クロニクル 千古の闇(5) の商品レビュー
同じものを気に入り同じ冗談で笑える友人ベイルが殺された。≪魂食らい≫のひとりであるシアジのしわざと知り、復讐を誓ったトラクは、フィン=ケディン、レン、ウルフと共に、後を追って〈深い森〉へと入っていく。 そして氏族間でもシアジによって惑わされ、復讐の戦いが始まろうとしていた・・・...
同じものを気に入り同じ冗談で笑える友人ベイルが殺された。≪魂食らい≫のひとりであるシアジのしわざと知り、復讐を誓ったトラクは、フィン=ケディン、レン、ウルフと共に、後を追って〈深い森〉へと入っていく。 そして氏族間でもシアジによって惑わされ、復讐の戦いが始まろうとしていた・・・。 今から6000年前の世界。森だったり、想像できないほどの古木だったり、この本を読んでいると、なにものにも荒らされていない太古の自然が目の前に見えるように感じる。トラクの苦悩、レンの真っ直ぐさ、トラクがオオカミではないと知ったウルフの戸惑い、物語に引き込まれますね。
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親族であり友人が殺された──。 跡を見つけることが得意なトラクは、その場に遺された痕跡から、犯人が<魂食らい>の残党、オーク族の魔道師シアジであると知る。 友人の何気ない一言で、子供っぽく腹を立て、彼一人を残したことに対する後悔と自責の念から復讐を誓ったトラクは、シアジの向かった...
親族であり友人が殺された──。 跡を見つけることが得意なトラクは、その場に遺された痕跡から、犯人が<魂食らい>の残党、オーク族の魔道師シアジであると知る。 友人の何気ない一言で、子供っぽく腹を立て、彼一人を残したことに対する後悔と自責の念から復讐を誓ったトラクは、シアジの向かった<深き森>へと足を踏み入れる。 今から6000年前の北ヨーロッパの針葉樹の森が舞台の、壮大な古代ファンタジーも、5冊目。 死は現代よりも身近にあり、闇はより暗く深い時代。 大自然は時にやさしく時に残酷に、生きとし生ける者を見守り続ける。 物語も佳境に入ったものの、相変わらずトラクはすぐに頭に血が上ってしまうらしい。 カッとなる気持ちも解らなくはないが、シアジは恐ろしい怪力の持ち主、正面切って倒せるような相手ではないし、そこに至るまでの道のりも甘いものではない。 復讐に燃えるトラクの視野は狭くなり、そのせいでますます事態が悪化してゆくのは、見ていて歯痒いばかりだ。 片やレンは、自分の境遇や受け継いだ才能を受け入れ、それを己の武器として最大限に利用しながら危機をくぐり抜けていくようになる。 もう少し、トラクがレンの言うことに耳を傾けてくれればいいのになぁ……と思うばかり。 トラクの出生の秘密も明らかになり、 彼の両親が時を経てレンを救ったことも運命なのか。 終盤、ウルフに訪れた幸福に目頭は熱くなるけれど、まだ最終巻が残っていることに一抹の不安。 どうか、どうか、この幸福が続きますように。
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今回も近しい人の死からはじまる・・・。 トラクがやっと見つけた親族で友人のベイルが亡くなった。その直前のいさかいからトラクは自責の念にかられ、魂喰らいのシアジへの復讐に一人で向かおうとする。 フィン・ケディンは死の予言を受けながらも、氏族間の諍いを無くすために、レンとともにトラクと旅立つ。 しかしシアジの巧みな誘導にひっかかったトラクは、シアジの無念を晴らすため復讐に心奪われ、フィン・ケディンに重傷を負わせてしまう。 今回も苦しい戦いが続く。トラクはレンへの気持ちに気がつきつつも、巻き込んではいけない、自分が背負わなければという悩む。レンはまっすぐにトラクを助けているのに・・・。 氏族に属さない、天涯孤独のトラクだが、4巻からワタリガラス族でも認められ、一人でがんばりながらも、仲間を得てゆく。
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次で最終回…!今回はトラクの復讐の葛藤だったので内容が暗かったです…だけど大分周りの繋がりがわかってきたので面白かったです!最後のウルフとのとこは本当に愛しかった…!おめでとうウルフ!
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またしても危機一髪なトラクとレン。次々と襲いかかる災難にページをめくる手が止められない、のではなくつらくてなかなか前に進めませんでした。 今回は集団ヒステリーの恐さがあります。現代に通じるものを感じてしまいます。 精霊や魔術、といったプリミティブな世界がリアルに楽しめました。特に...
またしても危機一髪なトラクとレン。次々と襲いかかる災難にページをめくる手が止められない、のではなくつらくてなかなか前に進めませんでした。 今回は集団ヒステリーの恐さがあります。現代に通じるものを感じてしまいます。 精霊や魔術、といったプリミティブな世界がリアルに楽しめました。特に食べ物に関しては毎回興味深いです。
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冒頭、いきなりの展開でしたね。 物語も5巻までくると、はぐれ者だったトラクと周りの人々、レンやフィン=ケディン、ウルフたちとの絆も固いものとなってきて安心して読み進められる。若干、ワンパターンな気もしないでもないけれど・・・。
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だんだん話の流れがパターン化してきた感あり。最初に魂喰らいの悪事があり、トラクがそれを追っていって、いろいろあるけど最後は倒す、というような。けど、同じだけど同じじゃないんだなあ。前回もつらかったけど今回はもやもや。聡明で純粋な勇気のある少年から悩める青年へ、といった部分も少しあ...
