蝿の王 の商品レビュー
無人島に漂流した子供たちの物語。 極限状態に陥った時、人は本来の野生の姿を現す。 他人を蹴落としてでものし上がるもの、こずるく立ち回るもの、弱いものは強いものを探し群れ、強いものは虚勢をはる。 人が人していられるのは「死なない」という確証があるからなのかもしれない。 内容として...
無人島に漂流した子供たちの物語。 極限状態に陥った時、人は本来の野生の姿を現す。 他人を蹴落としてでものし上がるもの、こずるく立ち回るもの、弱いものは強いものを探し群れ、強いものは虚勢をはる。 人が人していられるのは「死なない」という確証があるからなのかもしれない。 内容としては私好みで大変面白いはずなのですが、翻訳が合わず、何を指しているかわからない箇所がいくつもありました。 残念です。
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閉鎖空間で肥大してしていく本能。少年というギミックは性悪説を強調しているのか。不自然な擬音だらけの文体が不満。
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あまりにも有名な本で、だいたいどんな話なのかは知っていて、もう今さら読むこともないだろうと思っていたのだけれど、キングの「アトランティスのこころ」がこれのオマージュになっていると知り、一応読んでみた。 ストーリーが単線的でアップダウンがなく、少年たちの関係も一方が一方にやられっぱ...
あまりにも有名な本で、だいたいどんな話なのかは知っていて、もう今さら読むこともないだろうと思っていたのだけれど、キングの「アトランティスのこころ」がこれのオマージュになっていると知り、一応読んでみた。 ストーリーが単線的でアップダウンがなく、少年たちの関係も一方が一方にやられっぱなしで、見せ場になる「蠅の王」はなんだか妙に宗教的な雰囲気が強く、あまり楽しめなかった。でもこれが、この手の話のひとつの源流なんだということは理解できた。
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恐ろしい世界の一端をかいま見ることのできる、そのような安全で無邪気な好奇心に駆られた野蛮さの発露が、現在の自分の安全を再保障するエンターテイメント性は、何ともいえず空恐ろしい。この物語を面白いと思ってしまう軽薄さと残酷さこそがベルゼブブでしょう。 個人的な話になってしまうけれ...
恐ろしい世界の一端をかいま見ることのできる、そのような安全で無邪気な好奇心に駆られた野蛮さの発露が、現在の自分の安全を再保障するエンターテイメント性は、何ともいえず空恐ろしい。この物語を面白いと思ってしまう軽薄さと残酷さこそがベルゼブブでしょう。 個人的な話になってしまうけれど、私自身も能力が秀でている訳でもないのにリーダーに推されること(あるいは、立候補すればすんなり通ってしまうこと)が子供の頃は良くありました。能力のないリーダーというのは、えてして、その構成員も自身と同程度の能力と熱意を持っているものと想定して行動しがちです。私は完全にその口で、それゆえに権威を示してみせる必要性が全く理解できませんでした。 リーダーは隣にピギー(できれば美少年)を。 それはよいとして、上記のような境遇からラーフに肩入れして読むと、ジャックとの攻防戦としてストーリーをたどっていくことになります。ジャックのような権威指向でおつむの弱い、そのくせ集団を率いる能力に抜群に秀でた人間は割と多くいます(名前からしてジャックですし。もちろん、名前も出てこないその他大勢の方が多いですけど)。そういう人間との戦いは、とても不毛ですがリーダーには必要なことです。私はいまだかつてうまく事を運べたことがないので、当然わくわくしながらラーフを応援します。それにもかかわらず、ラーフの何とふがいないことか(人のこといえませんが)。失策に続く失策、結局破滅を迎えてしまうのはとても人ごととは思えず、身につまされる思いで辛い気持ちになります。 この物語のどこに平穏さがあるのか、その序盤からして崩壊への予兆はそこかしこにあり、全体が不穏な雰囲気で覆われています。人間は状況次第で蠅の王に取り付かれてしまう、なんてのは嘘っぱちです。ラーフからみれば蠅の王はジャックその人であり、その他大勢は取り巻きの蠅ですらないのですから。サイモンは何やら重要な役割を与えられているようですが、単に蠅の王に魅入られる場面が描かれているにすぎません。敵か見方かというゲームでしかないのです。でも実は、ジャックを見方にできなかった時点で最初からゲームオーバーです。