傷はぜったい消毒するな の商品レビュー
著者曰く、消毒して乾かすことは却って皮膚のダメージを深刻にするとともに、長期化してしまうという。逆に患部を湿潤状態に保つことで人間の本来持つ抗体機能が力を発揮し自然に殺菌消毒を促進するのだ。
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この本はすごいぞ! こんな画期的な治療方法を普及させないのは、なにより患者にとって良くない。 しかし医学界の旧態依然とした体質にはあきれるしかない。 脚気治療にオリザニンを発見しながらの森鴎外みたいなお馬鹿医師に邪魔された鈴木梅太郎や、学歴がなかったばかりに学...
この本はすごいぞ! こんな画期的な治療方法を普及させないのは、なにより患者にとって良くない。 しかし医学界の旧態依然とした体質にはあきれるしかない。 脚気治療にオリザニンを発見しながらの森鴎外みたいなお馬鹿医師に邪魔された鈴木梅太郎や、学歴がなかったばかりに学閥に縛られた日本を出るしかなかった野口英世の悲劇は遠い昔の話ではないようだ。 幸いな事にこの治療法は個人でも簡単にできてしまう。一家に一冊の必需品だ。 擦傷や軽度な火傷で医者(特に大病院)に行くのは止めたほうがいい。傷痕が後々まで残るだけだ。
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面白かった!ケガをすると当たり前の様に消毒し、乾燥させて治るのを待つ…。そんな治療の常識を根本から覆す湿潤治療を考案し実践している医師による一冊。日常生活でできる大抵の擦り傷、切り傷、火傷などのケガは消毒せず、患部を乾燥しない様な被覆材で保護するだけで治ってしまうという。治癒過程...
面白かった!ケガをすると当たり前の様に消毒し、乾燥させて治るのを待つ…。そんな治療の常識を根本から覆す湿潤治療を考案し実践している医師による一冊。日常生活でできる大抵の擦り傷、切り傷、火傷などのケガは消毒せず、患部を乾燥しない様な被覆材で保護するだけで治ってしまうという。治癒過程の仕組みも理論的に説明していて、説得力がある。また大学病院など既存の権威ではこの画期的な治療法が受け入れられないという問題から、医学のパラダイムにまで話は及ぶ。このパラダイムシフトは医学以外の分野にも当てはまり、示唆に富んでいる。
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傷を消毒するというパラダイム(ある時代や分野において支配的規範となる物の見方や捉え方のこと)に関連づけ、シャンプーや化粧についてもなぜいけないのかということを細菌の性質などを交えてわかりやすく述べている。この本を読む2日前に夏井さんが本校を訪れたのだが、その時の特別講義でしゃべっ...
傷を消毒するというパラダイム(ある時代や分野において支配的規範となる物の見方や捉え方のこと)に関連づけ、シャンプーや化粧についてもなぜいけないのかということを細菌の性質などを交えてわかりやすく述べている。この本を読む2日前に夏井さんが本校を訪れたのだが、その時の特別講義でしゃべっていたことが本に書いてあることとほとんど一致して驚いたw 当たり前と思って偏った見方をするのは危険ですのう
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[ 内容 ] ケガをしたら、消毒して乾かす、が世間の常識。 しかし著者によれば、消毒は「傷口に熱傷をかけるような行為」だという。 傷は消毒せず、乾燥させなければ、痛まず、早く、しかもきれいに治るのである。 著者は、今注目の「湿潤治療」を確立した形成外科医である。 その治癒効果に驚...
