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渚にて 人類最後の日 人類最後の日 創元SF文庫
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渚にて 人類最後の日 人類最後の日 創元SF文庫

ネビル・シュート(著者), 佐藤龍雄(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 2009/04/30
JAN 9784488616038

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渚にて 人類最後の日

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商品レビュー

4.3

106件のお客様レビュー

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2026/06/13

皆さんは、残り一ヶ月、残り一週間、そしてあと一日と、徐々に世界ごと滅びる運命に置かれたとしたら、どのように行動するだろうか? この作品は、そんな究極の問いの答えの一つを、静かにしかし厳かに示してみせる。 北半球での核戦争が終わり、放射能が徐々に南半球をも侵食していく世界。 絶...

皆さんは、残り一ヶ月、残り一週間、そしてあと一日と、徐々に世界ごと滅びる運命に置かれたとしたら、どのように行動するだろうか? この作品は、そんな究極の問いの答えの一つを、静かにしかし厳かに示してみせる。 北半球での核戦争が終わり、放射能が徐々に南半球をも侵食していく世界。 絶対に逃れられない死へのカウントダウンの中で、残された僅かな時間を生きるオーストラリア南部の人々。 このような状況に置かれたら、人はパニックを起こし、好き放題に背徳的に振る舞うのではないか、そう考える方も多いだろう。 だけどこの作品は違う。多くの人は、まるで自分たちに死は訪れないかのように、普段通りの時間を愛する人や物とともに過ごし、そして宿命の時を迎えるのだ。 そこにはもはや悪人はいないと言えるだろう。 これは現実逃避ではない。 目を離せば戦争を引き起こしている愚かな人類。 だけどこの『いつも通りの穏やかな日常』は、まさにその同じ人類が放った、誇りに満ちた最期の輝きだったのだ。僕にはそう思えてならない。 「こんなに立派で素敵な人たちが、なぜ、なぜ死ななければならないのか。これからもずっと、優しい日々を送ってほしいのに!」 この小説を読み終えて、僕はこう叫ばずにはいられなかった。 ここからはネタバレを挟む。 主要な登場人物五人のうち、僕が最も感銘を受け、琴線を揺さぶられたヒロイン格のモイラ・デイヴィッドソンとその従兄、ジョン・オズボーンを中心に、彼女や彼たちの生き様を眺めてみよう。 読みたい方、まだ読み終えていない方は、ぜひ最後まで読んでから再び来てほしい。 モイラは当初は自由奔放で、あたかも単純明快な女性であるかのように描かれる。 ブランデーに溺れ、今さえ良ければいいと、ただ享楽的に動いているだけのように見える。 だけどドワイトに出会い、彼の頑なで少し不器用ではあるが誠実な人生観に触れて、彼女も少しずつ変化していった。 荒っぽい言い方をすると、この作品は彼女の成長物語としても眺めることができるのだ。 自由を象徴する一人の女性(モイラ)が、規律と誠実を象徴する一人の男性(ドワイト)を愛し、その過程で、さらに大らかな視点を手に入れる。 このような美しくも尊い過程に、胸を震わせられない人が果たしているだろうか。 放射能という終幕が、今まさに降り注ごうとしているオーストラリア・メルボルンで、僕ら読者が見出したモイラは、もはやかつての享楽的な彼女ではなかった。 そこにいたのは、絶対に叶わぬ恋と知りながらも、ドワイトという男性を深く深く、自己犠牲的なまでの献身とともに最期まで愛した女性だったのだ。 彼女は残された今この瞬間を、愛する人のために最大限に生きようとする女性として、生まれ変わったのである。 愛車のハンドルを握り、悲しいまでに煌びやかな瞳で見据えた東の灰色の海と空の果てに、彼女はドワイトの姿を認めただろう。 そうであってほしいと、僕は強く願う。それは彼女にとって最期の、そして最高の花束になっただろうから。 科学者ジョン・オズボーンは、冷徹なまでに研ぎ澄まされた知性の象徴として描かれるが、それだけなら僕の胸中をここまで揺らさなかったはずだ。 知的な彼だから、自分の死期を正確無比に知っていたに違いないのだ。 そこで彼がやったことも、やはり、自分の内で愛せるものを創造することだった。 彼は掘り出し物のスポーツカー・フェラーリを愛することに決め、深層に秘めたありったけの情熱をそのクルマに注ぎ込み、あまりにも過酷なカーレースに出場しようと決意する。 そして死闘の果てに、見事な優勝を成し遂げてみせるのだ。 これは人によっては、読み流しの対象になるエピソードかもしれない。だが僕はこのオズボーンもまた、格好いいと思った。 この優勝は、自らの愛が本物であったということを、彼自身の手で証明したことに他ならないからだ。 彼は知性を手にしたまま、より人間らしい男性として生まれ変わったのだ。 彼は愛車のコックピットで、奇しくもモイラと同じく、ハンドルを握った姿勢で眠りにつく。 愛するクルマの中で死ぬことができたというだけでも、彼と愛車にとっては本望だっただろう。 けれど僕はその時のオズボーンの両眼が、モイラ、ドワイト、そしてホームズ一家をも、同時に見据えていてくれたらと願う者である。 たとえどれほど身体が朽ち果てようとも、彼らの魂の絆はこれからも、強く、強く結ばれ続けるだろう。 愛すべき登場人物たちよ、Rest in Peace.

Posted by ブクログ

2026/05/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

世界の終焉を描いているのにここまで穏やかで静かな雰囲気の作品があるとは思わなかったので衝撃を受けた。 出てくるキャラクターもみな(軍人という職業はやや特殊だが)普通でまともな人。フィクションらしくキャラが異常に濃い人間もおらず、ノンフィクションなのではないかと思うほど淡々と日々が描かれる。 だからこそ登場人物全員の気持ちが理解できる。皆死ぬことは決まっているのに信じられない気持ち。そして死が目の前にやってくるギリギリまで自分の仕事をして、日常生活を送る姿は、実際に人間がこういう状況に置かれたらこうなるんじゃないかと納得がいった。 そんな静かなストーリーだからこそ所々にそっと描かれる悲しみや悔しさが際立っていた。 メインとなるタワーズ大佐、モイラ、ピーター・ホームズの3人がとても好きで、もっと長生きすべき人たちなのに…と切なくなってしまった。   戦争をしている国のトップに読んで欲しい。 ストーリーの性質上やや単調なのと船に関する専門用語が多くて少し読みづらかったが良作。⭐︎3.7〜4くらいかな。

Posted by ブクログ

2026/05/21

終わりを知った世界でも、今日を生きていく。 【読後の感想】 大戦争の勃発後、放射能に覆われた世界は徐々に死滅していく。 人類絶滅を目前にした人間は、何を考え、どんな行動をするのだろうか。 希望がほとんど残されていない世界でも、それぞれが日常を続け、意志を持って選択していく姿に、静...

終わりを知った世界でも、今日を生きていく。 【読後の感想】 大戦争の勃発後、放射能に覆われた世界は徐々に死滅していく。 人類絶滅を目前にした人間は、何を考え、どんな行動をするのだろうか。 希望がほとんど残されていない世界でも、それぞれが日常を続け、意志を持って選択していく姿に、静かな余韻が残る作品だった。

Posted by ブクログ

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