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新しい資本主義 の商品レビュー

3.9

54件のお客様レビュー

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2012/06/15

この方が代表を勤めるNPOと関わる機会があったので手にとりました。 日本が持つ潜在力を使って世界の問題を解決する、という切り口に興味があったので、他の金融云々というところは飛ばし読み気味。 著者のアプローチは以下の通り。 ・最新テクノロジー活用による貧困撲滅 ・民間からのアプロー...

この方が代表を勤めるNPOと関わる機会があったので手にとりました。 日本が持つ潜在力を使って世界の問題を解決する、という切り口に興味があったので、他の金融云々というところは飛ばし読み気味。 著者のアプローチは以下の通り。 ・最新テクノロジー活用による貧困撲滅 ・民間からのアプローチによる栄養失調改善 ・マイクロクレジットによる生活向上 新書なのでさらっとしてます、もちょっとちゃんと読み物が読みたいひとは同じ著者の「国富論」をどうぞ。ほとんど内容は同じです。 個人的には国連の旗の下での民間による支援、スピルリナプロジェクトに興味あり。 テクリスクとマーケリスクを引き受けて、テクに価値を見出して世に送り出していくベンチャーキャピタル。ほんと考古学者みたい。 こういう代表の思いのたけが、実際に組織としてのアウトプットって形だとどう実現されるか興味あり。 【メモ】 ザンビアのPaViDIA「ザンビア孤立地域参加型村落開発計画」 WAFUNIF日本アジア機構(World Association of Former United Nations Intern and Fellow, Inc) (NGO of UN)

Posted byブクログ

2012/06/03
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※このレビューにはネタバレを含みます

良書だ。本書のマインドにとても共感。こうなりたいと強く思う。 著者の原丈二氏は、日本人ベンチャーキャピタリストのパイオニア。「21世紀の国富論」を読んでたので、同じ著者の本を見つけて購入。 感想。今現在、万人うけしてはいないが、こうなりたい、こう生きたいと強く思う。 備忘録。 ・ヘッジファンドを代表とするアクティビストの配当要求は、過去の利益の蓄積を搾取する行為だ。株価至上主義がこれを助長。 ・金融工学の理論は、完全競争とか、経済学の前提を設定したうえで成り立っている。絶対的判断を与えてくれるものではない。 ・コア技術→産業の源泉。できた当初にはそれを何に応用したらいいいかわからないような。exエンジン ・アプリケーションン技術→コア技術を具現化したもの。ex自動車、トラック、船、飛行機 ・テクノロジーサービス→アプリケーションを使った産業。ex運送業、流通業 ・エンベデッド→コア技術を具現化する技術 ・bracNet→@バングラディッシュ。NGOと事業会社の合弁で、利益のNGO持分は非課税 ・公益資本主義→事業を通じてステイクホルダーに貢献することが価値として認められる資本主義。(株価至上主義とは異なる) 「あとがき」がいい。ぐっとくる。

Posted byブクログ

2012/01/17

リーマンショックの前から米国主導の金融資本主義の問題を見抜き、その脆弱性について警鐘を鳴らし続けてきた著者による「新しい資本主義=公益資本主義」の考え方を紹介した内容となっている。しかし実際に特にその点に言及している章はわずか30ページにも満たず、全編を通してみると、どちらかと言...

