不透明な時代を見抜く「統計思考力」 の商品レビュー
統計情報をどう分析するのか、統計情報の解釈によってかなり誤った結論に誘導されてしまう。そのためにデータの見方や基本的な統計概念を知っておくことが大切という本です。 統計情報と世間一般(マスコミ報道?)がずれている具体的な例として、若者の読者離れ、小泉改革の格差拡大、凶悪事件の連...
統計情報をどう分析するのか、統計情報の解釈によってかなり誤った結論に誘導されてしまう。そのためにデータの見方や基本的な統計概念を知っておくことが大切という本です。 統計情報と世間一般(マスコミ報道?)がずれている具体的な例として、若者の読者離れ、小泉改革の格差拡大、凶悪事件の連続性、を挙げて説明されています。またブラック・ショールズの方程式をベースに運用して破綻したLTCM社の話もやさしく解説されています。ところどころ歯切れが悪くなる部分があるのは統計情報の境界エリアでのグレーさを知悉する著者の誠実さであるのかと思います。 相関関係と因果関係が違うというのは、何度も聞いていますが、改めて気をつける必要がある概念ですね。 --- 人口動態における「人口オーナス」と「人口ボーナス」という言葉は初めて聞きましたが、なるほどこのままだとこれまでのような成長は願うべくもないという気になってきます。
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"株や債券は、正規分布ではない"っていうところが面白かったです。株など大きく動くモノに関しては、平均や分散は存在しないそうです。 やはり、間違っているかも知れない事もあるので、リスクの取りすぎには注意が必要だと言うことですね。あと、出ている数字を過信することも...
"株や債券は、正規分布ではない"っていうところが面白かったです。株など大きく動くモノに関しては、平均や分散は存在しないそうです。 やはり、間違っているかも知れない事もあるので、リスクの取りすぎには注意が必要だと言うことですね。あと、出ている数字を過信することも・・・・。 で、解説よりも先にデータを見る大事さを実践していきたいです。 http://kaeru.orio.jp/blog/2010/02/book_23.html
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新聞を読んだときに、それを鵜呑みにせず、「それホント?」と生データに当ることを求めています。結構疑り深い性格なので、従来から鵜呑みにはせず、事実と意見を区別するように意識していました。事実を正確に把握したうえで、自分なりの意見を持つことが大事だと思っているからです。ところが、数字...
新聞を読んだときに、それを鵜呑みにせず、「それホント?」と生データに当ることを求めています。結構疑り深い性格なので、従来から鵜呑みにはせず、事実と意見を区別するように意識していました。事実を正確に把握したうえで、自分なりの意見を持つことが大事だと思っているからです。ところが、数字で示されているとそれを事実と思い込んでしまい、真実を見誤りかねないことに気付かされました。 例えば、偏差値というものはデータが正規分布の場合にのみ、有意であるそうです。皆さん、ご存知でしたか?ひょっとしたら、常識なのかもしれませんが、全く知りませんでした。しかも、試験の結果は正規分布になることはあまりなく、左か右に偏った分布になることが多いようです。といことは、偏差値は必ずしも実態を表していないということです。やはり、生データに当らないといけない真実は見えません。 試験の偏差値ぐらいは、大した問題ではないかもしれません。驚いたのは、オプションの価格を決めるブラック・ショールズ評価式も正規分布を前提にしているということです。以前、デリバティブを勉強したときに出てきたのが、ブラック・ショールズ評価式でした。オプションとは、「特定の期日に何かを買う、または売る権利」のことですが、この価格をいくらに設定するかは難しい問題です。この問題を「美しい数式」で解決したのが、ブラック・ショールズ評価式でした。「美しい数式」というのは、計算が簡単で、しかも金利や期間などのパラメータを動かしたときにオプション価格がどのように変化するか、一目瞭然ということだそうです。といっても、素人には、決して計算が簡単な数式には見えませんが。。。経済事象は、正規分布になることは稀なので、ブラック・ショールズ評価式では、大損する確率(大儲けする確率)を過小評価してしまっているそうです。評価式を開発しノーベル賞を受賞した学者が在籍したヘッジファンドLTCMの破綻は、皮肉にもそれを実証したことになります。 過去に一度もおきたことがないことは、どんな分析手法を使っても予測できません。今の不況は100年に1度といわれていますが、本当に100年に1度ならば、予測の可能性があったことになります。しかし、未曾有の不況は予測できない、ということです。
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仕事の出来る人は、重要な数字が頭に入ってるものだ、と書いてあった。 いい加減な俺は数字なんてすぐに忘れる。なんだかとっても納得した。 大学生の本離れとかいうけど、こうやって数字を並べてみるとそれは違うんじゃね?とか実例を引いてくれてて、筆者が言う「とにかく元の数字を当たれ。イメ...
