帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。 の商品レビュー
文章の上手い下手に関わらず、本当に輝く言葉と言うのは、自分の芯から発せられた時に生まれる。それが高山なおみにとっては、"食"であるのだろう。 料理家・高山なおみのエッセイ集。高山なおみに思い入れがあったわけでも、評判を聞きつけたわけでもない。本屋の棚で、タイ...
文章の上手い下手に関わらず、本当に輝く言葉と言うのは、自分の芯から発せられた時に生まれる。それが高山なおみにとっては、"食"であるのだろう。 料理家・高山なおみのエッセイ集。高山なおみに思い入れがあったわけでも、評判を聞きつけたわけでもない。本屋の棚で、タイトルに惹かれて読んだ。 正直、得意ではない文体だった。妙に詩的で、内に向けた私的な文章。これがエッセイと言うより日記であることが理由かもしれない。それ自体は美しい言葉が並ぶ文章は、でもこちらに伝わらず、僕には合わなかった。 しかし、その中で時々宝石のように輝く文章があった。 例えばこうだ。近い人達が恋人同士になった時、高山なおみは映画『バタフライ・キス』を思い出す。 それは、ふたりだけの、まじりけのない恋愛の物語。ふたりは映画の中で食べ物をほとんど食べなかった。インスタントヌードルも食べ損ねたし、食べたのはビスケットだけ。たましいの恋人たちにはビスケットが似合う。ほんのちょっとで栄養になるようなもの。登山で遭難した時に、命をつなぐために食べるような食べ物。 そんな輝く言葉は、いつも"食"に関する言葉だった。もちろんこの、美しい本の題名も。
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タイトルと写真に惹かれて読んでみた。 日記風のエッセイなのだが 全体的に、寂しく後味が悪い感じ。 多分単純に、この著者と私の価値観が合わないのだろう。 何が言いたいのかわからず戻って読み直しても それでもよくわからなかったり それは違うだろう、と思ったりする部分が結構あった。 ...
タイトルと写真に惹かれて読んでみた。 日記風のエッセイなのだが 全体的に、寂しく後味が悪い感じ。 多分単純に、この著者と私の価値観が合わないのだろう。 何が言いたいのかわからず戻って読み直しても それでもよくわからなかったり それは違うだろう、と思ったりする部分が結構あった。 これは著者の話ではないけれど 恋人と別れるからと言って貰ったものを全て返してくるなんて 付き合った間には楽しかったこともあったはずなのに それを全て無駄と考えて無しにしようとしている感じが 結局その程度の付き合いだったのだろうと思ってしまう。 体裁にしても、改行が多く行頭の空白が無い。 横書きで、ネット上のモニタに表示されるblogならいざ知らず 縦書きでこのような書き方をされるのが 新しい試みのつもりなのかもしれないが どうも違和感と上辺だけの空虚な感じを受けてしまった。
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以前、一度読んだことがある一冊。 読んでいる間に頭の中がグラグラしてきて、うまく自分の中に入ってこなくなる。字面だけ追うようになってしまう。 なんとも言えないそんな印象だったので、 しばらく開いた今、ポツポツと。再読してみています。 そして読み返すごとに、自分に近付いてくる、...
以前、一度読んだことがある一冊。 読んでいる間に頭の中がグラグラしてきて、うまく自分の中に入ってこなくなる。字面だけ追うようになってしまう。 なんとも言えないそんな印象だったので、 しばらく開いた今、ポツポツと。再読してみています。 そして読み返すごとに、自分に近付いてくる、でもやっぱり遠い一冊。 そばに置いておき続けたい、なんとなく気になり続ける一冊です。
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別冊の、日置武晴さんの写真が大好き。 ちょっとショックなくらいに 巡り会いを感じた本です。 思えば、高山なおみ初体験は レシピではなく、このエッセイなのでした。 それからずっと私は高山さんのファン。 レシピはもちろん美味しかった。
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日々を大切にするというのは、きっとまさにこういうこと。 大切にするということは、本当なら避けて通れるはずの痛みとか悲しみとも向き合うということ。いろんな出来事に触れた自分の感情を、守りに入らず静かに見つめるということ。 ご自身が「これを読み返せない時期があった」と語っているけれど...