リーマンショックの前から米国主導の金融資本主義の問題を見抜き、その脆弱性について警鐘を鳴らし続けてきた著者による「新しい資本主義=公益資本主義」の考え方を紹介した内容となっている。しかし実際に特にその点に言及している章はわずか30ページにも満たず、全編を通してみると、どちらかと言えば著者がこれまで取り組んできたこと、これから取組んでいきたいこと、また日本は今後産業をどういう方向性に持っていくべきかということについて切々と語っている印象が強い。その息遣いは非常に読者に近く、著者の信念のようなものを感じさせ、また内容もその多くが共感できるものであった。 しかし僕の興味を引いたのは、内容そのものと言うよりも、なぜ原丈人という独特の思想、バランス感覚を兼ね備えた人物が生まれ得たのかということだ。原は法学部を卒業し、アメリカで考古学の研究を経た後、スタンフォード大学工学部大学院を修了。光ファイバー事業を起業後、これまでベンチャーキャピタリストとして活躍してきた。金融、投資的な視点と技術、製造的な視点をここまで高度なレヴェルでバランス良く兼ね備えた存在はかなり稀有ではないか。 原について「①好奇心」「②進取」「③公共心」の三つのキーワードで考えてみたい。①元々原は文系であったようだが、そのような区分に囚われることなく、自らの好奇心に従って、考古学からITまで横断的に幅広く関わってきた。②また普通であれば生活の安定を求めて躊躇してもおかしくない数々の局面で、臆することなく進取の精神を発揮してきた。③そして特に注目したいのは、自らの経験を日本のために役立てたいという強い公共心を持っていた点である。これは長い間米国という異国の地で活動してきたからこそ持ち得たのかもしれない。そこで第一線で戦ってきたからこそ、対岸の日本をそのまま日本というスケールで捉えることができ、そしてその良さというものを客観的に捉え、世界にアピールしたいと感じるに至ったのだろう。 やはり個人的にも、大雑把に言わせてもらえば、西洋と東洋とでは“世界”の捉え方が異なる部分が多いのではないかと感じる。その認識を出発点とし、ただ西洋のものさしに合わせるだけでなく、どうしたらより良い社会になるか、そのために会社という組織が何をできるのかということを地道に考えていく必要があると感じた。また一方で、どうしたら原のような、高度なレヴェルで、異分野をまたがったり、結びつけたり、壊したりする、良い意味での“トリックスター”的な面白い存在になれるのか、その点も非常に興味深いと感じた。組織的に排出することができるのか、それとも組織に縛られないからこそ生まれ得る存在なのか?(2010年読了)

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2012/01/04

欧米型市場万能主義へのアンチテーゼ 著者はタイトルにある「新しい資本主義」のモデルを実現実行しているベンチャーキャピタルの最前線を行く人物である 「端的にいおう。「幸せ」を数式で表すことができるだろうか 。」 【第一章 金融資本主義の何が間違っていたのか】 から始まり 「私...

欧米型市場万能主義へのアンチテーゼ 著者はタイトルにある「新しい資本主義」のモデルを実現実行しているベンチャーキャピタルの最前線を行く人物である 「端的にいおう。「幸せ」を数式で表すことができるだろうか 。」 【第一章 金融資本主義の何が間違っていたのか】 から始まり 「私が経営するXVD社の技術者は,途上国で遠隔医療や遠隔教育に役立ち、自分のつくった技術で貧困を撲滅できることを誇りをもっている。」 【第五章 公益資本主義の経営へ】 ・・・まで読み進んでもしかしたら忘れかけていた本来の価値観を取り戻すかもしれない 裕福な人が行う寄付も否定しないが採算のとれる援助活動・・・それをビジネスとして成立させるホンモノのベンチャーキャピタル そこには日本の目指すべき道が見えてくる それは新興国の熾烈なシェアを勝ち取る競争ではなく 途上国援助の画期的実践、まるで「ブルーオーシャン戦略」そのものである 世界中の先進国が目先の得を追い求めるのならば 日本は目先が損に見えても長期的視線では得と徳を手に入れれば良いのではないだろうか? こんな価値観もしかしたら日本人だけかもしれないし金融資本主義の現在に残る奇跡なのかもしれない

Posted byブクログ

2012/01/03

原氏は今回の危機を招いた市場原理の資本主義を批判し、その代替となるものとして『公益資本主義』を提唱している。公益資本主義を測る指標として、「公平性」「持続性」「改良改善性」を掲げ、それらの数値化を試みているという(本書で具体的な説明は無い)。 また、原氏は本書の副題で「希望の大...

