渚にて 人類最後の日 の商品レビュー
終末の世界とそこに生きる登場人物たちの姿が淡々と冷静に描かれてるのが逆に胸に刺さった。何人かはそんな世界の中でも未来の話をして、読んでいる方も奇跡を信じたくなった。自然と引き込まれて読み続けちゃういい作品だったと思います。
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核戦争後、オーストラリアを舞台に人類の最後を描いた作品。 これといった大きな波もなく淡々と終わりに向け進んでいくが、そのシンプルさが妙にリアルでノンフィクションを読んでいるような感覚になる。 実際に人類の終わりを体験したことがないので現実ではどうなるのかわからないが、もしそんな時...
核戦争後、オーストラリアを舞台に人類の最後を描いた作品。 これといった大きな波もなく淡々と終わりに向け進んでいくが、そのシンプルさが妙にリアルでノンフィクションを読んでいるような感覚になる。 実際に人類の終わりを体験したことがないので現実ではどうなるのかわからないが、もしそんな時が来るとするならこの作品の人物たちのような終わり方をしたい。
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死が迫りつつあるにも関わらず冷静な主人公たちの姿をみて、地球最後の日は意外とこんなものなのかもしれないと思った。 遠くの国の争いであっても、決して対岸の火事と思っては行けないということを胸に刻む必要がある。
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新訳復刻版 原作は1957年の発刊。舞台は1961年のオーストラリア。 第三次世界大戦が勃発し、北半球で約4,700個の核弾頭が使われ、北半球は濃密は放射能に汚染され、死滅した。 かろうじて生き残った、アメリカ海軍の原潜USSスコーピオンは汚染を避け、メルボルンに退避してくる...
新訳復刻版 原作は1957年の発刊。舞台は1961年のオーストラリア。 第三次世界大戦が勃発し、北半球で約4,700個の核弾頭が使われ、北半球は濃密は放射能に汚染され、死滅した。 かろうじて生き残った、アメリカ海軍の原潜USSスコーピオンは汚染を避け、メルボルンに退避してくる。 しかし、南半球にも迫る放射能。シアトルからはとぎれとぎれのモールス信号が打電されている。 生存者はいるのか?オーストラリアに生き残る少ない人類の運命は? 映画化、ドラマ化もされた名作。 穏やかな気持ちで読める名作。
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※このレビューにはネタバレを含みます
終末を迎えた人々の生き方。 人間の尊厳を保った最期というべきか。 淡々とした静けさが好もしい。 人は必ず死ぬことは決まっているわけで、その時がわかった場合どうするか、と。残念ながら自暴自棄になるほど未来に希望をもたない身としては、本書の主要登場人物たちと同じく、その日まで普通に(普通って何?とも思うが)、静かに生きるのみと思う。
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きっといい作品なんだろうと思うけど、この新訳版が著者(訳者ではない)の意図を正確に汲み取れているのか大きな疑義があり、あえて感想は書かない。 理由は以下の通り。 まず、読み始めて違和感を覚えた箇所がいくつもあった。バイクが急に自転車に変わっていたりとか、別の潜水艦の艦長だったは...
