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クロニクル 千古の闇(5) の商品レビュー

4.2

30件のお客様レビュー

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    11

  2. 4つ

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2024/04/01
  • ネタバレ

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トラクとレン、それにウルフにも、これでもか、という試練が襲い掛かる。命の危険が、それぞれに繰り返し降りかかる。助かったか、活路を見出したか、と思っても、さらに絶望的な状況になり、先が見えない。 前巻でトラクはハズシになり、自分のアイデンティティである氏族を失うが、レンと親族であるベイルの復讐を思い詰めることによって諍いを起こして分かれ分かれになってしまい、さらには、唯一の群れの仲間で兄弟であるはずのウルフにも「兄貴はオオカミじゃない」と逃げ出されてしまう。 レンのほうでも、これまでの経験と知恵を総動員させて活路を探し続けるが、ついに魂食らいシアジの手に落ち、大事にし続けてきた弓を折られ、ウルフに呼びかける笛も焼かれてしまう。 絶体絶命の危機の中で、森の木々や動物たち、かつての親や氏族たちのしてきたこと、氏族たちの暮らしの決まりが、最終的には二人を助けた。 トラクは復讐をすることを誓って、シアジを殺すために追っていくが、たとえ魂食らいであっても「人を殺す」ことが許されない、という時代の掟がトラクを縛る。生きるため、食べるために、ハンターではない生き物を狩ることはあっても、いたずらに殺すことは許されないということになるが、現代から考えると(そして数多の物語から考えると)、相手側がここまで追い詰めて殺しに来ているのに(実際にベイルは殺された)、そんなことで納得がいくだろうか、とも思ってしまったりする。 でも、実は、この考え方が、人間の歴史の中にある戦争を生み出し続ける根源なのではないか、とも考えてしまう。 過酷な環境、過酷な宿命、過酷な生き方の中で、トラクは生きて、生かされている。 ウルフのパートナーとなる黒毛は言う。 「オオカミは、仲間を見捨てないものよ」 たとえ、それが尻尾なしであったとしても、だ。 終盤で、トラクの母の謎も語られていく。 トラクが生まれた時、父親が手を貸した邪悪な行いをただすため、魂食らいや悪霊と闘う定めとなったトラクに、天地万物の精霊から母の命の代わりにトラクに「生霊わたり」の力が授けられた。 過酷な運命。でも、母は命をかけて、トラクに宿命とともに力を授けることを選んだのだ。 いよいよ次で最終巻。 氏族は失ったものの、トラクの名前を憶えて受け入れてくれたレンとフィン=ケディン、ウルフ、リップとレックを含めた群れの仲間たち、これまでの旅で出会った人たちとともに、最後の戦いになる。

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2018/05/27
  • ネタバレ

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ベイルの死。復讐を誓うトラク。ウルフの心の成長。 オーク族の魔導師との対決。 トラクのレンの距離も近づいて、二人の成長と恋の行方も気になるところ。

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2017/10/23
  • ネタバレ

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一度読みだすと止まらないですね。ノンストップで読みました。毎度毎度辛い現実や試練を与えられる主人公の運命。まだ年齢的には中学生と同じ年にそんな辛い局面に何度も立たされなきゃいけないと思うとしんどいなと思います。(主人公の生きていた時代と私達の生きている時代は全然違うので年齢的に同じだからといって重ねるのもあれなんですけども) まだ大人になり切れていない主人公は、いつでも正しい決断や行動ができるわけでありません。そこで生まれる怒りや、やるせなさを読むと胸が痛くなります。 ずっと共にいた狼の友人との関係の変化にも泣けてきます。女の子友達とのギクシャクしたぎこちなく不器用な関係の変化は、口元のゆるみが抑えられないですね。そこがメインではないのですが、そういう関係の変化の中で主人公や他の登場人物にたまに垣間見える幸せな場面がいいです。最終巻を読むのが楽しみです。

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2016/04/08

トラクがちょっと自分を見失いそうになっている様子が前回に引き続き読みにくいところでした。 だんだん謎も明かされていき、最終巻を読むのが楽しみです。

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2015/11/25

最高だった。まさかベイルが死んでしまうなんて…。もうショック過ぎて。やっぱりベイルはレンのことが好きだったんだね。あそこでトラクが怒らなければとは思ったけど、怒ってくれてよかった部分もある(笑)トラクとレンがお互いに好きなのがやっとわかってきて嬉しかった。連れ合いになってほしい…...

