心にナイフをしのばせて の商品レビュー
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全体を通して、被害者側の家庭の中が描かれています。 繰り返しも多くとても読みづらい。 事件の詳細から現在に至る加害者側の読みものと勘違いして読み始めたので、間違えました。 被害者家族の母親はちょっと問題ある。 妹や父親が不憫。 元々この家族はうちに秘めた問題点があったように思う。 事件をきっかけに放出された感じ。 個人的に何かに依存しなくては生きられない女性に嫌悪感あるので、この母親は個人的に人として好感持てない。 また、加害者への苛めがあったかという点は、被害者側の守りに入っているため正確性がないように思う。 ノンフィクションを謳うなら被害者側、加害者側両側面から取材してほしい。 殺人はもちろん絶対ダメなのは前提で、加害者側が極限状態の中の殺意なのかが気になるところ。 自分が死ぬか、相手を殺すか。 それでなければこのイジメは終わらないと感じでいたのか… イジメなのかイジリなのかって、今でも課題になる難しいところ。 それから酒鬼薔薇がなぜ?出てきたの? 引き合いに出さなくてもいいのでは? 全く共通点はありませんから。 犯罪心理学などに興味がある場合、この本は全く参考にはなりません。
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少年法について考えさせられる本。加害者が被害者よりもいい生活を送れるかもしれないっていうのはやっぱりなんか心情的にどうかと思ってしまう、不幸になれって言う訳じゃないけど。それはやっぱり被害者に赦しを得てから、だと思う。
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少年犯罪のフィクションかと思って読んでいたら、1969年に実際に起きた事件のルポで驚いた。 28年前の酒鬼薔薇となる、高校生の同級生殺人事件。胸や背中、顔など全身を47ヶ所をめった刺しされた上に、首を切り落とした凄惨な事件が起きた。 酒鬼薔薇事件をきっかけに、取材を進め被害者家...
少年犯罪のフィクションかと思って読んでいたら、1969年に実際に起きた事件のルポで驚いた。 28年前の酒鬼薔薇となる、高校生の同級生殺人事件。胸や背中、顔など全身を47ヶ所をめった刺しされた上に、首を切り落とした凄惨な事件が起きた。 酒鬼薔薇事件をきっかけに、取材を進め被害者家族のその後を書き綴ったもの。 当時15歳であった息子を殺された両親も、妹もあの日から心を殺されたままになっていた。 精神的に不安定になった母親の世話、自分が兄の代わりに死ねば良かったとリストカットを繰り返した妹、誰よりも家族を支え涙を見せずに頑張り続けた父に癌が見つかる。 父の最期の描写は涙がこらえきれなかった。 フィクションではないからこその、被害者家族のやり場の無い怒りや悲しみがページをめくる手を止める。 敢えて★マークを付けて感想を書くべきでは無いと思った。
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犯罪被害者の家族の話でした。少年犯罪が起きるたびに議論になりますが、加害者の権利が守られるが被害者の情報などはいつもつまびらかにされます。この本を読んで、被害者の家族もやはり守られていないなと思いました。心にナイフを忍ばせているのは被害者の家族でした。
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1969年高校生首切り殺人事件という、実在する少年犯罪の被害者遺族にスポットを当てたルポタージュ。 この本の出版後、犯罪被害者支援制度を変える契機になったとの事。 欠陥だらけの法律である少年法を振りかざし、加害者の更正に力を注ぐよりも、命も未来も日常も奪われてしまった被害者遺族...