仕事の出来る人は、重要な数字が頭に入ってるものだ、と書いてあった。 いい加減な俺は数字なんてすぐに忘れる。なんだかとっても納得した。 大学生の本離れとかいうけど、こうやって数字を並べてみるとそれは違うんじゃね?とか実例を引いてくれてて、筆者が言う「とにかく元の数字を当たれ。イメージで考えるな。」「数字をゲットしたら何でもグラフにしろ。」という主張がよく分かった。 なので、俺も仕事に関係ある数字をグラフにしてみることにした。 そういえば別に読んだ「山・動く」という湾岸戦争の後方支援を担当した人も、部下から最新の、かつ選りすぐりの情報をバインダーに閉じて、暇さえあれば眺めて頭に入れた、と書いてたな。
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統計学の入門書としても、単なる読み物としても面白かった。 ・若者の読書離れは本当か? ・小泉政権は本当に格差を拡大させたか? など様々な話題が、統計学を用いて説明されている。 データを集めて加工するだけなら、PCスキルと多少の数学的知識があればできるのだが、”意味のあるメッセージ...
統計学の入門書としても、単なる読み物としても面白かった。 ・若者の読書離れは本当か? ・小泉政権は本当に格差を拡大させたか? など様々な話題が、統計学を用いて説明されている。 データを集めて加工するだけなら、PCスキルと多少の数学的知識があればできるのだが、”意味のあるメッセージを抽出するために必要なデータを集めて、適切に加工する”、”分析結果から意味のあるメッセージを抽出する”、ってのは中々難しい。そういう意味で著者の用いる加工方法、抽出するメッセージには説得力があり、なるほどと思わされる。 世の中感情的に導き出されたり、自分の身の回りの経験だけで導き出されたりしたような施策がまかり通ってしまったりしているので、データに基づいた論理的・合理的な行動・判断をして欲しいなぁと改めて思った。
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会社で一時期不具合対応を扱っていたのですが、そんなときに統計はとても役に立ちます。 例えば、ある不具合事例があって、それが偶然起きたものなのか、製品が悪くて起きたのかがわからないと対応ができません。 またどの程度の頻度で起きているかによっても対応が変わってきます。 で、書店...
会社で一時期不具合対応を扱っていたのですが、そんなときに統計はとても役に立ちます。 例えば、ある不具合事例があって、それが偶然起きたものなのか、製品が悪くて起きたのかがわからないと対応ができません。 またどの程度の頻度で起きているかによっても対応が変わってきます。 で、書店にこんなタイトルの本が置いてあったら買ってしまうわけです。 内容は、統計を用いて世の中の変化の因果関係を探るという感じです。 (小泉改革と格差の関係とかだとわかりやすいですね) あとは標準偏差などの話もあり、読むと金融のことなどがわかりやすくなります。 こういった統計の本もたくさん読んでみると勉強になるので、続けて行きたいと思います。 *内容は省略します*
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数式が苦手な方も大丈夫!ビジネスマン必須の「力}! この本、面白いです!! テレビや統計に騙されないための本。 難しい数式は極力少なく、データを元に思考するということが分かりやすく 説明されています。 若者の読書離れは本当か? ということに対して、さまざまなデータか...
