恋文の技術 の商品レビュー
これはマニアックな構成。書簡ものだけど、往復ではなく片道、文通の片やのみで綴られている。そして手練手管の著者、相手を変え文体を変えて書くことで、それでも多くのキャラクターが浮かび絡んでドラマになっていく。主人公のこじらせっぷりも痛快。作中で「恋をしては人間がだめになる。」なんてよ...
これはマニアックな構成。書簡ものだけど、往復ではなく片道、文通の片やのみで綴られている。そして手練手管の著者、相手を変え文体を変えて書くことで、それでも多くのキャラクターが浮かび絡んでドラマになっていく。主人公のこじらせっぷりも痛快。作中で「恋をしては人間がだめになる。」なんてよう言うた!ある意味この言葉と、それを結果的に反証していく主人公の言動(手紙)から、痛々しさを感じつつ思い当たっては苦み走る、読者の恋心の反芻が面白さかも。しかし本作、男性諸氏はともかく、女性に共感を得られるのかしらん?
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森見登美彦が、手紙形式でつづった青春小説。 とても和やかで温かい感じだが、ストーリーも人物もねられていて面白い。 手紙をおこすという形での独白形式が、著者のユーモアセンスをよく活かしていて、とてもよかった。 個人的には、『太陽の塔』に匹敵する著者最高傑作級。 4+
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文通を通して話が進んでいく。 しかも1人の書き手分のみという珍しい形式。 森見さんの描く「阿呆」な学生、だいすきです。 読みながらにやにやしてしまう。 伊吹さんへの失敗書簡集を読みながら、誰かにこんなに時間をかけて、労力をかけて、暴走と冷静を繰り返しながら手紙を書くことなんて...
文通を通して話が進んでいく。 しかも1人の書き手分のみという珍しい形式。 森見さんの描く「阿呆」な学生、だいすきです。 読みながらにやにやしてしまう。 伊吹さんへの失敗書簡集を読みながら、誰かにこんなに時間をかけて、労力をかけて、暴走と冷静を繰り返しながら手紙を書くことなんてないですね。 真似したいとはとても思わない阿呆な内容なのですが、それでも大切な人に手紙を書きたくなる。 守田は愛されてますね。 伊吹さんと、きっと上手くいったんだろうなと思わずにはいられません。
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手紙の書き方を探していたら、たまたまこの本を見つけて。 森見さんの本だから読んでみました。 主人公の守田一郎が文通相手に手紙を書いている文体。 相手からの文章は書いていないのに、 いろんな出来事が読み取れて、面白い。 手紙の日付の間隔も毎日のこともあれば、日があいていることもあり。 相手によって内容や、書き方も変えてあるのが なんか味があるな。 最後の11話は、守田が代筆してみんなに出したのかな。 その後の11月11日にどうなったか気になるな。 あと「ぷくぷく粽」ってどんなものかがめちゃ気になる。 かわいいネーミングなのに破壊力がありすぎるでしょ。 私も昔、文通をして、手紙が届くのが待ち遠しかったり、便箋を選ぶのが楽しかったな、なんて思い出したりして。 そういう手紙の楽しさを知っている人は、読みやすいんじゃないかなと。
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とにかく可愛くて癒されるお話。 何度も読んで元気になりたいなあ。 キャラクター相変わらずみんな素敵ですが、個人的に家庭教師先の男の子が好き。
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主人公・守田一郎は、能登でのストレスフルな新生活の気晴らしに文通を始めた。文通相手は、遠く京都の街で暮らすひとびと。大学時代の研究室仲間・小松崎君や先輩・大塚さん、家庭教師の元教え子・間宮君、作家・森見登美彦、妹・薫。そして物語は、思いを寄せる伊吹夏子さんへの手紙で終わる。 ...
主人公・守田一郎は、能登でのストレスフルな新生活の気晴らしに文通を始めた。文通相手は、遠く京都の街で暮らすひとびと。大学時代の研究室仲間・小松崎君や先輩・大塚さん、家庭教師の元教え子・間宮君、作家・森見登美彦、妹・薫。そして物語は、思いを寄せる伊吹夏子さんへの手紙で終わる。 森見さんワールド全開の楽しい作品だった。 何度も笑ってしまい、手紙のやり取りでこんなに楽しめるなんて思ってもいなかった。 恋心があらぬ方向に進み、読んでいて面白かった。 伊吹さんとの恋が実るかどうか、続きが気になる。 この作品を読んで、手紙を書きたいな、恋したいなと思った。
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抒情的な風景描写とバカバカしいまでのおっぱい連呼。ちょうわらった。そしてあとからくる切なさみたいな。おっぱい万歳
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恋文の技術という甘い言葉につられて読み始めました。そうしたら大違いで。主人公の守田一郎が、クラゲの研究のために能登の寂しい研究所へ送り込まれます。その主人公が、友人だったり、先輩や、妹だったり、いろんな人へ手紙を書き送るのですが、その手紙だけで、物語が成り立っています。ただ、延々と守田くんの手紙が続くだけなのですが、おもしろく途中で書いた恋文は笑えました。守田君の結論としては、「恋文の技術」とは恋文を書こうとしないことだそうです。納得!!
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文通のみによって繰り広げられる可笑しなそして真面目な青春物語。手紙を書いている人、読んでいる人それぞれの想いを想像し楽しむことが出来た。
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大っ好きです!! 森見先生らしく主人公の学生は愛すべき人物。恋文の技術を習得しよう、と思う主人公の学生に愛しさを感じながら読み進められます。その友人の恋の行方、先輩への手紙、そして何より主人公が恋する女の子への手紙。文章のほぼすべてが手紙の内容で成り立っているのは読んでいても面白く臨場感があって、手紙だからこそ書けることや伝わることがあるな、と改めて分かる小説です。 私はこの小説の主人公が好きな女の子へ宛てた手紙の最後の一文を読む度に幸福な気持ちになります。こんな風に手紙を書いてくれる男性がいたら…と思わず思ってしまう、そんな小説です。
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