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女生徒 の商品レビュー

4.1

139件のお客様レビュー

  1. 5つ

    47

  2. 4つ

    41

  3. 3つ

    22

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2022/04/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「朝起きてもうかったるいわ~。毎日いろいろ考えてしまうけど私って暇なんだわね」という感じの女生徒の1日が徒然なるままに書かれている。『school girl』を読む前の予習として手に取った。太宰治のなかなかの女生徒ぶりを堪能。時折ハッとするほど印象的な文章があるのが流石。「嘘をつかない人なんてあるかしら。あったら、その人は永遠に敗北者だ」「料理は見かけが第一である。たいてい、それでごまかせます」「まあまあ目立たずに、普通の多くの人たちが通る道を黙って行くのが1番利口なんでしょう」思わず付箋を貼る。

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2022/03/28

表題作とその他の短編すべて、様々な年代の女性の気持ちが細やかに描写されている。 自分の中に、性格も年齢も違う彼女達の気持ちと重なる部分がたくさんある。 心がチクッとしたり、ほっこりしたり、泣きたくなったり。 自分と会話ができたような気がする。

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2022/03/17

久々の太宰。 読むのにえらく時間がかかってしまった、、 短編集です。 -------- 女生徒 自分の顔の中で一ばん眼鏡が厭なのだけれど、他の人には、わからない眼鏡のよさも、ある。眼鏡をとって、遠くを見るのが好きだ。全体がかすんで、覗き絵みたいに、すばらしい。汚いものなんて、何も...

久々の太宰。 読むのにえらく時間がかかってしまった、、 短編集です。 -------- 女生徒 自分の顔の中で一ばん眼鏡が厭なのだけれど、他の人には、わからない眼鏡のよさも、ある。眼鏡をとって、遠くを見るのが好きだ。全体がかすんで、覗き絵みたいに、すばらしい。汚いものなんて、何も見えない。 葉桜と魔笛 ばかだ。あたしは、ほんとうに男のかたと、大胆に遊べば、よかった。あたしのからだを、しっかり抱いてもらいたかった。姉さん、あたしは今までいちども、恋人どころか、よその男のかたと話してみたこともなかった。姉さんだって、そうなのね。姉さん、あたしたち間違っていた。お利口すぎた。ああ、死ぬなんて、いやだ。私の手が、指先が、髪が、可哀そう。死ぬなんて、いやだ、いやだ。 --------

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2022/02/22

改めて読んでみて、恐ろしく読みやすい スラスラというよりも、スルスルと行った感覚で読んでしまう 読んでいて不思議な感覚 詩を読んでいるよう しかし、内容が薄いと言うことは全くなく、思わずハッとして読み返してしまう まさに読ませる文学 あとこの本の装丁めっちゃ好き

Posted byブクログ

2022/04/03

私はまだ若いから、16歳だから太宰治にこんなにも入れ込めるのだろうか。1行、1文字ずつ大事に読んだ。好きなところは繰り返し繰り返し読んだ。大人になった時にこれを読んでくだらないと思うのか、それともやっぱり好きだなあと思うのか楽しみ。絶望と後悔の中の一条の光を私も見つけたい。この人...

私はまだ若いから、16歳だから太宰治にこんなにも入れ込めるのだろうか。1行、1文字ずつ大事に読んだ。好きなところは繰り返し繰り返し読んだ。大人になった時にこれを読んでくだらないと思うのか、それともやっぱり好きだなあと思うのか楽しみ。絶望と後悔の中の一条の光を私も見つけたい。この人のように。

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2022/02/01

かなり訳のわからない内容だが、多分その訳のわからなさが新鮮だったのだろう。今も昔も少女というのはそう変わらない生き物だと思った。

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2022/01/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

九段理江「School girl」を読もうとしたら、令和版「女生徒」というキャッチコピーになっていたので予習的に読んだ。太宰治は教科書で「走れメロス」、青空文庫で「人間失格」くらいしか読んだことないビギナーだったのだけど、とてもオモシロかった。こんなに自意識を煮詰めた小説を戦前・戦後の頃に書きまくっていたことに驚いたし、これは俺の話!!となることも多かったので他の作品も読んでみたくなった。  本作は短編集ですべて女性一人称のモノローグスタイルで書かれているのが最大の特徴。自分が登場人物に話しかけられるような感覚になるので昔の話とはいえ親密さを感じやすかった。著者は男性であり、男性側から見た当時の女性が感じているだろう生きにくさを細かく描写している点がオモシロかった。自意識を拗らせるのは多くのことが可視化された現代ゆえの悩みかと思いきや、昔の人も自意識との付き合い方に苦労していたことが分かった。  冒頭の「燈籠」という話からグッと引き込まれて不意の出来心で万引きした女性の回顧録なんだけど、まるで警察24時を見ているような感じ。それが最後文学的表現に回収されていくのだからたまらない。表題作の「女生徒」は冷めた悟り系女子のパンチラインが多くて好きだった。以下引用。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------- 本なんか読むの止めてしまえ。観念だけの生活で、無意味な、高慢ちきの知ったかぶりなんて軽蔑、軽蔑。やれ生活の目標が無いの、もっと生活に、人生に、積極的になればいいの、自分には矛盾があるのどうのって、しきりに考えたり、悩んだりしているようだが、おまえのは感傷だけさ。 美しさに、内容なんてあってたまるものか。純粋の美しさは、いつも無意味で、無道徳だ。きまっている。 一生、自分と同じくらいやさしい温かい人たちの中でだけ生活して行ける身分の人は、うらやましい。 -----------------------------------------------------------------------------------------------------------  著者の太宰治自身は男性だけど、社会的に抑圧されている女性の生きにくさは格好の小説のネタだったろう。繊細な彼だからこそ感じ取れた女性の立場での感情の機微が多分にあったのだろうなと想像する。クラシックはクラシックたる所以があることを再認識した。

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2021/12/23

すべての話が女性からの視点で書かれています。 結構突飛な行動をとる女性が出てきて少し驚きました(笑) 著者の性格的に女性っぽいところがあるのか、女性はこうであってほしいという理想なのかわかりませんが、心境が具に描写されているところはすごいなーと思いました。

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2021/12/18

表題作の「女生徒」が一番好き。主人公の少女が何かするたびにあれこれ考え事をする。クルクルと考えていることが目まぐるしく変わっていくところは、思春期だった頃の自分と重なって共感した。たまに考えているうちにどんどん脱線していって、どうしてこれを考えているのかわからなくなったり。でも、...

表題作の「女生徒」が一番好き。主人公の少女が何かするたびにあれこれ考え事をする。クルクルと考えていることが目まぐるしく変わっていくところは、思春期だった頃の自分と重なって共感した。たまに考えているうちにどんどん脱線していって、どうしてこれを考えているのかわからなくなったり。でも、そんな時間が楽しかったりしていた。 「貨幣」は女性の百円紙幣の視点で語られていて、とても心温まる最後だった。貨幣に性別をつけるという発想はヨーロッパ系の言語の女性名詞、男性名詞からきているのかしら。 太宰治の文章は流れるようで、上品で美しいと思った。どんな年齢にも、性別でも、貨幣にさえなりきれる太宰には感心した。この時代の作品はどれもキラキラしている。

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2021/10/28

『女生徒』は太宰のようで太宰でない... 季節感に触れている真新しさがあった。 「食堂で、ごはんを、ひとりでたべる。ことし、はじめて、キウリをたべる。キウリの青さから、夏が来る。五月のキウリの青味には、胸がカラッポになるような、うずくような、くすぐったいような悲しさが在る。」

Posted byブクログ