原氏は今回の危機を招いた市場原理の資本主義を批判し、その代替となるものとして『公益資本主義』を提唱している。公益資本主義を測る指標として、「公平性」「持続性」「改良改善性」を掲げ、それらの数値化を試みているという(本書で具体的な説明は無い)。 また、原氏は本書の副題で「希望の大国・日本の可能性」と称して、我が国における将来的な産業発展の具体策も述べている。それによると、産業の発展は過去から繊維、鉄鋼、ITと変遷しており、現在はその「Post IT」を模索する必要があると主張する。例を挙げて、エンジンと言うコア技術からの産業の大発展を説いている。つまり、エンジンというコア技術の開発から、馬車に置き換わる自動車や飛行機への発展、運送業等のサービス業への展開というストーリーである。その例を用いて、IT(インターネット)業界では、既に主要なプレーヤーがグーグルやアマゾンなどの所謂「サービス業・周辺産業」へ移っており、これは現在の基幹産業であるITの限界を示しているとする。 そして、そのポストインターネットのひと案として、PUC(Pervasive Ubiquitous Communications:使っていることを感じさせず、どこにでも偏在しているコミュニケーション機能)というコンセプトを提唱している。その主要な技術要素として①相互通信機能に特化したDSP:デジタルシグナルプロセッサチップ、②ハードウェアと統合された組み込み型のソフトウェア、③ネットワーク・セキュリティの機能、④IFX理論に基づくデータベース(P2Pコミュニケーションに最適化)、⑤ソフトスイッチ技術とデータ圧縮技術、⑥動画処理技術とリアルタイムデータ圧縮技術の6つを挙げており、自らもそれらの技術を持つ企業に投資し、その未来想像の一助を行っている。 本書を読んだ後に原丈人という人物を調べてみたが、若い人には受け入れられやすく、学者には理論的に批判がしやすい対象になっていることが見て取れた。個人的に原氏の意見に共感することは多いが、何より彼を尊敬できる点として、ただの批評家になるのではなく、自分に出来ることから始めているところである。やはり行動が伴わねば、言葉はむなしく響くだけ。言うは易し、行うは難し、である。

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2011/10/08

考古学者→スタンフォードMBA→スタンフォード工学部→ベンチャーキャピタリストという得体の知れない人生を歩んできている原さんの本。アメリカ資本主義に浸かっておきながらアメリカ資本主義に懐疑的な人の話しだけに面白い。 中長期専用の資本市場を作れ(たしかにアクティビストたちが内部留...

考古学者→スタンフォードMBA→スタンフォード工学部→ベンチャーキャピタリストという得体の知れない人生を歩んできている原さんの本。アメリカ資本主義に浸かっておきながらアメリカ資本主義に懐疑的な人の話しだけに面白い。 中長期専用の資本市場を作れ(たしかにアクティビストたちが内部留保を狙ってるっていう見方は恥ずかしながら初めて知った。) アメリカの中産階級の所得水準は1994年から2004年までの間に、日本円に換算して50万円減った(日本でも言われ始めてることだけど、アメリカじゃ既に起きてたのか。) 産業革命はコア技術がもたらす。自動車で言えば、エンジンというコア技術ができ、機関車や自動車などの応用技術ができ、それに付随して物流業やインフラ建設などのサービスがうまれる。サービス業が広まった段階で、成熟化した、ワンクールが終わった、と言える。自動車産業が即座に消えてなくなることはないが、それはもはやあって当たり前のものとなる。ITでいえば、マイクロソフトやオラクルが脚光を浴びた90年代はまさにアプリケーションテクノロジーの時代であり、成長期であった。だがいま注目されているのはアマゾンやイーベイ、グーグルなどのサービスの分野である。これはもはやコンピュータ産業自体が衰退期に差し掛かっていることのなによりの証左である。そのような議論を見て興奮するのは馬鹿馬鹿しいことであり、正しくは『これでコンピュータIT時代の終わりが始まったのだ』と読むべきである(!!この見方は衝撃的。どうなんだろう。。。)

Posted byブクログ

2011/09/12

「ビジョン本」。 考えうる世界の A big picture を描いている方だと思う。 批判するのであれば、 ・根拠が薄い部分がある(緻密な議論や立証がなされているかといえば疑問符かもしれない) ・現実味に欠ける ・そんなこと言われたって明日の支払いが・・・ そうは言っても...

