ブラック・スワン(上) の商品レビュー
● 七面鳥の最初の1000日を観察した(しかし1001日目の衝撃は見ていない)人なら、大きな事象、つまり黒い白鳥がいる可能性があると示す証拠はないと言うだろう。まったくそのとおりだ。でも、よく注意していないと、この命題と、黒い白鳥がいる可能性はないと示す証拠があるのとを混同してし...
● 七面鳥の最初の1000日を観察した(しかし1001日目の衝撃は見ていない)人なら、大きな事象、つまり黒い白鳥がいる可能性があると示す証拠はないと言うだろう。まったくそのとおりだ。でも、よく注意していないと、この命題と、黒い白鳥がいる可能性はないと示す証拠があるのとを混同してしまう。 ● 「保守派の連中はだいたいバカだなどと言うつもりは決してない。言いたいのは、バカの連中はだいたい保守派だということだ。」ジョン・スチュアート・ミル ● 私が言っているのは、裏づけになる事実をいくら集めても証拠になるとは限らないということだ。白い白鳥をいくら見ても黒い白鳥がいないことの証拠にはならない。 ● だから、楽しく暮らすには小さな「ポジティブ感情」をできるだけ長い間にわたって均等に配分するのがいい。まあまあのいいニュースがたくさんあるほうが、ものすごくいいニュースが一回だけあるよりも好ましいのである。 ● 私たちは説明をほしがる動物で、ものごとにはすべて特定可能な原因があると思い、一番わかりやすい話を唯一の説明だと思って、それに飛びつく。でも、目に見えるなぜならなんて、ないかもしれない。むしろまったく逆で、説明なんてなんにも、ありうる説明の範囲なんてものさえなかったりする。 ● 「賢者とは、将来に起こることが見える人のこと」とよく言う。でもたぶん、賢者とは、遠い将来に起こることなんか見えるもんじゃないと知っている人のことだ。
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ちょっとしつこい位、統計学の問題点を指摘。もうちょっと不確実性や外れ値に関しての説明を分厚くして欲しかった・・・
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評論家はぜんぜんわかってくれないっていうコメントが出てくるのでもしかしたら私もわかってないのかも知れないなぁという不安はひしひし
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決断し、行動するためのメンタルブロックを、簡単に粉砕するための1冊 http://cyblog.jp/modules/weblogs/2382
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(2009/9/29読了)すいません私は上巻で挫折します。全米ベストセラーということだし同じ著者の「まぐれ」も良書だという話ですが、私のツボにははまらなかった・・・
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2009/09/22 購入 2009/09/25 読了 ★★★ 2024/06/30 読了 ★★★
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読んでいて示唆に富んでいたり、面白い点は多かったものの、作品全体として見たときに「じゃあ、一体何が言いたいんだろう?」という感じだった。 本書は、一般的な経済書というよりは、著者自身が本文で書いていたとおりエッセイなのだろう。そう考えれば、なんとなく雑然とした構成も理解できるし...
読んでいて示唆に富んでいたり、面白い点は多かったものの、作品全体として見たときに「じゃあ、一体何が言いたいんだろう?」という感じだった。 本書は、一般的な経済書というよりは、著者自身が本文で書いていたとおりエッセイなのだろう。そう考えれば、なんとなく雑然とした構成も理解できるし、知識人たちをこき下ろしているものそれなりに痛快ではある。 どうしてこの本がアメリカで100万部以上も売れたのか不思議でしかたない。というのも、本書の内容は決して万人が理解でき、且つ読みやすいものではないと思ったからである。この点は、僕個人の知的レベルが低いのか、理解力が乏しいのか、あるいはアメリカの一般ピーポーがこの分かるようアン分らないような作品を読むことによって、知的虚栄心が満たされるからなのか、良く分からない。 そういった意味では、読んでみても損はない作品かもしれない。とにかく僕にとっては微妙で印象的な1冊であった。
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※上・下巻込みのレビューです 20世紀後半〜21世紀は「非線形」・「不確実をいかに評価するのか?」が学問、世の中の主流になるんじゃないか、とは頭の片隅にはあった。 物理学は、20世紀の段階で古典力学の範囲からすでに離れていた。経済学は理想的すぎてしっくりこない。金融は実際崩壊を...
※上・下巻込みのレビューです 20世紀後半〜21世紀は「非線形」・「不確実をいかに評価するのか?」が学問、世の中の主流になるんじゃないか、とは頭の片隅にはあった。 物理学は、20世紀の段階で古典力学の範囲からすでに離れていた。経済学は理想的すぎてしっくりこない。金融は実際崩壊を起こしたし、予想が外れることはままあることだ。でも、僕らは20世紀の考え方(著書は、それを「ガウス的」と呼んでいる。)に染まっている。経済なんてバカでかいものに統計学の知識をつぎ込む。回帰直線を何となく引いてみたり。 分からない事なんて世の中にたくさんある。21世紀には21世紀の思考方法がある。そんな危機感をあおってくれる本。 また、経済学が嫌いになった。
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前作もすごくよかったが、これまたすごく良い。ここ数年では間違いなく一番の書き手だろう。前作について、「これは私が書きたかった本だ」と言った人がいたというエピソードが紹介されているが、全く同感。しかし、ポパーからモダンポートフォリオ理論、行動経済学、マンデルブロと次々繰り出される博...
前作もすごくよかったが、これまたすごく良い。ここ数年では間違いなく一番の書き手だろう。前作について、「これは私が書きたかった本だ」と言った人がいたというエピソードが紹介されているが、全く同感。しかし、ポパーからモダンポートフォリオ理論、行動経済学、マンデルブロと次々繰り出される博覧強記ぶりと、突き放したような書きっぷりは感動すら覚える。本書では、前作をより噛み砕いて、月並みの国というガウス分布で説明可能な世界と果ての国というべき分布の国の違い、そして、なぜヒトの思考は懐疑主義の立場を取り、べき分布の存在を仮定することができないのか、これでもかというくらいに語られる。・帰納的知識とは何が問題か七面鳥が毎日エサをもらっている。七面鳥は人類の中で最も親切な人に飼われていると思い込み、その確からしさは日々増していく。感謝祭の前の水曜日の午後、思いもしなかったことが七面鳥の身にふりかかり、その信念は覆される
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「まぐれ」の著者が書いた不確実性についての一冊。行動経済学とも密接に関わっており、パーソナルファイナンスにも役立つ一冊。
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