きっといい作品なんだろうと思うけど、この新訳版が著者(訳者ではない)の意図を正確に汲み取れているのか大きな疑義があり、あえて感想は書かない。 理由は以下の通り。 まず、読み始めて違和感を覚えた箇所がいくつもあった。バイクが急に自転車に変わっていたりとか、別の潜水艦の艦長だったはずのタワーズがいつの間にかスコーピオンの艦長になっていたりとか。 きっと細部を詰めないお話なんだろうと判断して以降はあまり気にしないように読んでいたんだけど、ネットで調べてみたら旧訳から変更したり追加したりした部分が間違いだらけでおかしくなってしまっているようだ。 例えば上記のバイクの部分は「bicycle」を「バイク」と訳しているからなんだって。マジかよ。中学英語の最初期に出てくる単語だぞ確か。 当然ながら旧訳はそのあたりの間違いは無いようだ。創元の校閲は新旧訳文の差異比較と変更箇所の妥当性チェックってやらないのか? 次に、文庫裏表紙や帯などにあるあらすじの要約がおかしい。いや間違ったことが書いてあるわけではないんだけど、主題じゃないでしょこれ。 自分はこれが頭にあったので、特に前半、登場人物たちの日常が描かれる部分について、本筋と関係ないんじゃないの?といった印象で、非常にかったるく思えて流し読み気味だったんだけど、このストーリーでこの結末なのであればそれなりに意味のある描写なんだよなこれ。 まあ決めつけた自分が悪いと言われたらそれまでなんだけど、ミスリードに引っかかったモヤモヤが残ってどうにも読後感が良くないんだなこれが。 とりあえず東京創元社さん、創元SF文庫60周年フェアとやらで大々的にこの新訳版を売り出しているけど、やらなきゃいけないのは仕切り直してもう一回新たな新訳版を出すことだと思いますよ。いかがですか。
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ネヴィル・シュート(1899~1960年)は、英ロンドンで生まれ、オックスフォード大学卒業後、航空工学者として働く傍ら、小説を執筆し、生涯で24冊の作品を出版した。 その作品は、自らのキャリア・体験に基づいた、航空業界、ヨット、戦争などをテーマとしたものが多く、代表作と言われる、...
ネヴィル・シュート(1899~1960年)は、英ロンドンで生まれ、オックスフォード大学卒業後、航空工学者として働く傍ら、小説を執筆し、生涯で24冊の作品を出版した。 その作品は、自らのキャリア・体験に基づいた、航空業界、ヨット、戦争などをテーマとしたものが多く、代表作と言われる、近未来を扱った『渚にて』(原題『On the Beach』)(1957年)は、特異な作品である。 私はよく本を読む方だが、ノンフィクション系の本が多く、SFや近未来を扱った小説では、『1984年』、『すばらしい新世界』、『華氏451度』、『2001年宇宙の旅』、『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』、『星を継ぐもの』、『日本沈没』、『復活の日』等、超有名作しか読んだことはないのだが、本作品については、以前より気になっており、今般読んでみた。 読み終えて、まず感じたのは、小松左京の『復活の日』(1964年)との類似性(と違い)である。読後にネットで調べたところ、やはり『復活の日』は本作品を下敷きにしているとのことだが(本書の帯にも小松左京がコメントを書いている)、決定的に異なる結末を用意しながらも、両者のメッセージは同じものである。 そのメッセージとは、世界を敵味方なく滅亡させる核兵器や生物兵器(『復活の日』での滅亡のきっかけは、兵器として研究開発されていたウイルス)の愚かさであるが、近年の、ロシアのウクライナ侵攻や、ハマスのイスラエル攻撃とイスラエルのガザ侵攻に伴う中東の緊張感の高まり、北朝鮮の核兵器開発、中国の軍事力強大化等を見ると、そのリスク・脅威は全く変わっていないと思われる。第二次世界大戦後に作られた「世界終末時計」は、アメリカと(当時)ソ連が水爆実験に成功した1953年に「2分前」まで進んだ後、東西冷戦の終結等により1991年には「17分前」まで戻されたが、その後再び針は進み、2024年現在「1分30秒前」を指しているという。 更に、半世紀前と異なる点として、気候問題や環境問題、食料問題等、中長期的な観点から、人類の滅亡に繋がり得るリスクが増大していることがある。敷衍するならば、AIの進化や遺伝子工学の進歩も、人類(いわゆるホモ・サピエンス)を人類で無くしてしまうリスクを孕んでいると言えるだろう。「世界終末時計」も、現在では、そのファクターとして、(核)戦争だけでなく、気候変動や新型コロナ感染症蔓延を織り込んでいるのだ。 本作品では、人類の滅亡に直面した人々が、パニックに陥ることなく、それまでと変わらない日々を愉しみ、(穏やかに)最期を迎えることが、強く印象に残るのだが、それはおそらく、「破滅に直面してなお人には守るべきものがある。人は気高い存在であるべきなのだ。」という著者のもう一つのメッセージなのだ。(解説で小説家の鏡明もそう書いている) 様々な意味で未来への分岐点にいる今、改めて読む意味のある名作といえよう。 (2024年4月了)
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うーんと。 古典的名作SFの一つだと理解はしていた。 核戦争で北半球が壊滅したのち、その、死の灰がじわじわと南半球も覆い尽くし、豪州に最後に残った人類にも、最後の時が迫る。 米国原潜が生きてるのだが。 なんにせよ、ただ、救いもなく死へ向かう。 それだけ。 なんじゃそりゃ。...