「ビジョン本」。 考えうる世界の A big picture を描いている方だと思う。 批判するのであれば、 ・根拠が薄い部分がある(緻密な議論や立証がなされているかといえば疑問符かもしれない) ・現実味に欠ける ・そんなこと言われたって明日の支払いが・・・ そうは言っても 「飛行機が発明される前、誰が飛行機の存在なんて予見しただろうか?」 その理屈で吹き飛ばされてしまう。 眉に唾をつけつつも、信じたくなるような。だから、ビジョン本。「七つの習慣」のような自己啓発書との違いは、視点が社会全体の未来に向いているところだと思います。

Posted byブクログ

2011/09/07

未来を作るには、大きな事を成し遂げるには、どうしたらいいのか?計画を立て、段階を踏んで実現可能なことをひとつひとつ行っていく。それで、びっくりするような、国だったり、社会が長期にわたって、生存していくために大きな助けになることを実現させる。すでにあるシステムや制度を壊すのではなく...

未来を作るには、大きな事を成し遂げるには、どうしたらいいのか?計画を立て、段階を踏んで実現可能なことをひとつひとつ行っていく。それで、びっくりするような、国だったり、社会が長期にわたって、生存していくために大きな助けになることを実現させる。すでにあるシステムや制度を壊すのではなく、それを活かし、うまく利用して、破壊を最小限にするやり方がまたすばらしい。

Posted byブクログ

2011/08/31

仕事の関連で読みました。本能的には手を出さない分野。 マーケティングや経営についてMBA的知識はうっすら… という程度ですが、ずっと感じていた少なからぬ違和感を、 振り払ってくれました。日本流だって良いじゃないの、と。 「旧くて新しい」とオビにある通りの印象を受けました。 著者の...

仕事の関連で読みました。本能的には手を出さない分野。 マーケティングや経営についてMBA的知識はうっすら… という程度ですが、ずっと感じていた少なからぬ違和感を、 振り払ってくれました。日本流だって良いじゃないの、と。 「旧くて新しい」とオビにある通りの印象を受けました。 著者の素晴らしさは、有言実行なところだと思います。 そして、圧倒して気落ちさせるのでなく、読んでいる者を 鼓舞して、「自分も何かできるかも」と考えさせるところ。 パワフル過ぎて、論理がやや断定的なのが玉に瑕ですが…。

Posted byブクログ

2011/07/22

短期的な株主利益の最大化を目指す米国型市場経済システムでは、長期的な成長の源泉となる技術革新を生み出すことができない。 コア技術の創出に注力する必要がある。エンジンといった動力システムの開発がコア技術であり、自動車、船、飛行機の開発はアプリケーション技術に過ぎない。アプリケーショ...

短期的な株主利益の最大化を目指す米国型市場経済システムでは、長期的な成長の源泉となる技術革新を生み出すことができない。 コア技術の創出に注力する必要がある。エンジンといった動力システムの開発がコア技術であり、自動車、船、飛行機の開発はアプリケーション技術に過ぎない。アプリケーション技術は常にプロダクトライフサイクルの問題に直面し、長期的な利益に必ずしもつながらない。現在はインターネットを中心とした産業構造となっているが、インターネット自体はコア技術ではない。インターネットショッピングやゲームなどで新たな市場を開拓する日本企業は多いが、プロダクトライフサイクルが成熟期に入れば成長は鈍化せざるを得ない。しかし、日本にはハードとソフトの融合を可能にする技術力がある点で、日本の底力を高く評価するのが、著者の主張である。気持ちとしては納得できるが、現実は厳しい。短期的な利益の最大化に走る米国が未だに技術革新の中心地であり、著者が期待するハードとソフトの融合(エンベディッド技術)は日本が最も弱い面ではないか。個々の技術は一流であり、アフターサービスの品質やきめ細かな対応など個々のソフト面のサービスも一流であるが、それらを総合化する能力が最大の弱点だと思われる。この部分をどうすれば強化できるのか、具体的かつ実践的な処方箋を提供することが急務なのではないか。

Posted byブクログ