日々を大切にするというのは、きっとまさにこういうこと。 大切にするということは、本当なら避けて通れるはずの痛みとか悲しみとも向き合うということ。いろんな出来事に触れた自分の感情を、守りに入らず静かに見つめるということ。 ご自身が「これを読み返せない時期があった」と語っているけれど、それはそうだろう。紙面に、こんなに柔らかい部分をさらしてしまっては。 表紙をはじめ、なんと美しい本だろうと思う。大事にしよう。
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いつも正直に 嘘もなく綴られることば 変にがんばらなくても 生きてていいんだということを 心にすとんと落としてくれる
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時々「あぁ、この本が永遠に終わりませんように…」と 願いたくなるような本がある。 私の場合、随想などで、そういう本に出会うことが多い。 この本はまさしくそういう一冊。 高山なおみというひとの料理本は何冊か持っていて、 地に足の着いた素敵なニュアンスの料理を作る人だな…と いつ...
時々「あぁ、この本が永遠に終わりませんように…」と 願いたくなるような本がある。 私の場合、随想などで、そういう本に出会うことが多い。 この本はまさしくそういう一冊。 高山なおみというひとの料理本は何冊か持っていて、 地に足の着いた素敵なニュアンスの料理を作る人だな…と いつも思っていた。 地面からとったものと 海からとったものと、 生きているものをいただいているんだな…という 感じが、彼女の作る料理レシピからは伝わってきて、 実際に作ってみても、 ただ読むだけでも、いい気持ちになれる。 そんな人だった。 高山なおみさんの書いた文章を じっくり読んだのは今回が初めてだった。 おだやかなような、はげしいような、彼女の姿が透けて見えて、 なのに、全体の印象としては、大きな川のような本だと思った。 大きな川の水は、ゆったりと流れているようにみえても、 実は激しかったり力強かったりする。 そんなことを考えながら、この本を読んでいた。 大好きな本にであった時のクセで、 ちいぽりと読んだり、 気に入った章を何度も読み返したり、 時には、声に出して読んだり、 そんなことをしながら、しばらくたのしんだ。 この人みたいな感覚のアンテナを持って、 この人みたいな文章を書いてみたい。 この人の胸のところでコチコチと動いているに違いない 秘密の時計のリズムと同じスピードで生きてみたい…と思った。 そんな風に、幸せになったり、満ち足りたり、 傷ついたり、シーツの波の中から出られなくなるほど疲れ果てたりしながら 生きてみたいな…と思った。 久々に、全身全霊を持って共鳴した本でした。
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私は本は買わない主義なのだけれど、そんな私でも こんなふうに、そばに置いておきたい本にたまに出会います。 それは 自分が忘れたくない大切なものだったり、 ずっとことばにならなくて、 もやもやと自分の頭で考えていることを うまく言葉してくれている本に出会ったときが その時です。 ...
私は本は買わない主義なのだけれど、そんな私でも こんなふうに、そばに置いておきたい本にたまに出会います。 それは 自分が忘れたくない大切なものだったり、 ずっとことばにならなくて、 もやもやと自分の頭で考えていることを うまく言葉してくれている本に出会ったときが その時です。 自分にもっと正直に生きたい、暮らしたいって思った。 自然に、理由とかなくって、キモチが動くこと、心が動いた瞬間、 その近くに、自分が大切にしているものがやっぱりあるんだって思えた。 それを大切にしようって思って。 人がどう思おうと、自分を信じてあげなきゃって思います。
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きれいな表紙だなあと思って思わず手に取りました。中身もなかなか。夢の話がけっこう多くて、なんだか不思議な感じでした。あとは、フィッシュマンズの佐藤君が死んで10年たつのね。と、しみじみ。それで、いま、久しぶりに聴いています。お料理も作ってみようと思った。
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今日の全ては明日を生きる糧になる。濃厚な言葉のスープ。あぁ、ここには嘘が無いからこんなに染み込むんだわ…と、嘘つきな私がぽつり。
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