蝿の王 の商品レビュー
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序盤は少年たちが残された島の描写がとにかく豊かで、特に一日の内の陽の光の差し込み方、肌に感じる熱さの変化と、それに反射して様々な色を見せる海の表現が素晴らしかった。 読んでいて南国のリゾートを思わせる一方で、 多分不慮の事故で行き着いてしまったであろう少年たちの、読者からすると詰み状態、のアンバランスさが 印象的。 そして醍醐味はなんと言っても、 「性悪」さをまざまざと描いているところ。 最後の大人が来た時の イギリス人ならもっと上手くやれるだろ のセリフが如実に表していて、 読んでいる側も「お前の本当はなに?」と 喉元にナイフを突きつけられる感じ。 最後の解説を読んで作者の生きた時代背景も知り、納得。 答えがないので好みが分かれるだろうが、 考えさせられる系が好きな人は好きだと思う。
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大学の講義で知って以来いつか読みたいと思ってたから、やっと読めてよかった! 授業で学んだからどうしてもメタっぽい読み方にはなったけど、それでもストーリーにかなり引き込まれた。特に終盤の怒涛の展開は印象的で、一気に読み進めてしまった…! 子どもたちだけの無人島という設定だからこそ、人間の本質がくっきりと浮かび上がる小説だなと思う。 性悪説的な人間観があるストーリーで、無人島での出来事を見ると、戦争に至る過程ってこうなんだろうなと実感しちゃう場面も多かったかな。最初は小さな意地悪や排除なのに、それが徐々に広がって、気づいたら集団としての悪意が一気に膨らんでいく流れが現実味あって怖かった この小説はとにかく登場人物の描写がリアルだなと思う。主人公のラルフは正しい側ではあるけれど、序盤ではピギーを軽く扱っていたりして、完全な善ではないところが印象的だった。誰かを下に置くことで自分の安全を保とうとする人間の弱さを感じちゃったかも 一方で、もう一人の主人公のピギーは、最初から最後まで理性的な人物として描かれているけど、それでも最終的には集団の暴力性にやられる結末から、人の理性や善意だけで物事を進めることの限界も感じさせられたかな あと面白いなと思ったのは、隊長がピギーではなく、体格や印象の良いラルフである点。見た目や雰囲気の良さも、人を動かす大きな力になるのだと改めて思った
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海とか島の様子を表す表現が、色々とややこしくて難しい。何度も諦めかけた。 話はこども達の気持ちの変化とかが上手に書かれていて、ハラハラと読み進めて面白かった。
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野蛮と知性、子供と大人の対比が入り混じる。 追われていた少年が突然ボーイスカウトのリーダーみたいになるところが、文明と野生の切り替えって感じで鮮やか
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島のジャングルの描写がわかりにくくて、挫折しそうになりながら読んだ。 蝿の王とはなんなのか、いまいち理解できなかったが、少年たちの暴力性が恐ろしかった。 ラーフとジャックの対立はわかったが、サイモンとロジャーの意味するものとは? 一読ではなかなか理解が追いつかなかった。
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戦後最も重要な物語のひとつとされる作品だけれど,この歳になって初めて読む。 グイグイと先を読みたくなるので,やはり名作なのだとは思うけれど、漂流記の形をとった社会構造批判と言われればそうなのかとも思う。ピギーの不幸の理不尽さや、ジャックのポピュリズム、大衆迎合的な煽動は、いまの商...
戦後最も重要な物語のひとつとされる作品だけれど,この歳になって初めて読む。 グイグイと先を読みたくなるので,やはり名作なのだとは思うけれど、漂流記の形をとった社会構造批判と言われればそうなのかとも思う。ピギーの不幸の理不尽さや、ジャックのポピュリズム、大衆迎合的な煽動は、いまの商業主義や政治の有り様みたいだし、といってラルフの烽火にこだわる正義というのもわかりにくいのかもしれない。最後はわずかに「大人」が現れるけれど、この社会に「大人」が出現するわけもなく、解決策もなく立ちすくむだけなのか、考えさせられるな。 「蠅の王」とは聖書に描かれる悪魔ベゼルブブのことらしいが、ここら辺のヘブライ人とペリシテ人の風習の違いからの罪のニュアンスは、東アジア的価値観のオレにはなかなか理解できないところだ。
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孤島に不時着した飛行機の生存者は少年たち。彼らは無人島の中で派閥を作り殺し合いを始める。秩序とその崩壊を通して現代社会の縮図を描き出した名作。十五少年漂流記から蝿の王が生まれ、近年の小説や映画に影響を与えてきたことは一目瞭然。秩序を失った社会では良心も常識も通用しない。神も悪魔も...
孤島に不時着した飛行機の生存者は少年たち。彼らは無人島の中で派閥を作り殺し合いを始める。秩序とその崩壊を通して現代社会の縮図を描き出した名作。十五少年漂流記から蝿の王が生まれ、近年の小説や映画に影響を与えてきたことは一目瞭然。秩序を失った社会では良心も常識も通用しない。神も悪魔もいない。ただ野生に戻った彼らを通して様々なことを考えさせられる
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貴志祐介のエッセイに出てきたので読んでみた。 世界大戦後まもなく世に出たことを考えると、作者がこの寓話で表したかったものが薄っすら見えてくるような。でも現実で既に日々辛いことと直面している大人としては、読むのが途中でしんどくなる。少年たちの無邪気なやり取りの体裁をとっているが、そ...
貴志祐介のエッセイに出てきたので読んでみた。 世界大戦後まもなく世に出たことを考えると、作者がこの寓話で表したかったものが薄っすら見えてくるような。でも現実で既に日々辛いことと直面している大人としては、読むのが途中でしんどくなる。少年たちの無邪気なやり取りの体裁をとっているが、そこにちょいちょい人間の暗黒面が現れるものだから。 病気や体格のことで、明らかに優劣をつける発言を認める書き方が地の文でされているのも辛い。時代だとか、当たり前に出てくる差別だとか言ってしまえばそれまでだが、ただでさえ現実は容赦ないのだから、小説の中でくらい救われたい。唯一の良心はサイモンだが、早々に舞台を退場するものだから結局登場人物の誰にも感情移入できない。正に地獄、題名は非常にシンボリック。
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「どうせなら面白い本が読みたい」 怪我のため、メンバー漏れした私が幼馴染に頼んだ本。 もうちょっと優しい本を期待していた春… 怪我をした高2の時点で文庫本なんて読んだこと無かった。 彼女が持ってきたこの本、後で親父に「いい趣味だな」なんて、言われたけど、俺の功績ではないの...
「どうせなら面白い本が読みたい」 怪我のため、メンバー漏れした私が幼馴染に頼んだ本。 もうちょっと優しい本を期待していた春… 怪我をした高2の時点で文庫本なんて読んだこと無かった。 彼女が持ってきたこの本、後で親父に「いい趣味だな」なんて、言われたけど、俺の功績ではないので、複雑…
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えーっと。 何かの本で、SF小説を勧める一つとしてこの本があったと思ってずっと読みたかったんだが。 なんじゃこりゃ。 子供達の残酷さで色んなことを寓してる意図は判るが。 文章が読みづらいというか子供っぽいことも含めて、別段生涯出会わなくても問題はない。
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