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薄闇シルエット の商品レビュー

3.5

90件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2012/11/23

少しずつ変化するハナの気持ちにどれも共感できたので 成長とは進んだり後退しながら長い目で見て少し進むことかもと感じた 母が娘に同じ道を強要するのは自分の人生肯定のためというのはわかる ハナも結婚して子供がいるナエでさえもその強要に反発心を持ち “自分以外のだれかのために、自分の...

少しずつ変化するハナの気持ちにどれも共感できたので 成長とは進んだり後退しながら長い目で見て少し進むことかもと感じた 母が娘に同じ道を強要するのは自分の人生肯定のためというのはわかる ハナも結婚して子供がいるナエでさえもその強要に反発心を持ち “自分以外のだれかのために、自分の生活を変えるという発想がまったくない” 自分が肯定されたくて同調を求めるのと同じように、母が娘に肯定してと乞う わかる、それでも、理解と受け入れることは違う 母親というものに対して期待が過度だときっと心は嫌だというんだろう 母は与えてくれるもの、娘は与えられるもの 笑っちゃうほど甘ったれている タケダ君の一言が厳しい “あんたやおれの話って、したくないってことでしか 構成されていないんだよ。したくないって言い続けてたら、 そこにいるだけ。その場で駄々こね続けるだけ。” 自分を鼓舞しているだけと蔑むことで自己防衛しないといられない位、辛辣

Posted byブクログ

2012/11/23
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79 発展も後退もない金太郎飴のまんなかみたいな状態に耐えられない 98 アルバイトになるということはいつ解雇されるかわからない用なしとイコール 107 なんで合コンなんてしたんだろう。知らない誰かとあって、こんな風に話せるまでには途方もなく時間がかかるのに 108 どこにも属さないなんて、価値のあることじゃない。それだけ。超簡単。したくないことでしか構成されてない。それでは前に進めない 115 わざと声をあげて泣いた。そうすることで、自分が何か持っていたような気になれた。 123 私が知りたいのは病状じゃなく、死んじゃうのか生きているのかだった 163 みっともないとかやりたくないこともやらなきゃいけないときはあるよ 168 ボランティアは見返りを求めない 169 言いたいことがたくさんあって、間違いを糾弾したくてーそれがうらやましかった 178 タケダくんと過ごした日々は、今思い返せば、きれいだった。未練でも後悔でもなく、ただそう思った。 193 いろいろありがとう、という言葉は、感謝の言葉には聞こえなかった。本当にさようなら、と聞こえた。 222 結婚が、ひとりで引き受けることだと気づいていれば、あのとき結婚できたかもしれない。結婚は共同作業のような気がしていたけど、何歳の誰と結婚したって、それは一人の決断、作業、責任。チサトはそういうものを全て受け入れているようで、大人に見えた。 223 結婚は手品のように幸せを取り出したりはしない、誰だってひとりずつで参加しなくてはならないのだ、人生というものに。 258 この騒がしさ、愚かさこそ、母が手に入れたいと願ったものだ

Posted byブクログ

2012/09/22
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売れっ子作家の角田さんは明らかに「持ってる」側の人なのに、何でこんなに上手く書けるのかなぁ?だから売れっ子なのか…。

Posted byブクログ

2012/08/05

37歳、独身、下北沢で古着屋を経営するハナが、不安を抱えながら自らの生き方を模索する物語。私はハナとは一回りも年齢が違うけど、もやもやしたハナの思いに共感できた。 元彼のタケダくんに、「したくないって言い続けてたら、そこにいるだけ。その場で駄々こね続けるだけ」と言われ、共同経営...