うーんと。 古典的名作SFの一つだと理解はしていた。 核戦争で北半球が壊滅したのち、その、死の灰がじわじわと南半球も覆い尽くし、豪州に最後に残った人類にも、最後の時が迫る。 米国原潜が生きてるのだが。 なんにせよ、ただ、救いもなく死へ向かう。 それだけ。 なんじゃそりゃ。 描かれた時期とか時代背景とか考えれば、色々とあったんだろうが、今読めば、それだけ。 何かと古い。 古き良き人々が、それぞれどうやって最期を迎えるかだけがドラマ。 まあ、この時期、人類が死滅するとすれば核しかないよね、みたいな雰囲気は感じるが、小松左京の方が数段上だと思ったなあ。 あと、新訳らしいが、会話の最後がやたら「ね」なので、うざったらしかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読みたいと思いつつ後回しにしてた一冊。 評判通り素晴らしい小説でした。カテゴリ的にはSF小説に分類されてると思いますが、率直に言ってもったいないですね。 SFというだけで敬遠されることも多いでしょう。この本は普遍的で大切なメッセージが込められているので、もっと広く受け入れられるような土台があればいいですね。 中学生あたりの英語の教科書に載っててもいいんじゃないかと感じました。 当時としてはかなり身近なテーマだったとは思うんですが、今読むとちょっと違和感を覚える部分もあります。現代の我々ではどうやっても感じ取れない空気感もあるでしょう。 それでも「人はどのように生きてどのように死ぬか」というテーマはズシリと重くのしかかってきます。 この本の主だった登場人物たちはある意味で最高の死に方を迎えられました。そこにいたるまでの各々の心情の変化の描写が秀逸です。 誰かしらに感情移入できるような配慮もなされています。私は科学士官でレースオタクのオズボーンが一番響きました。 モイラは最初ちょっと当時の女性像っぽい印象があってあまり好ましくなかったんですが、最終的に一番魅力のある人物になっていました。お酒好きなのも嫌悪感があったんですが、あれは伏線でもあったんでしょうかね。 罰当たりな行動に出る人や嘆き苦しみながら死んでいった人の描写が一切なかったのは意図的なんでしょうね。 最終的に誰も南極を目指さなかったのか少し疑問に感じましたが、時代的なものもあるのかもしれませんね。
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初シュート。人類滅亡もの。WW3の核使用に伴い、北半球から放射能汚染による死滅が始まる——徐々に死にゆく過程が泣かせます…こういう読後感の翻訳ものは個人的に珍しいなぁと。昨日までは何でもなかったのに、ある日突然襲われる放射能の恐怖。死が近づくにつれ、今まで表に出てこなかった人間性...
初シュート。人類滅亡もの。WW3の核使用に伴い、北半球から放射能汚染による死滅が始まる——徐々に死にゆく過程が泣かせます…こういう読後感の翻訳ものは個人的に珍しいなぁと。昨日までは何でもなかったのに、ある日突然襲われる放射能の恐怖。死が近づくにつれ、今まで表に出てこなかった人間性が顕著になり、大変興味深いです。現代に生きるすべての人が読むべき作品だ。星四つ半。
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