蝿の王 の商品レビュー
島のジャングルの描写がわかりにくくて、挫折しそうになりながら読んだ。 蝿の王とはなんなのか、いまいち理解できなかったが、少年たちの暴力性が恐ろしかった。 ラーフとジャックの対立はわかったが、サイモンとロジャーの意味するものとは? 一読ではなかなか理解が追いつかなかった。
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戦後最も重要な物語のひとつとされる作品だけれど,この歳になって初めて読む。 グイグイと先を読みたくなるので,やはり名作なのだとは思うけれど、漂流記の形をとった社会構造批判と言われればそうなのかとも思う。ピギーの不幸の理不尽さや、ジャックのポピュリズム、大衆迎合的な煽動は、いまの商...
戦後最も重要な物語のひとつとされる作品だけれど,この歳になって初めて読む。 グイグイと先を読みたくなるので,やはり名作なのだとは思うけれど、漂流記の形をとった社会構造批判と言われればそうなのかとも思う。ピギーの不幸の理不尽さや、ジャックのポピュリズム、大衆迎合的な煽動は、いまの商業主義や政治の有り様みたいだし、といってラルフの烽火にこだわる正義というのもわかりにくいのかもしれない。最後はわずかに「大人」が現れるけれど、この社会に「大人」が出現するわけもなく、解決策もなく立ちすくむだけなのか、考えさせられるな。 「蠅の王」とは聖書に描かれる悪魔ベゼルブブのことらしいが、ここら辺のヘブライ人とペリシテ人の風習の違いからの罪のニュアンスは、東アジア的価値観のオレにはなかなか理解できないところだ。
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孤島に不時着した飛行機の生存者は少年たち。彼らは無人島の中で派閥を作り殺し合いを始める。秩序とその崩壊を通して現代社会の縮図を描き出した名作。十五少年漂流記から蝿の王が生まれ、近年の小説や映画に影響を与えてきたことは一目瞭然。秩序を失った社会では良心も常識も通用しない。神も悪魔も...
孤島に不時着した飛行機の生存者は少年たち。彼らは無人島の中で派閥を作り殺し合いを始める。秩序とその崩壊を通して現代社会の縮図を描き出した名作。十五少年漂流記から蝿の王が生まれ、近年の小説や映画に影響を与えてきたことは一目瞭然。秩序を失った社会では良心も常識も通用しない。神も悪魔もいない。ただ野生に戻った彼らを通して様々なことを考えさせられる
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人間は「最終的に達成したいが日々の欲求を満たせない目標」を集団で目指すのはとても難しく理性の強さや教養の豊かさを求められるのに対し、豚を狩猟して食べるという「眼前に迫った生存欲求を満たす目標」のためには安易に流されてしまい、最終的に達成したいはずの目標を忘れてしまうという教訓を得...
人間は「最終的に達成したいが日々の欲求を満たせない目標」を集団で目指すのはとても難しく理性の強さや教養の豊かさを求められるのに対し、豚を狩猟して食べるという「眼前に迫った生存欲求を満たす目標」のためには安易に流されてしまい、最終的に達成したいはずの目標を忘れてしまうという教訓を得た。 どうせならばもっと残酷な結末にでもしてくれと思ってしまった。
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貴志祐介のエッセイに出てきたので読んでみた。 世界大戦後まもなく世に出たことを考えると、作者がこの寓話で表したかったものが薄っすら見えてくるような。でも現実で既に日々辛いことと直面している大人としては、読むのが途中でしんどくなる。少年たちの無邪気なやり取りの体裁をとっているが、そ...
貴志祐介のエッセイに出てきたので読んでみた。 世界大戦後まもなく世に出たことを考えると、作者がこの寓話で表したかったものが薄っすら見えてくるような。でも現実で既に日々辛いことと直面している大人としては、読むのが途中でしんどくなる。少年たちの無邪気なやり取りの体裁をとっているが、そこにちょいちょい人間の暗黒面が現れるものだから。 病気や体格のことで、明らかに優劣をつける発言を認める書き方が地の文でされているのも辛い。時代だとか、当たり前に出てくる差別だとか言ってしまえばそれまでだが、ただでさえ現実は容赦ないのだから、小説の中でくらい救われたい。唯一の良心はサイモンだが、早々に舞台を退場するものだから結局登場人物の誰にも感情移入できない。正に地獄、題名は非常にシンボリック。
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「どうせなら面白い本が読みたい」 怪我のため、メンバー漏れした私が幼馴染に頼んだ本。 もうちょっと優しい本を期待していた春… 怪我をした高2の時点で文庫本なんて読んだこと無かった。 彼女が持ってきたこの本、後で親父に「いい趣味だな」なんて、言われたけど、俺の功績ではないの...
