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渚にて 人類最後の日 人類最後の日 創元SF文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2009/04/30 |
JAN | 9784488616038 |
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渚にて 人類最後の日
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商品レビュー
4.3
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半世紀以上前に書かれた終末系小説。 ソ連と中国の間で核兵器を使用した戦争が起き、アメリカやヨーロッパも巻き込んだ核戦争となり、北半球の人類は核汚染で死滅している。 出港していて無事だったアメリカの原潜スコーピオンはオーストラリアに移っているんだけど、時折発信される無電の確認のため...
半世紀以上前に書かれた終末系小説。 ソ連と中国の間で核兵器を使用した戦争が起き、アメリカやヨーロッパも巻き込んだ核戦争となり、北半球の人類は核汚染で死滅している。 出港していて無事だったアメリカの原潜スコーピオンはオーストラリアに移っているんだけど、時折発信される無電の確認のためにアメリカへ。確認の結果、風で窓枠が揺れて、ということだった。 オーストラリアに戻るが、地球全体が放射性物質に覆われて結局人類は滅びる。 登場しない話だけ出てくるイギリスの飛行隊長を泊めたら赤ん坊を見て泣き出したりとかいった描写は、かなりリアリティがある。過去の経験から自分もそうなるだろうと思う。そんな中でも冷静に自分を保っていたタワーズ艦長は立派だと思う。 みんなが終末を迎えるにあたって、大きな混乱がそこまでなかったのも、実際はそうなのかもなと思う。法が機能しなくなり、カオスになるんじゃないかって想定されがちだが、人間はみんながそうではないだろうなと。そして死を目の前にして残りの人生をどう過ごそうとするのか、それも面白いシミュレーションだったなと。
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理不尽な状況での予定された終焉。 どう過ごすかはモロに人間性がでるね。 悔しい、やり切れない、葛藤、様々あるのは承知の上で、健康体で最後の日が予告されて自分の締めくくりを思うように過ごせるというのは、羨ましいと思ってしまう。
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1960年代の、オーストラリアのメルボルンを主な舞台とした群像劇 些細な軍事的な小競り合いから始まってしまった、核保有国同士の止まらない報復行為の果てに、北半球の大半の都市も国家も高濃度の放射能に汚染された死の区域と化してしまい、またその汚染は刻一刻と南半球の地にも迫っている メ...
1960年代の、オーストラリアのメルボルンを主な舞台とした群像劇 些細な軍事的な小競り合いから始まってしまった、核保有国同士の止まらない報復行為の果てに、北半球の大半の都市も国家も高濃度の放射能に汚染された死の区域と化してしまい、またその汚染は刻一刻と南半球の地にも迫っている メルボルンも北半球の都市と同じく、生命の生存が不可能になる、まさに“その日”までの出来事を、様々な人物の視点から克明に描いている作品 月並みではあるけど、“自分だったらどうするか?”ということをずっと考えずにいられない 人はいつかは死ぬものだけど、その期限がはっきりと定められてしまい、回避する手だてはなく、誰もが等しくその運命を避けられない状況下になったら? この作品では、それでもそれまでの生活を変えずに生き続ける人がとても多いのが、胸にくるものがあった 変えられない死が迫っているとしても、さりとてやりたいことを特別に探したりはしないで、それまでの日常の仕事をまっとうしている人がたくさんいる だからこの物語では、ホテルのバーで上質な酒を飲んだり、レストランで食事を楽しんだり、電気も水道も今際の時まで使えるし、医者も往診に来てくれるし、薬局でも“その時に”必要な薬物を皆に行き届かせようと勤勉に働いてくれている 自暴自棄になる人より、迷い恐れながらも、身近な誰かを想い合ってる場面が多くあることが、何とも好ましい 彼らはすべて亡くなるのだと分かりきっているからこそ、その佇まいやあり方がより悲しみをかきたてる また、人間のことだけでなく、ペットや家畜の世話をする人間が先に死んでしまった時に、どうしてやればいいのかと悩む人が幾人もいたのも、身近に動物がいる読者として嬉しかった 自分も何より考えるのはその事だから この物語の主たる人物は大きく分けて2組の男女で ひとつはオーストラリア海軍海兵の通信士の夫と、娘を出産したばかりの妻、 その夫婦の友人にあたる農場の娘と、夫の上官にあたる原子力潜水艦艦長のアメリカ海軍将校 極限状態で人はどう生きて選択するのか? というテーマの中に強く“夫婦愛”が盛り込まれている 後者のふたりは夫婦ではないが、互いの夫婦観を尊重しあって想い合っていた、それがすごく素敵でうつくしかった 婚外恋愛と言ってしまえば、そうかも知れない でもそれよりは“同志”のように想い合っていた、2人にしかない特別な関係が結ばれていたと感じる また、この物語は“夫婦愛”などを始めとする民間人パートと 確実に生存者がいるはずのない地域からの無線が届くことを調査に出かける潜水艦パートにも分かれており、そちらもまた読みごたえあります 無線が発されていた原因を発見する場面の緊迫感と、ちょっとのユーモラスな話の緩急がおかしみがあって、悲しみはあるけどすごく好きな場面だった いい作品です SFの名著と謳われるのも納得です あの場面がいいよね、あそこも好きですね、なんてたくさん言い合える読書会がしたいなあって願わずにいられない、そんな一冊でした
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