たいした問題じゃないが の商品レビュー
大学受験英語の名参考書に載っているような文章の翻訳集とでも言えそう。自分は受験英語の勉強が好きだったのだけれども、もしかしてそれは、題材にされている文章を読むのが好きだったのかもしれない。
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下手な小説より、よほど面白い! ウィットやジョーク、ユーモアを理解するのには、受け手もまた、ある種のインテリジェンスが必要だよなぁ。
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二十世紀初頭に活躍した、ガ-ドナー、ルーカス、リンド、ミルンという四人のイギリスの名エッセイストの選集。ガ-ドナーの誰にでも起こり得る勘違いや、物忘れの話は心当たりがあり面白かったが、ルーカスの(インタビュー報告)の中にある、(三、職人芸)が特に良かった。その男と私(ル-カス)は...
二十世紀初頭に活躍した、ガ-ドナー、ルーカス、リンド、ミルンという四人のイギリスの名エッセイストの選集。ガ-ドナーの誰にでも起こり得る勘違いや、物忘れの話は心当たりがあり面白かったが、ルーカスの(インタビュー報告)の中にある、(三、職人芸)が特に良かった。その男と私(ル-カス)は店で飲み物を飲んでいた赤の他人同士だったが、男が急に話しかけて来た。やがて入って来た小男の職業当てを始めた。次に自分の仕事を当ててみろと言った。どうにも見当が付かず降参すると、男は自分は虫食い穴師だと言った。チュ-ダ-朝のものと保証される様な、古い家具に見せかけた物を作るのだと言う。主としてアメリカ向け。アメリカ人は掘り出し物と歓喜して喜んで高い金を払うのだと。 「良心の呵責はありませんか?」 「ありません。そう今はありませんな。〜 私は夜目覚めてーよく寝られないたちなのです。 アメリカの収集家が私の作った宝物で大喜びしているのを考えるようにしています。」
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20世紀初頭のイギリスのエッセイ集。 現代にも通じる身近な話題を取り上げて、ユーモラスに語っている。 ひまなときに、ゆるゆると読むのがいいのでしょうが、あくせくして読んだのでピンときませんでした。
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イギリス4人のエッセイストアンソロ集。4人とも英国人らしい皮肉めいた感じは共通しているが、それぞれ個性があると思う。物語的で面白いのはミル(くまのプーさんの作者らしい)だが、個人的には一瞬フフッと笑えるルーカスが好み。ガードナーは「なんだこのオッサン」という印象で、リンドは「そう...
イギリス4人のエッセイストアンソロ集。4人とも英国人らしい皮肉めいた感じは共通しているが、それぞれ個性があると思う。物語的で面白いのはミル(くまのプーさんの作者らしい)だが、個人的には一瞬フフッと笑えるルーカスが好み。ガードナーは「なんだこのオッサン」という印象で、リンドは「そうかそうか貴方がそう思うならそうなんだろう」と言いたくなる。 エッセイとはいえ、さくらももこのような爆笑エッセイというわけでもないので、電車の中で構えて読むのに丁度良いと思う。そういえば表紙が他の岩波文庫と違うな・・・。
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自由はただ個人的なものというだけでなく、社会的な契約でもある。利害の調和である。他人の自由を侵さぬ限り、私には好き勝手にする自由がある。そうしたいと思えば、ストランド街を化粧着に長髪と素足で歩いたとしても、誰も文句を言わない。(ガードナー、p.19) 習慣を持つというのは、有害なものでない限り、悪いことではない。それどころか、人間というものは、いくつかの習慣に上着とズボンを着せたような存在である。我々から習慣を取り去ってしまえば、残りは取るに足りぬものになる。習慣なくして人は生きて行けない。習慣は生き方を楽にしてくれる。(ガードナー、p.30) 時間厳守を他者に要求するとき、我々は主として自分の幸福と安楽を求めるのであって、他者の幸福を求めるのではない。果たして時間厳守は悪風であろうか。(中略)私は他人が時間厳守であるのを好む。しかし、私自身について言えば、時間厳守しなかったので、今の自分の性格が形成されたのであった。(リンド、p.117) 人類の歴史を振り返ってみれば、怠け心は暖かさでなく寒さから生じたものだと分か流。自らを文明化しようという活力を持った最初の民族は南方で暮らしていたのだ。北部の我々は、湯たんぽその他の暖房器具をいくら用いたところで、2000年以上前のエーゲ海の盟主となったギリシャの温かい小都市の功績には到底及び得ないのだ。(リンド、p.132) タバコを買うのは楽しみのためではなく、吸わない不快さを避けるためである。葉巻愛好者やワイン好きは、子供がキャンデーに囲まれて持つのと同じ喜びを感じていると言われている。しかし彼らも、子供の無差別の喜びは失っている。喜びの半分は、上等なワインや葉巻と下等な品との差が分かるということから生じるものである。他方、子供はえり好みなく食欲が喜びの源泉である世界に生きるという幸福な立場にいるのだ。子供は下等なキャンデーなどという話は聞いたことなどなく、あらゆるキャンデーを、全ての花火や星を愛するのと同じように、平等に情深く見るのだ。(リンド、p.168) そう、日記をつけている人は将来自伝を書くことを視野に入れておかなくてはならない。自伝で、すっかり忘れていたことについて、「覚えているが」とか「はっきり覚えているが、日曜に昼食で某氏と会い、彼にこう言ったのだ」と書けるためには日記がなければならない。 何を言ったかはどうでもよい。優れた著者が老年においても素晴らしい記憶力を失わなかったと読者に思わせるのに役立てばよいのだ。(ミルン、p.183)
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両大戦期の英国におけるエッセイやコラムの黄金時代の代表的な4人の書き手によるコラム傑作選。 A.G.ガードナー1865-1946、E.V.ルーカス1868-1938、ロバート・リンド1879-1949、A.A.ミルン1882-1956。 ユーモアとウィットに富んでいる、とかいう...
