不透明な時代を見抜く「統計思考力」 の商品レビュー
最初から最後まで止まることなく読みきれる統計の本なんて、なかなかないんじゃないだろうか。 本書は、まさに「止まらずに読める統計本」という稀有な一冊。 著者は、東北学院大学の准教授さん。かつて日立に勤務されたサラリーマンの経験を持つ方だ。 「止まらずに読める」大きな理由のひとつと...
最初から最後まで止まることなく読みきれる統計の本なんて、なかなかないんじゃないだろうか。 本書は、まさに「止まらずに読める統計本」という稀有な一冊。 著者は、東北学院大学の准教授さん。かつて日立に勤務されたサラリーマンの経験を持つ方だ。 「止まらずに読める」大きな理由のひとつとしては、著者の神永さんが「自分に課した大きな課題は、数式を使わない、ということでした」と書かれているように、「数式が少ない」という点が挙げられる。 でももっと根っこのところでは、タイトルどおり、「不透明な時代を見抜く」ための統計学という切り口に徹底して、この切り口に合致する例題のみを数珠のように連ねている。だから、読者は止まらずに本書を読みきれるのではないかな。 だって、みんな未来を知りたいから。 連ねられた例題は、不透明な時代を見抜くという切り口に合うよう、すごく吟味された上で掲載されているように感じた。 また、本の装丁・レイアウトも読みやすさに一役買っている。 ディスカバー21の本は久々に読んだけど、レイアウト、パワーアップしているんじゃないのかしらん・・・ 目次や、章のタイトルなど凝りまくっている。 雰囲気は、レトロな学校を装った未来の学校。(なんのこっちゃ。ゴメンナサイ) グラフは多用されているが、全て見やすい。そして、なんだかグラフが可愛いと思ったら、グラフの上にジンジャークッキーのような絵がついてたりして。フォントももちろん凝っている。 編集者さんは、やってるうちにノリノリになっちゃったんだろうなー。 いつもの、本書を読んで印象に残ったフレーズは以下の通り。 1.べき分布について。極端な差が出やすい性質を持つ分布。高額所得者の上位1%は、その他の99%とはまったく違うべき分布になっている。 2.人口予測は、安定して予測でき、信頼を置ける予測の一つである。人口学は未来を知る上で基本となる、非常に重要な学問。 3.半導体(ICカード)ビジネスは世界の縮図。セキュリティ技術の根幹を握るアメリカ、評価とシステムを握るヨーロッパ、ハードとソフトを作る日本という大きな構図。そして、猛烈な勢いで追い上げてくる韓国。基礎理論と基礎技術を固めつつ、じわじわと迫ってくるイスラエル。 統計学とは直接関係ないものの、特に3番には釘付けになった。どういうことなんだろう?ヨーロッパの部分がわからない。 もっと深彫りして聞いてみたい内容だ。神永先生にメールしたら、もう少し教えてくれるかな?
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統計に対してどのように思考すればいいかがわかりやすく説明されている。 データを自分で積極的に解析したい人にはおすすめの一冊。
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べき分布の重要性。正規分布を前提とした現代の統計学的手法に対する批判も。いわゆる統計屋というよりも、データ扱いオタクという視点での切り口が新鮮。
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小飼弾氏のお勧め本。 数字の大事さと、事実を読み解く力が大事だと改めて思い直しました。 ・若者の読書離れ ・小泉政権が格差を拡大させた に関する分析は、非常に勉強になった。。。
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「自分の未来を考えるうえで、統計思考(=データ分析)ほど強力な方法論はない」と説く神永氏。 あるデータ群に基づいて導かれた結論を鵜呑みにするのではなく、まずその元データに当たることが大切であるというのは、確かにそうだと思った。但しそれを実践するのはかなり大変であるが・・・。 統...