だんだん話の流れがパターン化してきた感あり。最初に魂喰らいの悪事があり、トラクがそれを追っていって、いろいろあるけど最後は倒す、というような。けど、同じだけど同じじゃないんだなあ。前回もつらかったけど今回はもやもや。聡明で純粋な勇気のある少年から悩める青年へ、といった部分も少しあるかな。近しい人が殺されて。後で謝ろうと思っていたとゆーのに、その罪悪感もあってトラクの気持ちが痛かった。その上気持ちばかりが先走って周りが見えなくなったりして。でもそれでもレンやウルフがいる。1人じゃなくてよかった。イチイの木の話はすてきだった。レンを助けたのがトラクの両親だったということ。トラクの力は彼らと対抗するためのものだったということ。残る1人。それで全てに片がつく、ということか。ウルフ!トラクがオオカミじゃないとさとったときの混乱ぶりがなんか愛おしかった。心配していたことだったけど、”黒毛”がいてくれてよかった。これでウルフも大丈夫だ。復讐、ということをオオカミは理解できない。なぜ殺すの?そう、確かに殺したところで失われたものは戻ってこないというのに。なぜ殺すのだろう?けれどそれ以外に憎しみをはらす方法があるのだろうか?憎しみを捨てろというのは簡単だけれど、できればそうしたいと思うけれど、もし本当に実際自分の大切な人がそいつに殺されたら、同じ苦しみをそいつに味あわせたいと強く願うのを止められるだろうか?分からない。とゆーかできればそーゆー目にこの先もあいたくないなあ。
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友人が殺された。怒りと罪悪感から復讐を誓うトラクは、犯人の「魂食らい」を追って「深い森」に入っていく。そこでは種族同士が抗争しており、見つかれば命の危険もあったが… シリーズも佳境に入り、トラクの出生の秘密も明らかになる。 魂食らいに騙され、扇動されて泥沼の紛争状態に陥った深い森...
友人が殺された。怒りと罪悪感から復讐を誓うトラクは、犯人の「魂食らい」を追って「深い森」に入っていく。そこでは種族同士が抗争しており、見つかれば命の危険もあったが… シリーズも佳境に入り、トラクの出生の秘密も明らかになる。 魂食らいに騙され、扇動されて泥沼の紛争状態に陥った深い森の種族は、現代に通じるものがある。復讐ということについて考えさせられた。 それにしても、第1巻では子供だったのにオオカミの成長は早いな。
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本作も挿絵を含め、グイグイと引き込まれる内容でした。 ちょっと冒頭に起こる事件がショッキングすぎたこと、シアジとの闘いがあまりにも呆気なく片がついてしまったこと、トラクが大人なんだか子どもなんだか戸惑うことを除けば・・・・ですけどね(笑) 太古の時代にスンナリと読者をいざなう...
本作も挿絵を含め、グイグイと引き込まれる内容でした。 ちょっと冒頭に起こる事件がショッキングすぎたこと、シアジとの闘いがあまりにも呆気なく片がついてしまったこと、トラクが大人なんだか子どもなんだか戸惑うことを除けば・・・・ですけどね(笑) 太古の時代にスンナリと読者をいざなう筆致は相変わらず冴えていて、そこには何ひとつ不満はないし、冒頭の事件がショッキングに思えたのは KiKi 自身が結構ベイルびいきだったので、ちょっと置いておくとして、シアジとの闘いの顛末はちょっと肩透かし・・・・・。 さんざんここまで引っ張ってきた割には「へ?」と言っているうちに終わっちゃったっていう感じで、何だか煙に巻かれたみたいな気分です。 大体、火をも支配していたはずだったシアジがどうして髪の毛に引火した火でやられちゃうんだ???? そして最大の欠点に思えちゃうのが、トラクが未だに子どもなんだか既に大人なんだかわからないところ・・・・・・。 まあ、「これが青春ゆえの不安定さ」と考えられなくもないんだけど、トラクが言ったりやったりすることがどうも支離滅裂に思えちゃうんですよね~。 妙なところは「大人」のくせに、案外なところで「子ども」なんで・・・・・。 KiKi は個人的にはこれだけ「生きることが厳しい時代」に、これだけの宿命を背負って生まれた子どもは早熟であって然るべき・・・・・だと思っているので、大人っぽいトラクは結構受け容れやすいんだけど、妙なガキっぽさを示されちゃうと、第1巻ならいざ知らず、第5巻にもなって・・・・・とちょっと批判的な目で見ちゃう傾向があります。 (全文はブログにて)
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シリーズ5作目。身近な人の死から始まり、怒りの感情が強く出ている今作。トラクの出生の秘密についても解き明かされ、次巻のクライマックスに向け、期待が高まる。ラストシーンに温かい気持ちになれる一作。
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