数式が苦手な方も大丈夫!ビジネスマン必須の「力}! この本、面白いです!! テレビや統計に騙されないための本。 難しい数式は極力少なく、データを元に思考するということが分かりやすく 説明されています。 若者の読書離れは本当か? ということに対して、さまざまなデータから、インターネットのせいなのか、 年齢別にはどうなっているのか、図書館の利用は・・・など、 興味のある内容にひきこまれました。 品質管理や、統計学を専門にしていない方にもオススメ。 基礎的な理解は、(具体例も含めて)ピカイチです。 <目次> 第1章 基礎編●データを読む それ、ほんとう? まず元データに当たる習慣をつけよう! 1 生データを入手する 2 データを図にする 検証 若者の読書離れはほんとうか? 検証 小泉改革は格差を拡大したのか? ジニ係数とローレンツ曲線/ワーキングプア・生活保護/ ホームレスとネットカフェ難民・失業と非正規雇用/ 平均給与・GDP・貯蓄 検証 連続する事件や事故に関係があるのか? ポアソン分布 3 専門外のデータはこうして読もう バイオ燃料が地球を救う? 第2章 中級編●データを読む 統計の基本を知って、正しく読もう 1 基本をおさえる 平均と分散 株価の動きに規則性は?/標準偏差 2 足したら出てくる 正規分布 ワイプル分布 3 一を聞いて十を知る 大数の法則 開票率数%で「当確」?/アンケートの偏り 4 分けて考える べき分布 ブラック・ショールズ評価式/安全な資産運用は幻想 5 因果関係と間違えるな 相関 国際学力調査 第3章 上級編 データを利用する 過去データから未来を予測する 1 未来を予測する ブラックスワン/失業率/日本の出生率/中国の繁栄はいつまで? 2 思考を錬磨する オープンコラボレーション 3 自力で考えることの最大の敵
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これだけインターネット経由でいろんなデータが拾える世の中ですから、それを統計的に有為な形で活用できる思考ができることは、ひとつの武器になるってもんです。統計というと高校数学でみんなが避けて通る「確率・統計」ってジャンルにもあるように、確率と関係が深いのですが、あらためて世の中のい...
これだけインターネット経由でいろんなデータが拾える世の中ですから、それを統計的に有為な形で活用できる思考ができることは、ひとつの武器になるってもんです。統計というと高校数学でみんなが避けて通る「確率・統計」ってジャンルにもあるように、確率と関係が深いのですが、あらためて世の中のいろんな事象が統計を活用していることに気付く本です。
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自分は理系ではないので数字には苦手意識があるのですが、『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』を読んでみて数学的に分析をしなくても、データを比較してみるだけで見えてくるものが違うことに気づきました。世の中で起きている現象の全てに当てはめられる方程式は存在しませんが、正規分布やべき分...
自分は理系ではないので数字には苦手意識があるのですが、『不透明な時代を見抜く「統計思考力」』を読んでみて数学的に分析をしなくても、データを比較してみるだけで見えてくるものが違うことに気づきました。世の中で起きている現象の全てに当てはめられる方程式は存在しませんが、正規分布やべき分布、ローレンツ曲線などあらゆるデータを見分けることで数字の裏に隠されている"メッセージ"を読み解く能力こそが重要だと認識することができるので、オススメです。 「自力で考えることの最大の敵は、自分にはわかるという過言です。いちばん難しいのは、正気を保つことなのです。正気を保つために、データ分析ほど強力な薬はないでしょう。」- pp250 http://d.hatena.ne.jp/separate-ks/20091020/1256043197
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■目次 第1章 基礎編●データを読む それ、ほんとう? まず元データに当たる習慣をつけよう! 1 生データを入手する 2 データを図にする 検証 若者の読書離れはほんとうか? 検証 小泉改革は格差を拡大したのか? ジニ係数とローレンツ曲線/ワーキングプア・生活保護/ ホームレ...
■目次 第1章 基礎編●データを読む それ、ほんとう? まず元データに当たる習慣をつけよう! 1 生データを入手する 2 データを図にする 検証 若者の読書離れはほんとうか? 検証 小泉改革は格差を拡大したのか? ジニ係数とローレンツ曲線/ワーキングプア・生活保護/ ホームレスとネットカフェ難民・失業と非正規雇用/ 平均給与・GDP・貯蓄 検証 連続する事件や事故に関係があるのか? ポアソン分布 3 専門外のデータはこうして読もう バイオ燃料が地球を救う? 第2章 中級編●データを読む 統計の基本を知って、正しく読もう 1 基本をおさえる 平均と分散 株価の動きに規則性は?/標準偏差 2 足したら出てくる 正規分布 ワイプル分布 3 一を聞いて十を知る 大数の法則 開票率数%で「当確」?/アンケートの偏り 4 分けて考える べき分布 ブラック・ショールズ評価式/安全な資産運用は幻想 5 因果関係と間違えるな 相関 国際学力調査 第3章 上級編 データを利用する 過去データから未来を予測する 1 未来を予測する ブラックスワン/失業率/日本の出生率/中国の繁栄はいつまで? 2 思考を錬磨する オープンコラボレーション 3 自力で考えることの最大の敵 ■レビュー
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