37歳、独身、下北沢で古着屋を経営するハナが、不安を抱えながら自らの生き方を模索する物語。私はハナとは一回りも年齢が違うけど、もやもやしたハナの思いに共感できた。 元彼のタケダくんに、「したくないって言い続けてたら、そこにいるだけ。その場で駄々こね続けるだけ」と言われ、共同経営者のチサトが昔2人で嫌っていたブランドの販売を始め、母が倒れ、そんな中でハナは、古着で作る絵本を始めてみたり、自分の道を模索する。 結局先の見えないままで物語は終わったけど、ハナが最後に、「なんにもつかみとっていない、なんにも持っていないーーそれはつまり、これからなんでもつかめるということだ。間違えたら手放して、また何かつかんで、それをくりかえして、私はこれを持っていると言えるものが、たったひとつでも見つかればいいじゃないか。それがたとえ六十歳のときだって、いいじゃないか。」という言葉に幾分か救われた気がした。 まだまだこれから、だよね。

Posted byブクログ

2012/08/01

収まれない、かといって夢を追いかける情熱があるわけでもない。「いい歳して何も持っていない自分」というのがとても刺さった。37歳になったらまた読み返したい。

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2012/07/31

誇りを持てる仕事をもち確固たる居場所を社会の中で築いたハナ。他方、フィアンセ?のタケダ君はというと今ひとつパッとしない。独りよがりと空回りは何とも悲しく滑稽。迷いなく一直線に飛び込んでいける男とはとても言えない。結婚への揺れる思いが手く掬い上げられている1章。2章以降は、仕事、家...

誇りを持てる仕事をもち確固たる居場所を社会の中で築いたハナ。他方、フィアンセ?のタケダ君はというと今ひとつパッとしない。独りよがりと空回りは何とも悲しく滑稽。迷いなく一直線に飛び込んでいける男とはとても言えない。結婚への揺れる思いが手く掬い上げられている1章。2章以降は、仕事、家庭、友、親子、自己、さまざまな関係性が重層的に絡みながらハナを苛む。いずれも世相を反映した社会の象徴的断面。自分は一体何をしたいのか。何か残せたのか。共感をもって自問した。

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2012/06/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

年を無為に重ねる恐怖をひしひしと感じた。欲しいものは何だろう、誰が持っているんだろう、なんで自分は持ってないんだろう。 誰かと一緒にいなければ孤独が不安になるけど、誰かといても物足りない。 どちらも恐い。 ただ、それは悪いことじゃないし、もっとのびのびと色んなことをしていいんだよね、と最後は思える、怖くもありほろ苦くもあり、けど胸に迫る優しい物語。 主人公ハナの母が亡くなる場面。冷蔵庫に眠るケーキの材料と、和室にたくさんの子供服。 誰もがそんな思い出って持ってる。 絶対に戻れないからこそ大事な、母と幼き自分。 おそらく作品のテーマの本筋とは違うかもしれないんだけど、私はこの母のエピソードが一番好き。

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2012/05/23

かなり好き。 ハナちゃんのグズグズした煮え切らない所とか。 何年かしたらもう一度読みたいと初めて思った本。

Posted byブクログ

2012/04/28

主人公のハナのように、したくないことはしないで、好きなことだけやっていれば自由で良さそうですが、ハナとは生活環境が違っていても、ハナの気持ちに共感できる作品でした。

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2012/07/26

37歳独身、学生時代に出会ったチサトと共同経営で古着屋を営むハナは、恋人のタケダくんに「ちゃんとしてやんなきゃ」と唐突に結婚を宣言され、喜べない自分に気づく。むしろ「なんかつまんねえや」という思いをかき消すことができず、結局タケダくんと疎遠に…。 やりたくないことはやらない、そう...

37歳独身、学生時代に出会ったチサトと共同経営で古着屋を営むハナは、恋人のタケダくんに「ちゃんとしてやんなきゃ」と唐突に結婚を宣言され、喜べない自分に気づく。むしろ「なんかつまんねえや」という思いをかき消すことができず、結局タケダくんと疎遠に…。 やりたくないことはやらない、そうやっていたら結局何も持っていない、そんな自分を持て余しもがくハナ。チサトの結婚で一人取り残されてからキリエと急速に親しくなるものの、キリエたち独身女性のトークにも違和感を感じる。 ひとつひとつのハナの心の浮き沈みがやたらリアルで、自分とまったく立場の異なるハナなのに、妙に共感してしまった。どちらかといえば、たとえば妹のナエであったりチサトであったりのほうが近い部分があるのに、分かる分かる、と思えるのが不思議だ。

Posted byブクログ