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パノラマ島綺譚 の商品レビュー

3.6

34件のお客様レビュー

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2010/04/17

一人の貧乏書生が、自分と瓜二つの学友が死んだ知らせを聞き 彼になりすましてその莫大な財産を手に入れようと企む 巧妙な手口でその友人の妻を含む周囲の人を欺くと、小さな島を手に入れる そこに彼の長年の理想であった自然美にも勝る人工自然、狂気に満たされたパノラマを作り上げる 誰にも偽者...

一人の貧乏書生が、自分と瓜二つの学友が死んだ知らせを聞き 彼になりすましてその莫大な財産を手に入れようと企む 巧妙な手口でその友人の妻を含む周囲の人を欺くと、小さな島を手に入れる そこに彼の長年の理想であった自然美にも勝る人工自然、狂気に満たされたパノラマを作り上げる 誰にも偽者であることを感づかれない自信があったが、唯一の不安点は妻だった 長年連れ添った妻を欺けるかどうか 妻とは距離をおいていた だが知らず内に妻を愛してしまっていた しかし完成間近で妻に彼が偽物であることが感付かれてしまう 妻をやむなく殺すことを決意 愛する妻をパノラマ島に案内する 美しく狂った世界の中でたった2人 愛しく美しい妻の首を静かに絞める 彼の楽園を脅かすものはいなくなったかに思えたが、 予期せぬところに昔の自分の影を見つけられてしまう。 美しい景色を大勢の美しい裸の人々が景色を彩る様子は 桃源郷というよりはソドムにも見える 狂った世界 すばらしい世界 残念だったのは景色などの描写がいまいちだったこと

Posted byブクログ

2010/04/06

アートって、きっと人間の業とか、そういうどろどろしたどす黒いもんから発せられる表現なんだと、江戸川乱歩の作品を読むと感じる。 作品中で描かれる狂人や偏った性癖のある人などの特徴は、探せば僕らのこころの中にもきっとあるのだろうと思う。 この本には 「パノラマ島奇譚」 「石榴」 ...

アートって、きっと人間の業とか、そういうどろどろしたどす黒いもんから発せられる表現なんだと、江戸川乱歩の作品を読むと感じる。 作品中で描かれる狂人や偏った性癖のある人などの特徴は、探せば僕らのこころの中にもきっとあるのだろうと思う。 この本には 「パノラマ島奇譚」 「石榴」 の二作品が収録されている。 そのどちうらもが、類稀な、江戸川乱歩作品ならではの風合いと感触を持っている。 まるで見てくれがとても綺麗で小さくてとてもかわいいが、口に入れて咀嚼するとなんとも醜悪な味や匂いを発するお菓子か何かのような感じがするのだ。 世にも恐ろしい犯罪や兇行は、たった一人の人間のこころのなかに潜む美意識や欲望であったりするのだろう、とそういうことをまざまざと覚えさせられる。 江戸川乱歩はやっぱり天才だ。 そして狂人であると思う。 そういう意味で唯一無二の才能だ。 更に恐ろしいのは、言葉選びや、感じや、劇中の人物の喋り方や服がやはりどことなく古めかしいのにも関わらず、ストーリーの内容が新鮮であると言うことだ。 驚くなかれ、この「パノラマ島奇譚」は大正時代に発表された文章なのだ。 更にまるで美しいタイムカプセルか何かのような感じもある。 本当に江戸川乱歩は美しい小説家であると思う。

Posted byブクログ

2010/01/12

表現が長ったらしくて読むのが面倒でした。 海藻の描写にはちょっとうんざり。 オチだけはインパクトがあります。

Posted byブクログ

2009/10/07

『パノラマ島綺譚』はパノラマ島の描写がすごく細かくて、想像するだけですごく美しい場所なんだろうなぁ。と思った。でも、最後があまりにもあっけなくて残念…それとも最初から廣介は決めてたんだろうか? もう一つの『柘榴』はミステリーなんだけど、その内容より硫酸で溶けた顔を柘榴に見立てるの...

『パノラマ島綺譚』はパノラマ島の描写がすごく細かくて、想像するだけですごく美しい場所なんだろうなぁ。と思った。でも、最後があまりにもあっけなくて残念…それとも最初から廣介は決めてたんだろうか? もう一つの『柘榴』はミステリーなんだけど、その内容より硫酸で溶けた顔を柘榴に見立てるのにすごく惹かれました。美しいなぁ…

Posted byブクログ