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パノラマ島綺譚 の商品レビュー

3.6

34件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

    9

  4. 2つ

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2020/12/05

ミステリーやホラーというよりも ファンタジー小説を読んでいるように感じた。 パノラマ島の描写は個人的には合わず 飛ばし読みしたくなりつつも…耐えて読んだ。 江戸川乱歩さんの文章が合わないのかもしれない。 が、短編小説でありながら、物足りなさを 感じさせないところは凄いと思っ...

ミステリーやホラーというよりも ファンタジー小説を読んでいるように感じた。 パノラマ島の描写は個人的には合わず 飛ばし読みしたくなりつつも…耐えて読んだ。 江戸川乱歩さんの文章が合わないのかもしれない。 が、短編小説でありながら、物足りなさを 感じさせないところは凄いと思った。 かなり粘度のある文章だからだろうか。 日頃からファンタジー小説を好んで読む方には かなり合うのではないかな、と思う。 自分の好みには合わなかったものの やはりパノラマ島に関する文章の事細かさは、 空想の世界として考えると惹かれるものはある。 締めの呆気なさはむしろ良かった。 あっさり終わったことでスッキリした。

Posted byブクログ

2020/10/05

入れ替わりトリックを用いた殺人事件が題材。 しなし、トリックそのものよりも奇怪、混沌、摩訶不思議に満ち満ちた人工島の描写にこそ乱歩の真骨頂があるのだろう。海底トンネル、錯視を利用した造形物、動物のように主人に傅く人間…人によれば桃源郷にも映る景色の数々を想像するだけで恐ろしいよう...

入れ替わりトリックを用いた殺人事件が題材。 しなし、トリックそのものよりも奇怪、混沌、摩訶不思議に満ち満ちた人工島の描写にこそ乱歩の真骨頂があるのだろう。海底トンネル、錯視を利用した造形物、動物のように主人に傅く人間…人によれば桃源郷にも映る景色の数々を想像するだけで恐ろしいような、それでいてどこか心地の良さを感じてくるから不思議。

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2020/03/28

昔読んだ少年探偵団シリーズ以来、久々の乱歩。一人の男の強迫的で幻夢的な妄想の極致。前衛的で自由な、ユートピア的ディストピアの描写に圧倒。表現者の幸福とは狂気的に突き詰めたコンテンツを産む事と思えば、これほど幸せな作品も無いのかも知れない。

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2019/12/20

【概略】  売れない作家である一見廣介は、ある日、学生時代の友人で自身と外見がそっくりの資産家・菰田源三郎の訃報を聞く。その死因は癲癇によるもの。死者と瓜二つであること、癲癇は死亡と診断された後に息を吹き返すことがあること、その土地は土葬の風習が残っていること、この3つの要素が一...

【概略】  売れない作家である一見廣介は、ある日、学生時代の友人で自身と外見がそっくりの資産家・菰田源三郎の訃報を聞く。その死因は癲癇によるもの。死者と瓜二つであること、癲癇は死亡と診断された後に息を吹き返すことがあること、その土地は土葬の風習が残っていること、この3つの要素が一見廣介に壮大で淫靡な計画をもたらした。 時期不詳        読了 2019年12月20日 読了 【書評】  おそらくは小学校高学年、または中学生だった頃に読んだ記憶があるこの「パノラマ奇譚」。久々に読んでみた。  「あれ?このM件S市(小説の舞台となった場所)って、三重県志摩市?」・・・という予感、どうやら当たったみたい。志摩市には江戸川乱歩の記念館があるそうだ。いつか訪ねてみよう。  なんとも言えない淫靡な雰囲気、この空気感はなにをもってもたらすことができるのかなぁ。一度、写経とかしてみたら吸収すること、できるのだろうか?パノラマ島の中を(かりそめの)妻と練り歩く描写は、少し長いかなぁ~とは思ったけど、計画を思い立ってから実行に移したあたり、また、計画が実行された最初のあたりの雰囲気は、なんともいえない感覚に襲われた。  おそらくは乱歩自身はそんな風に捉えてはいないと、そんな意図を含んではいないとは思うけど、パノラマ島での職人や芸術家に対する厚遇は、なんというか資本主義に対する、若しくは芸術や職人技術に対する冷遇へのアンチテーゼのようにも感じたなぁ。  推理小説・・・というには設定が都合よすぎる、けど、人間の欲の膨張と、蟻の一穴と、人体(とりわけ女体)を想起させるパノラマ島に対する描写・・・ベルセルクの「蝕」の時間のような、そんな感じで耽読できた(笑)

