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女生徒 の商品レビュー

4.1

151件のお客様レビュー

  1. 5つ

    51

  2. 4つ

    45

  3. 3つ

    25

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2024/02/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「女生徒」 リズムが良くて、ポンポン読めた。 現代はインターネットで色々な人や情報と繋がれるから、心の中で自分を顧みたり思想に耽けたりする時間って少なくなってるのかなとふと思った。 でも多分、量は違えど、みんな心の中で悶々としている時間はあると思う。 その心の中の葛藤は一生続くのだろうけど、まだ女生徒の瑞々しく初々しい葛藤が描かれている。そして時代特有の女性(少女)としての葛藤でもある。まあ、太宰からみたひとつの女性の葛藤ではあるけど。笑 「皮膚と心」の可愛い感じも好きだったし、「きりぎりす」とか「おさん」の、解説の言葉で言えば男根、俗人主義、スノビズムへの反抗心が表れている作品も、太宰の新しい面を知れて良かった。 何故か太宰治はページをめくる手がひょいひょいとなる。読みやすいのかな?或いは解説のように日本人にささるから? 今度の作品集も良かったなぁ

Posted byブクログ

2024/01/31

太宰は教科書以外に読んだことがなかったけど、表現の的確さだったり、読みやすさ、人物の気持ちやもどかしさみたいな事が容易に想像できるところとか、やっぱり凄いんだなーて感じ とくに女の子の心情は昔も今も変わらないんだなって感じて面白かった

Posted byブクログ

2024/01/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

⚫︎受け取ったメッセージ 少女が大人になる一時期の光と影のような不安定を 太宰の言葉でくっきりと描かれている ⚫︎あらすじ(本概要より転載) 「幸福は一夜おくれて来る。幸福は、―」。女性読者から送られてきた日記をもとに、ある女の子の、多感で透明な心情を綴った表題作。名声を得ることで破局を迎えた画家夫婦の内面を、妻の告白を通して語る「きりぎりす」、情死した夫を引き取りに行く妻を描いた「おさん」など、太宰がもっとも得意とする女性の告白体小説の手法で書かれた秀作計14篇を収録。作家の折々の心情が色濃く投影された、女の物語。 ⚫︎感想 九段理江さんの「school girl」を読む前に、表題作のみ読了。さすが太宰…という表現力に脱帽。 思春期特有の、少女が持っている漠然とした不安、本音と建前のバランス、母への愛と拒絶、労りと残酷、自分が純粋でないと感じて、期待はずれに思ったり、こんな自分でいいんだろうかと疑問に思ったり、自分の意地悪な部分を感じて自己嫌悪…それでもなんとなく生きてる。不幸せでもない。でも…そんな思春期に誰しも大なり小なり感じたことのあるもやもやした感情を、美しく切り取っている。感情が目まぐるしく、朝起きた時の感覚からはじまり、最後寝るまでの1日の中に凝縮されている。 素敵な表現がいくつかあったので、メモに残しておこうと思う

Posted byブクログ

2024/01/26

とても刺さった。 思春期の女の子の日常、正直あらすじだけ見ると面白くなさそうと思っていましたが、太宰治特有の美しさと切なさであっという間に読み終わっていました。

Posted byブクログ

2023/12/21

そういやなぜか最近、太宰作品を読んでるなぁ。 きっとおびのりさんや傍らに珈琲を。さんの呪い、いや失礼、誘導と影響を受けてしまったのだろう。 もともと文学なんてがらでもないし。 14篇の短編集。そのすべてが女性の一人称で書かれています。 ●燈籠    万引きはダメ。 ●女生徒...