極限状況でもなんでもなく、日常的に行われている出来事であり、その大半はもっと残酷です。目を覆っているか、本当に気づいていないか、あまりにも無垢なその他大勢であるにすぎず、その方が幸せに人生を送れます。 本書で気に食わないところがいくつかあります。まず、少年たちがあまりにも純粋に大人を尊敬しているところ。中学生にもなろうという子供が大人を尊敬するなんて、今では考えられません。これは時代背景的には仕方のないところです。二つ目は、あまりにも実際の子供の言葉を忠実に文字にしているため、読みづらいところです。難しいことを言おうとして言いよどんだり、何度も同じことを言うのは、いかにもこの年代の子供たちにありがちな話し方ですが、文字に起こすといかにも文字情報の無駄遣いですし、必要以上に頭が悪いように感じられます。最後に、心理描写と必ずしも関係のない風景描写が多すぎて、かえって情景が浮かばないことです。これは小説として致命的ではないでしょうか。「意識の流れ」の手法も今となっては古くさいだけです。
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ホラー?なのか。 小説自体のパワーはところどころ感じたものの、どうも乗りきれなかった。 良い悪いは分かりませんが、”翻訳”文という印象が強くて自分には不自然な文章だったためだと思う。(海外作品は大抵そう感じる…)
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
正直背景描写がわかりずらい。眠くなってくる。それでも、少年たちの『無垢』が失われ始めるシーンや場面には、小説とは思えない怖さがあり、この小説が名著とされる理由もうなずける。
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つ、疲れた…疲れる本だった…。 背表紙のあらすじを読んで、バトルロワイヤル並みにえげつなく殺し合いかと思って、想像力offにして読んだんだけど…意外とそうでもなかった。 もっと丁寧に読めばよかったかなー? でも再読はチョットつらい。かも。 サバイバルどころかアウトドアでさえ苦手な...
つ、疲れた…疲れる本だった…。 背表紙のあらすじを読んで、バトルロワイヤル並みにえげつなく殺し合いかと思って、想像力offにして読んだんだけど…意外とそうでもなかった。 もっと丁寧に読めばよかったかなー? でも再読はチョットつらい。かも。 サバイバルどころかアウトドアでさえ苦手な私にはかなり苦痛、でした。
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衝撃的。子どもでさえも、いや子どもだからか、善と悪の生まれる瞬間をみた。ピギーがただ一人の真実だった。
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-無垢(イノセンス)の失われたのを、人間の心の暗黒を、ピギーという名前をもっていた真実で賢明だった友人が断崖から転落していった事実を、悲しみ、泣いた- 1990年に映画化されたのを観たのがきっかけで、小説も読みました。当時は新潮社文庫で、装丁は今の集英社のものよりずっと恐ろしげ...
-無垢(イノセンス)の失われたのを、人間の心の暗黒を、ピギーという名前をもっていた真実で賢明だった友人が断崖から転落していった事実を、悲しみ、泣いた- 1990年に映画化されたのを観たのがきっかけで、小説も読みました。当時は新潮社文庫で、装丁は今の集英社のものよりずっと恐ろしげでした。「蝿の王」とは「恐怖」「脅え」「悪意」「残酷さ」など人間の心の闇の象徴。中上健次の作品などにも引用されています。イメージとしては「十五少年漂流記」と「バトル・ロワイヤル」を足したかんじ。ただ「バトル・ロワイヤル」は殺したくないのに殺す話、「蝿の王」は殺す必要がないのに殺す話。どっちが怖いだろう?! 私は後者。性悪説に基づいていて防ぎようがないかんじ。子供だからこそ「暗闇」にも敏感だし引きずられるかも。特に子育て中の親は再読してもいい。
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周りの景色とかの描写が細かすぎて逆に分かりにくい。 あんまりない方が読書には良いと思うのに。 あまりにリアリティがありすぎて出版は出来ないって言われた、とか聞いたけどよく分からなかった。
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