネチアはどう立ち向かうか。 高校の授業の知...
ヴェネチアの敵が変わった。 陸軍中心のオスマン・トルコに変わるのだから。 でも、ヴェネチアは巧みに乗り越えてしまい、通商圏を半世紀かけて元に戻したのだから。 少しずつ都市国家を中心に発展してきた世の中から植民地主義へと向かってゆく。 ヴェネチアはどう立ち向かうか。 高校の授業の知識だけでは正確な説明ができないことに気がつく。
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トルコが進行してきて、外交やら何やらで対抗する巻。 でもヨーロッパ内は仲が悪くて複雑。宗教問題も複雑。 あとは聖地巡礼の話。意外と気配りが行き届いている。
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カバーの写真が村上春樹に似てるような気がするよ 1480年といえば、 花の都と呼ばれるフィレンツェを中心に、ルネサンスの華麗な花をいっぱいに咲かせていた時代。 一方でヴェネツィアはトルコと戦争中。 こんな中で聖地巡礼に東地中海を船旅するとは・・・・・・ 同じイタリア半島でも、こう照らし合わせるとまた面白い。 やっぱり人の歴史は面白いと再認識
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ヴェネツィアの物語、第4巻。地中海を取り巻く環境は、トルコ帝国が進出してきたことにより一変。今まで安全に航海できた海が利用できなくなる中、いかにもヴェネツィアらしい方策で切り抜けていく。 聖地巡礼を観光業にまで昇華させる商売根性、脱帽です。ほかの国々とは違う、国のあり方・政治のあり方・商売のあり方。時代時代に合わせた巧みな舵捌きは、どんな事例でも感じることが出来ますね。
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前半は大陸型国家オスマン・トルコとヴェネチアのいきづまる攻防で、後半はヴェネチアがビジネスとした「聖地巡礼旅行」を旅行記風に再現している。とても面白い。
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トルコ、特にコンスタンティノープルを陥落させたスルタン・マホメッド2世との争いと、聖地巡礼がこの巻のテーマ。中世の聖地巡礼と言えば相当の労苦を伴う事が予想され、実際に危険も多かったわけですが、ヴェネツィア人は今で言うパックツアーを作り出し、適正な価格と安全、自国での観光でしっかりお金を落としてもらう仕組みを考えるなど、この面でも先駆的な存在であったと。読めば読むほど新発見多し。
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塩野七生によるヴェネツィア史の第4巻。主にビザンチン帝国を滅ぼしたオスマン・トルコとの攻防を扱っている。スルタンの号令1つで数十万人の軍勢を集めてしまう巨大国家に対して、外交力で何とか食い止めようとする様子が生々しく描かれている。
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