1969年高校生首切り殺人事件という、実在する少年犯罪の被害者遺族にスポットを当てたルポタージュ。 この本の出版後、犯罪被害者支援制度を変える契機になったとの事。 欠陥だらけの法律である少年法を振りかざし、加害者の更正に力を注ぐよりも、命も未来も日常も奪われてしまった被害者遺族の人権を損なう事なく、心のケアに重きを置いてほしいと願う。 本当に守られるべきものは何かを、今一度深く考えていきたい。
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こわいこわい。少年Aって人間を野菜に例えて有名だけど、その心を考える。野菜って当然自分以下だけど、調理によってはうまいんじゃね?栄養あるしさってかんじかね。わからんでもない。しかし、ダメだろ。自惚れにもほどがある。
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サレジオ高校で起きた、高校生が同い年の友達を惨殺した事件のルポルタージュ。加害者側の事より、被害者側に注視した内容だった。少年法というのはこの時まで加害者側である少年のプライバシーを守るためのものだったけど、この本が出版されて初めて、法律に被害者側への配慮が欠如していることに気づいたんだと。しかもそれに気づいたのが2000年前後という比較的最近だったからびっくりした。加害者の事については家庭環境や友達からの少年Aに対する印象などについてだけで、他ほとんどが被害者遺族の事件後の生活に割かれていた。被害者側のことを描いてる事件のルポルタージュは珍しく、たしかに私も初めて凶悪犯罪の被害者遺族について知れたと思う。それまでは加害者側の家庭環境や精神鑑定などについて注目してた。それだけでは少年法の抜け穴に気づけなかっただろうな。 わたしは少年法で、加害者のプライバシーを守る事について賛成だった。けどこの本を読んでから、犯した罪も犯罪歴としてつかず、少年院を出て仕舞えば1からやり直せるらしいそんな制度に疑問を持った。そしてこの事件の加害者は少年院を出てから大学に2回行き、弁護士になったんだという。もちろん少年院は犯罪を犯した少年少女を更生することを目的とした施設であり、出院後弁護士になるというのは表向きには成功例だと思う。でも遺族にタメ口を聞いて金を貸そうとしたり、結局損害賠償金を支払いもせず行方をくらませ、さらに謝罪もしなかった。彼らを構成させるための少年法ではなかったのか。更生もせず、ただただ加害者のプライバシーを守るだけで被害者のことに配慮もなく、なんのための法律なんだろうね。
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少年犯罪の被害者家族のその後に焦点をあてた一冊です。 非常に申し訳無いのだけれど、被害者の母親に嫌悪感を抱いてしまい、感情移入が出来ませんでした。「私の」言うことを聞いてくれる子どもが可愛い、子どもを殺された「私が」可哀相、どうして「私を」こんな目にあわせるの、という気配を感じ取...
少年犯罪の被害者家族のその後に焦点をあてた一冊です。 非常に申し訳無いのだけれど、被害者の母親に嫌悪感を抱いてしまい、感情移入が出来ませんでした。「私の」言うことを聞いてくれる子どもが可愛い、子どもを殺された「私が」可哀相、どうして「私を」こんな目にあわせるの、という気配を感じ取ってしまいました。
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なんとも言えない気持ち。 被害者の無念はもちろん、被害者家族がこんなにも人生が変わってしまうのかという、やるせなさ。 加害者Aは、何もなかったように人生をやり直していることと対照的すぎて憤る。 少年法への疑問。 出版された本を読んで、初めて被害者の人生や気持ちが理解できたと、Aから謝罪したい旨の連絡があったようだが、それは真意なのか。 あとがき被害者の母親の手記より 『人はそんなに簡単に変われるのか』 本当に、そう思う。 ******** 事件の真相が本当の意味で明らかになっていないので(Aからの一方的な供述しかないので)、なぜ事件が起きてしまったのかは分からないまま。 同時に、理由が分からないから、自分にも自分の家族にも起こりうることとも思ってしまう。 我が子が、被害者に。加害者に。 あり得ないことではないと頭の片隅において、責任と愛情をもって、子育てしていきたい。 ******** やるせなさ過ぎて、評価は3。 再読は無いかな。。。
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犯罪被害者家族のその後、法律では及ばない被害者の救済を考えさせられる。 被害者家族の苦悩と、加害者の成功が比較され、理不尽さが強調されているが、冷静に考えたい。 ・被害者家族の苦悩は、何も少年犯罪だけではなく、その他の凶悪犯罪にも言えること。本著は、少年法について問題提起しているのではなく、犯罪被害者支援について問題提起している。 ・加害者側のその後、加害者の考えや人生についても取材してほしかった。加害者が社会的制裁をあまり受けず、むしろ保護された中で弁護士として成功しているのは、少年法の成功例ではないか。加害者の主張も聞いてみたい。”なぜ謝罪がないのか。””あの事件について今どう考えているのか。” ・後半、被害者家族と加害者が接触することになるが、これに関する著者の行動は正しいのか? それでも、被害者家族の苦悩を考えると、罰は足りているのか、救済は足りているのか、と釈然としない。 裁判が行われ、判決が出た段階で、世間的には事件は終結しているように思われてしまうが、当事者の中ではずっと続いているということに気付いた。 判決の効果・妥当性を考えるうえでも、このようにその後を取材する意義は大きい。 『とりわけ驚いたのは、母娘そろって、加害者を恨んだことがなかったと言ったことである。恨まなかったのは、自分たちの家族を回復させ、本来の姿を取り戻すことに精一杯で、加害者を恨む余裕がなかったためだと~』
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