海の都の物語(1) の商品レビュー
長い!でも面白い!現代では観光地でしかない、キリスト教圏ではありえないエコノミックアニマルなヴェネツィアの栄枯盛衰を描いた歴史小説。 しかし、政治・外交・文化を描きつつ、魚介類と塩しかない一都市国家が、地中海貿易で栄華を誇ったのは何故か?という疑問に答えてくれる。 ヴェネツィア...
長い!でも面白い!現代では観光地でしかない、キリスト教圏ではありえないエコノミックアニマルなヴェネツィアの栄枯盛衰を描いた歴史小説。 しかし、政治・外交・文化を描きつつ、魚介類と塩しかない一都市国家が、地中海貿易で栄華を誇ったのは何故か?という疑問に答えてくれる。 ヴェネツィアと変わらない日本にとって必読の一冊。
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比較的分かりやすい。ベネチアの歴史とテーマがピンポイントだし、なかなか読みやすくて楽しんで読める。とは言っても色々難しいので、ある程度事前にキリスト教についてや十字軍、コンスタンティノープルやビザンチン帝国についてなどなど、知識をつけておくとより良い。 イタリア旅行をした時にベネ...
比較的分かりやすい。ベネチアの歴史とテーマがピンポイントだし、なかなか読みやすくて楽しんで読める。とは言っても色々難しいので、ある程度事前にキリスト教についてや十字軍、コンスタンティノープルやビザンチン帝国についてなどなど、知識をつけておくとより良い。 イタリア旅行をした時にベネチアに魅入られて読んでみた。 所々に地図が差し込まれているが、もっと沢山入っていてほしい。あと人物相関図とか。
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全6巻。 7世紀に始まった共和国が18世紀になくなるまでの1000年の通史。 海洋国家の栄枯盛衰の歴史だった。共和国の制度を維持し続けたことに驚くばかりだ。
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ローマ帝国末期、 蛮族の侵入によって1000年もの間続いたローマ帝国は、遂に崩壊の危機に瀕していた。 その時に、 海の上へ逃げた民族。 それが水の上の都と言われる ヴェネツィアの人々だ。 海の上と言っても、 実際に海の上に逃げ込めるわけではないので、入り組んだ沼地の中に逃げ込...
ローマ帝国末期、 蛮族の侵入によって1000年もの間続いたローマ帝国は、遂に崩壊の危機に瀕していた。 その時に、 海の上へ逃げた民族。 それが水の上の都と言われる ヴェネツィアの人々だ。 海の上と言っても、 実際に海の上に逃げ込めるわけではないので、入り組んだ沼地の中に逃げ込んだのだった。 そこにしか道がなかった。 川を越えて山へ入ることも叶わず、近辺の街へ入ろうにも、今まさに蛮族が首都ローマを目指して、略奪のかぎりを尽くすその進路進行上に逃げることなどは不可能。 残された道は、その沼地にしかなかったのである。 そこから生まれた国の物語が、 ヴェネツィア人の物語なのである。 沼地の上では、 家を建てようにも、 通常の陸の上での建て方では、 建物は立たない。 ゆえに、 沼地の中の泥の更に下の層に、 びっしりと無数の尖った木を打ち込む。 その打ち込んだ木の上に、石柱を置き家の土台とする。 その木さえもその沼地にはないのであるから、これもまた外部から取り寄せるしかない。 つまり、 ヴェネツィアは完全なる非自給自足国家であったのだった。 そんな完全非自給自足国家に残された道。 それは、海運国家しかなかった。 海へ出ることである。 海へ出て、豊かになる方法は2つに1つ。 交易に従事するか、海賊を業とするか。 ヴェネツィアは前者を選び、 一千年もの間自由と独立を保ち続けたのであった。
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ローマ帝国滅亡後、他国の侵略も絶えないイタリア半島にあって、一千年もの長きにわたり、自由と独立を守り続けたヴェネツィア共和国。外交と貿易、そして軍事力を巧みに駆使し、徹底して共同体の利益を追求した稀有なるリアリスト集団はいかにして誕生したのか。ヴェネツィア共和国の壮大な興亡史
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1話目2話目の導入には『ローマ人の物語』に比べればややまとまりに欠ける印象だが 第四次十字軍を扱う3話はいつものイタリア好き好き塩野節がとても楽しい
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「海の都の物語」の第1巻です。 ローマは亡く、逃げ込んだ不毛な地域で少数の民がヴェネツィアを創立する伝説的な時代から始まります。 その境遇から作られた共和国の元首と国民の目標は一緒であり、現実的な商業民族となります。 海運力を増強し、宗教や人種に左右されない交易によって成長してい...
「海の都の物語」の第1巻です。 ローマは亡く、逃げ込んだ不毛な地域で少数の民がヴェネツィアを創立する伝説的な時代から始まります。 その境遇から作られた共和国の元首と国民の目標は一緒であり、現実的な商業民族となります。 海運力を増強し、宗教や人種に左右されない交易によって成長していきます。 東西のキリスト教対立に巻き込まれますが、商い第一の彼らの問題ではありませんでした。 しかし利益があるとわかれば、ヴェネツィアは動きます。 第四次十字軍の運び屋としてヴェネツィアは従軍し、神の気紛れかヴェネツィアにとって邪魔なキリスト教国を制圧していきます。 これによって喜ぶ国は一つですが、十字軍にはそこまで考えが及んでいないように思えます。 ビザンチン帝国がラテン帝国となるまでが綴られています。
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ヴェネチア旅行へのお供に持って行った本。 絵画のように美しいヴェネチアがどうやって誕生したのか、歴史書というより物語として綴られる。 十字軍のくだりは躍動感があってタイムトリップしたかのように引き込まれた。
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ヴェネツィア共和国の誕生の歴史。 国民の思考方法は、その国の置かれた状況によるものだと言うことがよく分かる。
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美術館で〈ヴェネツィア展〉という展覧会を観たのがきっかけで、ヴェネツィアの歴史を学べる本がないかと探して出会った本です。 正直、中学・高校と世界史を学んできたものの、中世の西洋史は内容の整理ができないまま、年号と事柄を覚えることに終始してしまい、戦争や国の名前はわかっても、それ...
美術館で〈ヴェネツィア展〉という展覧会を観たのがきっかけで、ヴェネツィアの歴史を学べる本がないかと探して出会った本です。 正直、中学・高校と世界史を学んできたものの、中世の西洋史は内容の整理ができないまま、年号と事柄を覚えることに終始してしまい、戦争や国の名前はわかっても、それがどういったもので、どういう繋がりや因果関係があるのかということは一切把握ができていません。 この本はヴェネツィア共和国という国を軸にして、物語として歴史を知ることができるので、大変面白いです。 時系列にトピックスを追うだけのような無味乾燥な歴史の授業とは違い、まさにその時代、その地域に生きた人間の活動の息遣いを垣間見ることができます。 第1巻はヴェネツィア共和国がいかにして誕生したのかというところから始まり、第四次十字軍の遠征までです。
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