[ 内容 ] ケガをしたら、消毒して乾かす、が世間の常識。 しかし著者によれば、消毒は「傷口に熱傷をかけるような行為」だという。 傷は消毒せず、乾燥させなければ、痛まず、早く、しかもきれいに治るのである。 著者は、今注目の「湿潤治療」を確立した形成外科医である。 その治癒効果に驚いた医師らにより、湿潤治療は各地で広まっている。 しかし肝心の大学病院などでは相変わらず、傷やヤケドを悪化させ、治りを遅らせ、患者に痛みと後遺症を強いる旧来の治療が行われている。 なぜ、医学において生物学や科学の新しい成果は取り入れられないのか。 本書では医学界の問題点も鋭く検証。 さらに、生物進化の過程をたどりつつ見直した、皮膚という臓器の持つ驚くべき能力について、意欲的な仮説を展開しながら解説する。 [ 目次 ] 第1章 なぜ「消毒せず、乾かさない」と傷が治るのか 第2章 傷の正しい治し方 第3章 ケガをしたら何科に行く? 第4章 私が湿潤治療をするようになったわけ―偶然の産物 第5章 消毒薬とは何か 第6章 人はなぜ傷を消毒し、乾かすようになったのか 第7章 「化膿する」とはどういうことか 第8章 病院でのケガの治療―ちょっと怖い話 第9章 医学はパラダイムの集合体だ [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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身体を守る皮膚を生体として捉えて説明されている。 なぜ皮膚を守るの為に「脂」が必要なのか再確認出来た。
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2010年10月読了 Infectionの文字に怯えてる私に、光明が… 翻って自分、美顔エステ…ダメ?!(笑)
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テーマはパラダイムシフト。マキロン世代の私としては、傷は「汚れを落として、マキロン、バンドエイド、かさぶたができたらほっとする」ですが、この本によると「傷は消毒しない、創面を乾燥させない」ということ。どうしてそうするのかを「科学的」に解説してあります。 『生物と無生物の間』の福島...
テーマはパラダイムシフト。マキロン世代の私としては、傷は「汚れを落として、マキロン、バンドエイド、かさぶたができたらほっとする」ですが、この本によると「傷は消毒しない、創面を乾燥させない」ということ。どうしてそうするのかを「科学的」に解説してあります。 『生物と無生物の間』の福島さんとは文体が異なりますが、自分の体が解明されていくのは面白いです。 何よりも、パラダイムシフト。頭でわかっても実践するのは難しい。特に毎日することだと難しい。食事や、その他の生活様式。 世間が真逆だと、シフトするほうが正しいとわかっていても、今までのやり方を続けてしまいがち。 最初から、正しいことが広まっていればいいのにな・・・。
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201008/ 人体を構成するあらゆる細胞も乾燥状態ではすぐに死んでしまう。だから傷を治すためには乾燥は大敵だ/ 「情報は共有されてこそ価値がある」「共有されない情報には価値がない」「情報を無償提供すればするほど情報が集まってくる」/ 外来とは本来、手術をした患者の経過観察をする...
201008/ 人体を構成するあらゆる細胞も乾燥状態ではすぐに死んでしまう。だから傷を治すためには乾燥は大敵だ/ 「情報は共有されてこそ価値がある」「共有されない情報には価値がない」「情報を無償提供すればするほど情報が集まってくる」/ 外来とは本来、手術をした患者の経過観察をすることと新たな手術を要する患者を発見することがメインの業務/ クリーム性薬剤の基材に使われている界面活性剤は細胞膜を直接破壊してしまう/ アトピーや乳児湿疹のほとんどが白色ワセリンとプラモイストだけで治っている。治療方法は単純明快で、乾燥を徹底して防ぐこと、これだけである。/ 【1】痒みのある部位にたっぷり白色ワセリンを塗布して時間をかけて十分にすり込む。【2】キッチンペーパーなどでごしごしと余分なワセリンをふき取り、べたつきを完全に取る。要するに床や車のワックスがけの要領である。【3】これを1日に数回繰り返す/ 人間の皮膚から分泌される物質で温水で溶けないものはない/
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傷の治療方法から話を広がり、パラダイムの構築、崩壊への考察、細菌、生物進化と壮大な話への展開となり大変面白く読ませていただいた。
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