かあちゃん の商品レビュー
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この人の本は安心して読める。 交通事故で、父と助手席に乗っていた上司が亡くなった。 母は上司とその家族への償いのために、楽しみにつながる事を止めた。 母が上司の墓参りをずーっと続けていた事を息子は知らなかったが、ある日母がお墓の前で倒れたとの連絡が入る。 見つけたのは亡くなった上司の娘だった。 その娘もいまは中学生の息子を持つ母だ。 その息子は自分がいじめに関わって、友人を自殺未遂に追い込んだことから登校拒否になっていた。 亡くなった人を忘れずにずーっとお墓参りを続けていた人の存在を知って、その中学生も変わっていく。 最後はハッピーエンドで終わる、ほんのりと温かい物語だ。
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やっぱり重松さん。感動させてくれました。 色んな「おかあちゃん」に対する想いが綴られていて最後の章は胸がじんじんしっぱなしてした。 自分の旦那さんの罪のため、一生笑わないと決めたお母さん。 きっとそれが辛いとも思わず当然の事のように してきたんだろうな。 その時に、自分の幸せも捨...
やっぱり重松さん。感動させてくれました。 色んな「おかあちゃん」に対する想いが綴られていて最後の章は胸がじんじんしっぱなしてした。 自分の旦那さんの罪のため、一生笑わないと決めたお母さん。 きっとそれが辛いとも思わず当然の事のように してきたんだろうな。 その時に、自分の幸せも捨てたんだろうな。 ふと、世の中の加害者家族も少なからずそんな 気持ちでいるのだろうか。と考えたりしまし た。 事故の加害者、いじめの加害者、被害者、その家族、様々な感情がとても胸にしみました。 はぁ。やっぱり重松さんはすごい。 感情の表現力が好きだなぁ。
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償い、がテーマかな。それと、子から母親への愛。「かあちゃん」というタイトルで、物語のなかにいろんな母親が出てはくるけど、この作品で大事に描かれているのは、母親から子どもへの無償の愛のほうよりもむしろ、子どもが母親を必要とする気持ちのほうだと思う。いじめや、事故、いろんなことでなに...
償い、がテーマかな。それと、子から母親への愛。「かあちゃん」というタイトルで、物語のなかにいろんな母親が出てはくるけど、この作品で大事に描かれているのは、母親から子どもへの無償の愛のほうよりもむしろ、子どもが母親を必要とする気持ちのほうだと思う。いじめや、事故、いろんなことでなにか自分に罪の意識を背負っているひとには、重みのある物語じゃないかな。親、とか、教師、とか、お手本にならなきゃいけないひともそう簡単にはいかないのよね。これって、中学生が読むのと、子を持つ大人が読むのとでは、いろいろ受け取り方も違ってくるのかもなあ。もし中学生の頃に読んでたら、いまとは違う作品として、でも違う意味で深く、心に刺さったかもしれない。ひとは一人では生きることはできなくて、年齢とともにそれはさまざまな側面が生まれるけども、心を支えてくれる存在は、たった一人でいい、自分に目を向けてくれて、大事ななにかを与えてくれたひと、それだけは絶対に必要なんだ。っていうのは重松作品のいたるところに込められてるメッセージ。親友とか、配偶者とか、親とか、先生とか、形はいろいろあれど、心を支えてくれる自分以外の誰かの存在っていうのは、生きる意味につながるのかもな。失敗したり、不幸があったり、人生は思うようにはいかないけれど、つまづきながらも、そこから逃げないで生きる姿に、必ずなにか力をもらうはず。オススメの1冊です。
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夫が起した事故で一緒に死んだ同僚の家族に償うため、30年近く笑うことをやめたかあちゃんと、死んだ同僚の孫の学校で起きたいじめを描いた短編集。いろいろなかあちゃんの姿が出てくるいい話。いい話すぎて面白くはないよね。。。シゲキヨとはやっぱり合わないかも。
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違う人の視点から……でもつながっている。一人ひとり抱えている問題は違う。けど人はそれらに全力で立ち向かう。そんな私たちを見守るように母がいる。母親ってすごい。私たちは母親から産まれ、育てられる。そこには父親もいるはずだけれど、精神的に大きな影響を与えているのは母親なのだと思う。