両大戦期の英国におけるエッセイやコラムの黄金時代の代表的な4人の書き手によるコラム傑作選。 A.G.ガードナー1865-1946、E.V.ルーカス1868-1938、ロバート・リンド1879-1949、A.A.ミルン1882-1956。 ユーモアとウィットに富んでいる、とかいうと月並みな感じになるが、上質なニヤニヤ笑いの素。 新聞の一文字の誤植が大騒動になる、ルーカスの「N一字の差 上流社会での悲劇」は秀逸。
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イギリス人のユーモア、100年経っても色あせず。 ガードナー、ルーカス、リンド、ミルンの四人のエッセイが集められているコラム傑作選。後書きにもあるように、確かに英語の長文読解にありそうな文章。以下、面白かったのをいくつか。 ガードナー「通行規則について」On the Rule...
イギリス人のユーモア、100年経っても色あせず。 ガードナー、ルーカス、リンド、ミルンの四人のエッセイが集められているコラム傑作選。後書きにもあるように、確かに英語の長文読解にありそうな文章。以下、面白かったのをいくつか。 ガードナー「通行規則について」On the Rule of the Road 自分の自由を許されるためには、自分の自由が制限される。自由というのは、他者への配慮があってこそ。 ガードナー「『どうぞ』をつけるつけない」On Saying "Please" 上の「通行規則~」はルールの話。今度はマナーの話。礼儀正しくしろという法律はないけど、社会的な慣習として、むしろ法律以前のもの。礼儀正しくすることで、周囲の人の心を穏やかにして、よい作法が伝染する。人はどのように扱われるかで、変わるという、マイ・フェア・レディやミーマイを思い出した。 ルーカス「思いやり学校」The School for Sympathy 盲人になって一日過ごしてみる。耳、口、手、脚など色々と不自由になったと仮定して過ごすことで、気遣われる方も気遣う方も、思いやりを学ぶ。 リンド「時間厳守は悪風だ」The Vice of Punctuality ものすごい皮肉。確かに時間厳守で過ごせば遅刻しそうで焦ったり怒られて精神的ダメージを受けたりしないけどさ。時間厳守は自分勝手! そりゃ、相手が時間にルーズだと、自分が不愉快な思いをするものね。 リンド「キャンデー」Sweets 子どもにとってお菓子屋さんって夢の世界。キャンディーは夢。まさに。どんなキャンディーもきらっきらしている。リンドと握手したい、。
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二つの大戦間に書かれた4人のエッセイストによるエッセイ集.プーさんの作者のミルンの本業が新聞のコラムニストだったとは知りませんでした. いずれも,今の日本の誰かが書いたといってもおかしくないような内容で,驚きである.感覚的に一番好きなのはリンドかな.冬の朝,なかなか起きられないことについての考察は,爆笑ものである.キャンディーについてのお話しも,週刊誌の連載のコラムに誰か書いていそうである. この4人のコラムは,かつて日本の旧制高校や大学の英語テキストとして非常に人気があり,それゆえ,学習用の対訳としては沢山出版されてきたが,きちんとした書籍としての出版はこれまでほとんどなかった,ということだ.
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タイトルを見た時点で英文学だろうなと推測させるのはすごい。個人的にはガードナーのコラムが最もおもしろくためになった。オセローがさらっと出てくるのはさすがイギリス。 しかしイギリス人は自身の几帳面さや時間を守ることや怠惰について書かずにはいられないのだろうか。言いわけがましいところ...
タイトルを見た時点で英文学だろうなと推測させるのはすごい。個人的にはガードナーのコラムが最もおもしろくためになった。オセローがさらっと出てくるのはさすがイギリス。 しかしイギリス人は自身の几帳面さや時間を守ることや怠惰について書かずにはいられないのだろうか。言いわけがましいところが、少し日本人に似ているかもしれない。
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