そういやなぜか最近、太宰作品を読んでるなぁ。 きっとおびのりさんや傍らに珈琲を。さんの呪い、いや失礼、誘導と影響を受けてしまったのだろう。 もともと文学なんてがらでもないし。 14篇の短編集。そのすべてが女性の一人称で書かれています。 ●燈籠    万引きはダメ。 ●女生徒    女生徒の皮を被った太宰。 ●葉桜と魔笛    偶然の口笛? オー・ヘンリーみたい。 ●皮膚と心    いやいや。いくら肌が大事ったって、腕や脚のほうが大事でしょうよ。大山鳴動物語。 ●誰も知らぬ    唐突な激情。劣情。 ●きりぎりす    価値観の違い。「ヴィヨンの妻」にでもなりたかったのかな。 ●千代女    勝手にもてはやされて、その気になったら落とされる。 ●恥    千代女の数年後だろうか? 名前も同じ和子だし。 ●待つ    駅のホームで誰かを待つ。 ●十二月八日    開戦の日の日記。 ●雪の夜の話    スルメが食べたくなる。 ●貨幣    百円紙幣(女性)の一人称話。 ●おさん    愛人と情死した旦那。その女房。 ●饗応夫人    嫌といえないにも程がある。 思ったよりもかなり読みやすくて良かったけど、残念ながらおもしろいと思えたのがなかった。 逆に読んでて最も苦痛だったのは、表題作の「女生徒」。 なんてことのない一日の中で、女生徒がつらつらと考えていることが書かれているんだが、どうも太宰本人に思えてしまう。 ひたすら眠くなった。 表紙がなんか違うな~。 俺が借りたのは、傘を差した女生徒が横断歩道の上で風かなんかに巻き上げられてブワッとなってる、今にも時を超えそうなラノベっぽい表紙だったのに。 こっちの表紙の方がなにかと間違えて売れそうだ(笑)

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2023/11/01

私も軍隊さんみたいな生活を送れば考え事ばかりするのをやめて、健康な女になれるのかしら、という一節が好き。毎日健康的な疲労を背負えば、悩み事も健康的なものになると思う。

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2023/10/24

太宰文学の中の女性視点ばかり集めた短編集。 太宰って、デカダンとか厭世的とか太宰の味って色々言われるけどそれって女性視点の方が素直に出るんじゃないかなぁと思いました。というか、太宰にとってそもそも女性ってそうだったんだろうな。「自分の胸の中、想いに素直」と言えば良いのか、意地がな...

太宰文学の中の女性視点ばかり集めた短編集。 太宰って、デカダンとか厭世的とか太宰の味って色々言われるけどそれって女性視点の方が素直に出るんじゃないかなぁと思いました。というか、太宰にとってそもそも女性ってそうだったんだろうな。「自分の胸の中、想いに素直」と言えば良いのか、意地がないといえばいいのか…。 「女生徒」「灯篭」「葉桜と魔笛」「恥」「雪の夜の話」とか良かったです。「皮膚と心」は読んでて辛かった。主人公が自分のことめちゃくちゃに言うし、「女ってそういうもの」っていう主語大きい語りをするので……。 ●あらすじ 太宰の真骨頂、女性の語り口による告白を集めた短編集。 「幸福は一夜おくれて来る。幸福は――」多感な女子生徒の一日を描いた「女生徒」、情死した夫を引き取りに行く妻を描いた「おさん」など、女性の告白体小説の手法で書かれた14篇を収録。 (角川オフィシャルサイトより引用)

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2023/09/25

美しい物語。 時代は今とはかなり違うが、思わずクスッと笑いたくなるような、どうしようもなく気にして仕方がない感情がよく語られていて好きだった

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2023/09/19

明日はどうなったっていい、と思い込んだとき女の、いちばん女らしさが出ていると、そう思わない? 死ぬまで貧乏で、わがまま勝手な画ばかり描いて、世の中の人みんなに嘲笑せられて、けれども平気で誰にも頭を下げず、たまには好きなお酒を飲んで一生、俗世間に汚されずに過ごして行くお方だとばか...

明日はどうなったっていい、と思い込んだとき女の、いちばん女らしさが出ていると、そう思わない? 死ぬまで貧乏で、わがまま勝手な画ばかり描いて、世の中の人みんなに嘲笑せられて、けれども平気で誰にも頭を下げず、たまには好きなお酒を飲んで一生、俗世間に汚されずに過ごして行くお方だとばかり思って居りました。 ひとりくらいは、この世に、そんな美しい人がいる筈だ。 私は、お金も何も欲しくありません。 心の中で、遠い大きいプライドを持って、こっそり生きていたいと思います。 あなたは、ただのお人です。 これからも、ずんずん、うまく、出世をなさるでしょう。くだらない。 ひとを愛するなら、妻を全く忘れて、あっさり無心に愛してやって下さい。 気の持ち方を、軽くくるりと変えるのが真の革命で、それさえ出来たら、何のむずかしい問題もない筈です。

Posted byブクログ

2023/09/11

読者から送られた日記を元にしているとは言え、10代の少女の瑞々しさとともに不安定で危うい心情が見事に表現されている。少女が抱える不安や怒りには、太宰本人の抱えていたそれが重ねられているんだろう。

Posted byブクログ