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とても心に残る物語でした。どこまでも自分を抑えてただただ償おうとする最初のかあちゃんが印象にのこりました。短編がつながって一つの物語になる・・重松さんの得意とされる手法でしょうか。 いじめや社会問題に興味がある人にすすめてみたいです。
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正調重松節炸裂の一人のおかあちゃんが26年間償い続けやがて死の間際になって赦されるまでのお話の間に、小さく6つのお話が繋がれていく長編。 まずは交通事故の被害者となった運転手の夫に遺された妻と息子という被害者遺族と、その同乗者として亡くなった職場の同僚の被害者遺族。 どちらも被害者なのに運転手の妻は加害者であることを生涯忘れず、笑わず、寝る暇も惜しんで働き、少しずつでも送金し、それでも余った時間は地域のボランティア活動で埋めることによって「一生償う人生」を歩む。 そんな哀しいおかあちゃんの話から始まります。 そこから各小節毎に主人公が変わりながらお話が繋がっていきます。 まずはいじめの対象になってしまった親友を見殺しにし更にいじめに加担してしまった本多君。 そのいじめを「見ないふり」することによって結果加担してしまっていた痴呆の進んだおばあちゃんと一緒に暮らす文香ちゃん。 いじめられていた黒川君の自殺未遂からの転校という最悪の自体に何も出来なかった「伝説の教師」を母に持つダメダメ教師の水原先生。 その水原先生を思いっきり見下しながらも育児と仕事の両立にムキになって毎日テンパりながら格闘してる福田先生。 父の会社のカネを横領してまで不倫相手に貢いだ結果離婚の危機に迫られている崩壊した家庭のストレスをクロちゃんに本多にぶつけたいじめの首謀者コージ。 いじめから発作的に手首を切って自殺未遂し転校したけどPTSDからくる過呼吸症候群に今も悩まされ続けている黒川君。 そして、償い続けたおかあちゃんが赦される話でこの長いお話は閉じられます。 この作品を読んで、改めて「償う」ということを考えました。 それは、「謝る」こととは根本的に違うということを。 そして償い続けるということは、自分の犯した罪を一生忘れないことだということを。 私にも犯してしまった一生忘れてはならない罪がいくつかあります。 これを忘れないことが大事なんだと、一生忘れずに自分で自分を責め続けなければいけないんだなと、再確認しました。 自虐的になるわけではなく、自分は過去にこういう過ちを犯してしまった人間なんだということを忘れずに生きて行かなければ、私は最低の人間になってしまう。 だから死ぬまで忘れずにいよう。 誰も私を責めなくても、私自身は過去の罪を忘れずにいよう。 忘れないことが最大の償いになるのだから。 400ページを超える長編ですが一人称が次々と変わり、そのことによっていじめによる自殺未遂へ至るまでの全貌が少しずつ理解できていくので、するすると読めます。 今いじめられているあなたへ、今いじめているあなたへ、是非読んでもらいたいと思わせる一冊です。
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娘が読書感想文のために借りてきた本。 やっぱり重松清の本は読みやすい。重いテーマを淡々と、静かに進めて行くので心に沁みます。 子供の心がどうなのか、ホントのところはわからないけど、同じ年頃の子どもを持つ母親として、覚えておきたいようなくだりがいっぱいでした。 いつも切なく哀しい...
娘が読書感想文のために借りてきた本。 やっぱり重松清の本は読みやすい。重いテーマを淡々と、静かに進めて行くので心に沁みます。 子供の心がどうなのか、ホントのところはわからないけど、同じ年頃の子どもを持つ母親として、覚えておきたいようなくだりがいっぱいでした。 いつも切なく哀しいです。
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何組もの「かぁちゃん」と子供を描いた作品 いくつになっても 子供にとって「かぁちゃん」って特別なんだよなぁって そんな気持ちにさせてくれます
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母親の大切さ、偉大さを感じさせてくれる本。7人にまつわる出来事とその母親に関する話。 重松清の得意とする償いもテーマに入る。読みやすい。
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