「自分の未来を考えるうえで、統計思考(=データ分析)ほど強力な方法論はない」と説く神永氏。 あるデータ群に基づいて導かれた結論を鵜呑みにするのではなく、まずその元データに当たることが大切であるというのは、確かにそうだと思った。但しそれを実践するのはかなり大変であるが・・・。 統計思考を身につけるために、1)データを見る。 2)データを読む。 そして、身につけた後、3)データを利用し、過去データから未来を予測する、のだそうだ。 データ群という、一般人にとっては敬遠しがちな情報に進んでアクセスし、自分のための道具にする方法を、できるだけ数式を用いないで説こうとしているのも好感が持てた。(数式嫌いやし、ワシ(^_^;)) 理系人間よりも純文系の方にこそ、トライしてみて欲しい作品。
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良かった。統計がどういう考え方なのか、どうやって役立てるのかが、興味を引くように書かれている。これだけで何かが出来るようになるわけじゃないけど、統計をもう少し知りたくなった!!(2009.07.25読了)
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別に統計学の専門家というわけでもないのに、統計に拠るツール、フレームワークを豊富に紹介できるだけのネタがあるのは、素晴らしい。
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?データを先に見る。 ?だれかが解釈する前のデータを見る。 ?自分の仮説に反するデータも集める。 売上額÷消費者物価指数×100 ジニ係数 45度線とローレンツ曲線が囲む部分の面積の2倍 ローレンツ曲線 所得の低い順に並べ、下からxに属する人の所得の累計が、全体の何%に当る...
?データを先に見る。 ?だれかが解釈する前のデータを見る。 ?自分の仮説に反するデータも集める。 売上額÷消費者物価指数×100 ジニ係数 45度線とローレンツ曲線が囲む部分の面積の2倍 ローレンツ曲線 所得の低い順に並べ、下からxに属する人の所得の累計が、全体の何%に当るかをy。 2002-2005年のジニ係数の上昇のうち9割は、高齢化と平均世帯人員の減少が原因。 非正規雇用の増加や、正規-パート間の賃金格差拡大 は、以前から続いている。 ★ポワソン分布 稀にしか起こらない互いにまったく無関係の事象が、一定期間に何回起きるかを記録すると現れる分布。 →ある事象がポワソン分布になるならば、それらは互いに無関係に起きていることを意味する。 まったく互いに無関係にランダムに起きる現象は、連続して起きる性質がある。 →連続して起きるのは単なる偶然かもしれない。 e.g. 飛行機事故、地震 「今後10年の間に地震が起きる可能性は○%」という予測の信頼性はかんり高い。 タイミングの予測は難しい。
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統計の重要性とその実践について詳しい。 人によっては当たり前のことなのかもしれないが、少なくとも自分にとっては参考になる点が多かった。 サブタイトルにもあるように、小泉政権のマスコミ評価の是非を具体的に検証しており、説得力がある。 習慣化するまで、何回も読むとよさそう。 「その...
統計の重要性とその実践について詳しい。 人によっては当たり前のことなのかもしれないが、少なくとも自分にとっては参考になる点が多かった。 サブタイトルにもあるように、小泉政権のマスコミ評価の是非を具体的に検証しており、説得力がある。 習慣化するまで、何回も読むとよさそう。 「その数学が戦略を決める」も一緒に読むと面白い。
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オススメされてたのですぐ買って、半分くらい読んで放置してたのをやっと読了。 統計学に触れたことがない人向けに、統計学の基本を解説してる本。 解説でちょっと分からなくても具体例を出してくれるのでなんとか理解できる。 あと簡単に統計を見れるサイトがたくさん紹介されてました。 ...
オススメされてたのですぐ買って、半分くらい読んで放置してたのをやっと読了。 統計学に触れたことがない人向けに、統計学の基本を解説してる本。 解説でちょっと分からなくても具体例を出してくれるのでなんとか理解できる。 あと簡単に統計を見れるサイトがたくさん紹介されてました。 とはいえ予備知識がなさすぎな私にはまだ難しかった 基本的な用語にも私は馴染みがないので、 用語が解説される→理解する→1ページ後に忘れる→戻って読みなおすのサイクルが… 巻末に用語集が欲しかったw ゆっくりゆっくり読んで4割くらい吸収できたかな? もう一回ノートとりつつ読み直したい。
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