最高だった。まさかベイルが死んでしまうなんて…。もうショック過ぎて。やっぱりベイルはレンのことが好きだったんだね。あそこでトラクが怒らなければとは思ったけど、怒ってくれてよかった部分もある(笑)トラクとレンがお互いに好きなのがやっとわかってきて嬉しかった。連れ合いになってほしい…。深い森の人たちが怖かったし、シアジの考えることが酷すぎて怖かった。でも、トラクのお母さんとお父さんのおかげでレンが連れ去られたときに助かることができたし。これでなぜお母さんがトラクを氏族なしにしたのかわかった。お母さんが天地万物の精霊と関係があったとは。トラクの呪物入れが天地万物の精霊の角なのには驚いた。それでもやっぱり切ないね。あと、ウルフに子供が…!かなり嬉しい。黒毛と連れ合いになるのかなとは思ってたけど。 今回はトラクとレンの関係がもう良すぎた(笑)ずっと叫んでしまった…。トラクが馬に乗ってレンを助けに来るところとか、レンがお礼を言うところとかトラクがレンを抱きしめるところとか…! イオストラとの戦いがどうなるのかと、トラクとレンの先が気になる。 評価は5じゃ収まらない…。

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2015/08/06

6000年前の北ヨーロッパを舞台にしたファンタジーシリーズ。冒頭から驚愕の展開で、ぐいぐい引き込まれます。そしてまたトラクとレンのふたりに試練が待ち構えています。 強大な敵に対する無力感。復讐心で進んでいたものが、打ちのめされ動けなくなった時に現れる本当の気持ち。王道の展開ではあ...

6000年前の北ヨーロッパを舞台にしたファンタジーシリーズ。冒頭から驚愕の展開で、ぐいぐい引き込まれます。そしてまたトラクとレンのふたりに試練が待ち構えています。 強大な敵に対する無力感。復讐心で進んでいたものが、打ちのめされ動けなくなった時に現れる本当の気持ち。王道の展開ではありますが、それ故に爽快感に溢れたものでもあります。 魂を他の生き物へ飛ばしてみせたりなどファンタジー要素もありますが、6000年前の自然と人間の境目があいまいだった世界では、本当にあったことではないかという気にさせられます。それは当時の衣食住が綿密に描かれ、そこから生み出される原始的宗教心が描かれているからでしょうか。そのため遠く離れた世界にも容易に入り込めます。 さて残るは最終巻のみ。どういう結末を迎えるか楽しみです。

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2015/07/11

2015年6月30日読了。 読み始めから衝撃!シリーズ、だんだん暗くなっていくのに、それでも読ませる力を失わないのが凄い。

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2015/04/29
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レンをめぐっての恋のライバル、アザラシ族のベイルはどうなるのかなぁと思っていたら、 いきなり殺されてしまうとは予想外の展開。 原因が自分にあると思い復讐を誓うトラクが、 レンを救うために復讐をあきらめたことに、 大人になったことを感じた。 今回の闘いで、魂くらいとの戦いを運命づけられたトラクに、 母親が命をかけて「魂わたり」の力を授けてもらい、 氏族なしになったことが判明して、ちょっとすっきり。 トラクがオオカミでないことにとうとう気がついたウルフがどうなるかと思ったが、 気に入っていた〈黒毛〉が群れを抜けて、 ウルフと一緒になってくれて、本当に良かった。 子どももできたし。

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2014/08/17

特殊能力がある登場人物は それを使いこなしがちだけど トラクやレンは違うんだな(^_^) 人間らしくて好きです 今回も追い詰められるレンが 冷静に考え、勇気をふるいおこして 行動を起こすところ 負けないで努力するところが好きです

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2014/06/16

こんなにも物語が深くなるなんて。 復讐との終わり無き格闘を通して、哲学が、世界観が、歴史観が、人間観が、なによりも一人の生き方が変わるさまを描いてくれるなんて。 トラクのお母さんの大きな愛情。世界への愛情。息子への信頼。これらがレンを通して、フィンケディンを通して、トラクを救...

こんなにも物語が深くなるなんて。 復讐との終わり無き格闘を通して、哲学が、世界観が、歴史観が、人間観が、なによりも一人の生き方が変わるさまを描いてくれるなんて。 トラクのお母さんの大きな愛情。世界への愛情。息子への信頼。これらがレンを通して、フィンケディンを通して、トラクを救った。 最後には象徴的なウルフの新しき生命の胎動が。仲間として、認めてくれるなんて。 もう言葉になりません。

Posted byブクログ