「どうせなら面白い本が読みたい」 怪我のため、メンバー漏れした私が幼馴染に頼んだ本。 もうちょっと優しい本を期待していた春… 怪我をした高2の時点で文庫本なんて読んだこと無かった。 彼女が持ってきたこの本、後で親父に「いい趣味だな」なんて、言われたけど、俺の功績ではないので、複雑…
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えーっと。 何かの本で、SF小説を勧める一つとしてこの本があったと思ってずっと読みたかったんだが。 なんじゃこりゃ。 子供達の残酷さで色んなことを寓してる意図は判るが。 文章が読みづらいというか子供っぽいことも含めて、別段生涯出会わなくても問題はない。
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久々に心の奥底から震えた一品。こういうものを私は読みたかったのかもしれない。 あまりにも深すぎる作品で、一度読んだだけでは作者が意図したものを読み取るのはとても難しい。それほどまでに奥深さを感じさせる作品。意味深な展開が続くわけではなく登場するのも少年達ばかりだ。彼らは自分...
久々に心の奥底から震えた一品。こういうものを私は読みたかったのかもしれない。 あまりにも深すぎる作品で、一度読んだだけでは作者が意図したものを読み取るのはとても難しい。それほどまでに奥深さを感じさせる作品。意味深な展開が続くわけではなく登場するのも少年達ばかりだ。彼らは自分の心に素直に行動する。 少年達はまず纏まる為に集団の中にリーダーを作ろうとする。そのとき媒介となったのは白い法螺貝でこれは子供心を擽る品だろう。これは他者が羨むアイテムであるが中身はない。次に出てきたのが贅沢な食料としてのブタ。これは青果物に比べれば少年にとってとても美味しい食料だ。しかし力を持つ一部の者しか豚を捕獲する事はできない。豚を炙るために火が必要とされたがそれは虐められっ子がつけていた眼鏡をルーペ代わりに使うことによって果たされ、更には救助信号の焚き火をつけるのにも役立つのだ。これは『火』を手に入れたことで他の生物より進化出来た人類の姿を思い起こさせる。そして最後には人狩り(戦争)が始まってしまうのだ。 もう一つ、特徴として上げられるのは舞台が無人島だけという点。物語は墜落後から始まり、終盤も少年達が島から出たという明確な描写は無い。ある意味では少年達は無人島に完全に囚われたままともいえる。 この作品で書かれているのは恐怖の物語ではない。あくまでも人間を書いているに過ぎない。解説に記されている『子供たちが要するに小さな大人だということだ』という文が妙に印象に残ってしまっている。
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原爆戦争勃発!イギリスから疎開する少年たちを乗せた航空機が、南太平洋の孤島に不時着した。戦争をよそに豊富な食料に恵まれた無人島は大人のいない楽園に見えたのだが…。内部抗争から凄惨な闘争へ、漂流する少年たちは心の底に潜む野性に目覚め、無益なっ殺戮を繰り返す。極限状況のもとで獲得した...
原爆戦争勃発!イギリスから疎開する少年たちを乗せた航空機が、南太平洋の孤島に不時着した。戦争をよそに豊富な食料に恵まれた無人島は大人のいない楽園に見えたのだが…。内部抗争から凄惨な闘争へ、漂流する少年たちは心の底に潜む野性に目覚め、無益なっ殺戮を繰り返す。極限状況のもとで獲得した新しい秩序とその崩壊をとおして、人間と社会のあり方を諷刺的に描く衝撃の名作。<裏表紙>
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
蠅の王 読もうと思ったきり、ずいぶん放置してしまった。 暗澹たる気持ちになる本の部類としては、ずんずん読み進めることができた。 もちろん気が重くなる内容の本だが、リズムがいいのだと思う。 某文学ブログで、内容の構成がすばらしいと絶賛されていたが、このことだろうか。 ラーフとジャック、どちらが悪いかと言えば、断然ジャックだと思う。 しかしながらラーフも意固地なところが目に付いた。 そんなところから少年らしさを感じる。 ジャックの蛮族化は豚を狩ったところから始まったように思う。ジャックの仲間は彼に感化され、顔に泥を塗りたくる。 物語の結末で仕官に発見された彼らだが、蛮族の格好をし、仲間同士で殺しあっているとは俄かには信じられなかっただろう。 ラーフの話を聞いても、本気にしているとは思えない。 ただ、「最初はうまくいっていた」と仕官も発言していることから、戦争をしている大人同士のことに思いをはせているように感じた。 『二年間の休暇』と本書、同じ状況に置かれたらどうなるかと考えたが、わからない。『二年間の休暇』と同じ展開になってほしいとは思うが、実際は殺しあってしまうのだろうか。 本書だけではなく、古典文学を読んだときに思うが、やはり聖書はすべての文学の下敷きだということ。(言い過ぎかもしれないが) 聖書は何度チャレンジしても途中で眠くなってしまう。 なんとか読了したいものである。
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