ロング・グッドバイ の商品レビュー
四半世紀以上前に、たぶん『長いお別れ』を読んだ。 そのときは、「なんてカッコいい」と思った。 同時期に読んでいた司馬遼太郎『竜馬がゆく』も吉川英二『三国志』も「カッコいい」と感じていた時代だ。 今、村上春樹訳『ロング・グッドバイ』を読んで、少し印象が追加された。 それは「カッコ...
四半世紀以上前に、たぶん『長いお別れ』を読んだ。 そのときは、「なんてカッコいい」と思った。 同時期に読んでいた司馬遼太郎『竜馬がゆく』も吉川英二『三国志』も「カッコいい」と感じていた時代だ。 今、村上春樹訳『ロング・グッドバイ』を読んで、少し印象が追加された。 それは「カッコいい」とは少し違う、郷愁を呼び起こす古紙のような匂い……。 ひょっとしたら『グレート・ギャツビー』同様、訳者村上春樹色が強いことからかもしれない(いや、村上春樹がフィッツジェラルドやチャンドラー色が強いのかも、嫌いではないけど)。 訳者村上春樹の力の入った“あとがき”は、ホントにこの本に「ゾッコン」であることが伝わってくる。 「主人公マーロウは“仮説・記号”、感情を排除し、三人称でありながら視点の一貫性をもたせる」……わかるようなわからないような。 そういえば、村上春樹訳『グレート・ギャツビー』の語り手も、モーム『月と六ペンス』や夏目漱石『こころ』の「私」も、「感情を排除した記号であること」といわれれば、なんとなくわかったようなきにもなる。 探偵フィリップ・マーロウ 今の時代では少々「ウザイ」やつだけどやっぱりカッコよく、 頭の中の日本語吹き替えは森山周一郎(紅の豚ポルコ・ロッソ)でいっぱいになる。 ジーナの店で「ギムレット」を飲みながら「飛べねぇ豚はただの豚よ」……やっぱりただの記号じゃないね……。
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あんなに分厚い本だったのに、読むことができた あんだけ一生懸命事件に向き合ったマーロウは最後の結末でどこか悲しそうだった
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村上春樹訳とのことで興味をひかれて読んでみた。 随分古い時代のものらしいが、古さを感じさせないのは訳者の力だけではないだろう。 いかにもハードボイルドでかっこよく、時折「う~ん!」とうならせる。シャーロックホームズとはまた違う洒落た感じがあった。 とても好きな部類。
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恥ずかしながら、4年前に一度読んでいた小説であったのだが、読み終わって本HPに書き込むまで気付かないほど、内容はすっかり忘れていた。 展開はもちろん、多彩な登場人物のウィットに富んだ会話のやり取りが面白かった。筋に関連しない部分の詳細な記述や修飾について、訳者 村上春樹氏は絶賛...
恥ずかしながら、4年前に一度読んでいた小説であったのだが、読み終わって本HPに書き込むまで気付かないほど、内容はすっかり忘れていた。 展開はもちろん、多彩な登場人物のウィットに富んだ会話のやり取りが面白かった。筋に関連しない部分の詳細な記述や修飾について、訳者 村上春樹氏は絶賛しているが、私には余計に思えた。 「「君が彼女に参るのも無理はない。君は彼女と寝たいと思う。みんなそう思う。君は彼女と夢を共有し、その思い出のバラの香りを嗅ぎたいと望む。その気持ちはわかる。しかしそこにはね、共有できるものなどありはしないんだ。何もない。すっからかんの、どんがらのゼロだ。君は、暗闇の中に一人ぽつんと残される」彼は酒を飲み干すと、グラスを逆さにした。「こんな具合に空っぽなんだよ。マーロウ。何ひとつそこにはない。僕がいちばんよく知っている」」p316 「たしかに世の中には法律というものがある。我々は首ねっこまで法律に浸かって暮らしている。しかし結局のところ、法律というのは法律家の仕事をこしらえるためにあるようなものだ」p543
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名誉は、蟹のように横歩きはしない。とか言うし、どいつもこいつもいちいち気取ってる。でも、かっこいいのかな?わからんが、寂しい、切ない、読了感。
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色々な意味で出会えて良かった作品。文章の流れや台詞の言い回しは読んでいてとても気持ちが良かった。主人公のマーロウがやたらと屈折した性格や考え方だったのも個人的にはツボ。あとがきで語られるチャンドラーの人となりにも凄く共感出来たので、いつか他の作品も読んでみようと思う。
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じっくり味わうことを求められる文章。物語の先が気になるのに、飛ばしていくことができない。冗長に感じてもいいほど、たっぷりとした描写なのに、味わわずにはいられない。そして、人物の感情が分からないので、誰にも同調できない分、その世界のそばに立っているような不思議な感覚。人の感情は普段...
じっくり味わうことを求められる文章。物語の先が気になるのに、飛ばしていくことができない。冗長に感じてもいいほど、たっぷりとした描写なのに、味わわずにはいられない。そして、人物の感情が分からないので、誰にも同調できない分、その世界のそばに立っているような不思議な感覚。人の感情は普段でも推測でしかないから。 時間がある時、もう一回、丁寧に読み返してみたい。
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初めに読んだときには、筋を追っただけであまり感じる部分はなかったが、2、3年経って改めて読んでみると、村上春樹の新作を読むような新鮮さを感じた。
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ストーリーとしては意外なラストでなかなかであり、十分楽しめるのであるが、翻訳物は少し読みにくい。表現がすんなり頭に入ってこない。最後の村上春樹の解説も面白かった。
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初チャンドラーだったが、かなり読み応えがあった。フィリップ・マーロウがカッコよすぎ。文体や言い回し、比喩もいちいちカッコよくて、堪能しながら読めた。春樹さんが影響を受けているのがよく分かった。他のチャンドラー作品も読んでみたい。
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