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2018/09/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

初めて読みましたがこれまでの江戸川乱歩とは少し違う世界観に酔いしれました。 「パノラマ島綺譚」は正に理想郷を舞台に一攫千金と楽園の為に犯罪を起こす男の話ですが、 トリックと言えば終盤の死体の隠し場所の謎解きくらいで (それも目星を付けれるくらいの謎解き)ほぼ犯人目線で物語が進んでいくので、 逆に「一体この物語の終着点はどこだろう?」と乱歩の掌で転がされている感覚が強かったです。 乱歩本人が解説にもあるようにこのような夢想物語を描くことを恥ずかしいと思っていたようですが、 島に上陸してからの描写は耽美的で浮世離れしていて、 到底理解できぬ程の狂気なのに恐ろしく美しいと思ってしまう。 まるで宗教画や西洋絵画を眺めているような美しさで、 特に海中と最後の花火の描写は自分が「事件」を読んでいるにも関わらず、あまりの極彩色の暴力的な美しさに事件を忘れてしまう程でした。 「芋虫」や「人間椅子」とはまた違う狂気で、乱歩の才能に驚かされました。

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2018/02/09

えー嘘だ、嘘〜、そんな〜えっ、おー、おお、やばっ、ありえねー、ぜっていありえねぇーよ、そんなー、気持ち悪、そんな〜、おー、あはは、そりゃねぇよ、馬鹿馬鹿しいわ、見てらんねーよ、そりゃやばい、おーー、あーーそんなオチ、そりゃヤベェな、そのオチはやべぇよ、もう一度そのオチはやべぇよ、...

えー嘘だ、嘘〜、そんな〜えっ、おー、おお、やばっ、ありえねー、ぜっていありえねぇーよ、そんなー、気持ち悪、そんな〜、おー、あはは、そりゃねぇよ、馬鹿馬鹿しいわ、見てらんねーよ、そりゃやばい、おーー、あーーそんなオチ、そりゃヤベェな、そのオチはやべぇよ、もう一度そのオチはやべぇよ、異端すぎ、奇譚すぎだろ、そこで、俺も裸体を拝みたいわ〜

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2017/09/03

昔のカルト映画を思わせる作品。 ただし、オチが「そんなんでいいの?!」というような 呆気ないもの。 それで、いいのかもしれない。 狂人の夢、それを具現化した奇妙な島。 そういったものを楽しむための娯楽作品として、完成しています。 どの作品でも同じことですが、 病的な美しさの表...

昔のカルト映画を思わせる作品。 ただし、オチが「そんなんでいいの?!」というような 呆気ないもの。 それで、いいのかもしれない。 狂人の夢、それを具現化した奇妙な島。 そういったものを楽しむための娯楽作品として、完成しています。 どの作品でも同じことですが、 病的な美しさの表現は、乱歩自身が実際にそういった類の偏執者なんじゃないかと思うくらい、 油絵のように立体的で、粘っこく書かれていました。 あくまでもサイコであって、推理小説ではない。 それが乱歩の魅力であると思いました。

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2016/04/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

パノラマ島奇譚 石榴の2本 石榴の方が印象深かった。裏を読んでそのまた裏を読んで。。ジャンケンでそれを瞬時に判断できる人物。。凄いな。。 そして、美人だから惚れられるわけでもないのか、手に入れたからこそ他へいくのか。。。 パノラマは、主人公の創造する世界観を表現するには 他人の力が大分必要なわけだが、従った理由が気になった。。単純なお金なのか、説得しうるほどの魅力がその世界観にあったのか。。。 色々想像してしまう。

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2016/04/22

最後そう来るかと>パノラマ島。こどものころから大好きだが、乱歩は怖さよりなぜか笑いが勝ってしまう(笑)

Posted byブクログ

2016/05/10

解説でも書かれている通り、犯罪そのものより パノラマ島の描写が半分を占めるのが特徴的だった そして同時収録の石榴はごくスタンダードな推理小説だった 発売された当時は評判が芳しくなかったらしいが、個人的にこちらの石榴のほうが好きだった オチはどちらもあっさりした印象

Posted byブクログ