暴雪圏 の商品レビュー
冬っぽい小説読みたいなと思ってAmazonで適当に頼んだ小説。 届いてみたらどうやら「川久保巡査長シリーズ」という実は敏腕っぽい制服警官が主人公のシリーズものとのこと。東野圭吾の「加賀恭一郎シリーズ」みたいな感じですね。 わたし、シリーズものは最初から読みたい派なんで「暴雪圏」を...
冬っぽい小説読みたいなと思ってAmazonで適当に頼んだ小説。 届いてみたらどうやら「川久保巡査長シリーズ」という実は敏腕っぽい制服警官が主人公のシリーズものとのこと。東野圭吾の「加賀恭一郎シリーズ」みたいな感じですね。 わたし、シリーズものは最初から読みたい派なんで「暴雪圏」を読むのかなり消極的だったんです。 でもせっかく頼んだしなと思い渋々読んでみたらとっても面白かったです。 全然、主人公目立たないんですけどそれが良かった。 他の方々のレビューを拝見すると主人公の活躍が薄くて残念に思われてる読者の方もいたのですが、私はこの小説が初見だったのでまったく気になりませんでした。 でも言われてみれば「川久保シリーズ」という予備知識もない状態でこの作品を読んだら、川久保さんが主人公ってなかなか気づかないかもしれません。 舞台は吹雪で大いに荒れている北海道のペンション。 暴雪から逃がれるようにペンションに集まった人間達。 そして緊迫する展開が待ち受けます。 どうして雪国のペンションってシチュエーションってハラハラドキドキするんでしょうね。 面白くて一気に読めました。 そして影の薄い巡査にもしっかり活躍の場が用意されています。
Posted by
北海道を舞台にした事件を題材にた犯罪小説を数々発表しついに直木賞までとった佐々木譲の小説。暴雪圏ときくとこれからくる冬のじけんかと思うがこれがちょっと違う。帯広あたりかつて死者まで出した春に来る季節外れの暴雪を題材に、予期せぬ雪に行く手をさえぎられペンションに非難してきたひととと...
北海道を舞台にした事件を題材にた犯罪小説を数々発表しついに直木賞までとった佐々木譲の小説。暴雪圏ときくとこれからくる冬のじけんかと思うがこれがちょっと違う。帯広あたりかつて死者まで出した春に来る季節外れの暴雪を題材に、予期せぬ雪に行く手をさえぎられペンションに非難してきたひととと犯罪者。ハリウッド映画だとさしずめハリケーンの日にモーテルを舞台にした話ができるかもしれないかなと思わせる設定でさくっと読ませてくれる。あまり悲惨な事件はちょっとという人にはちょうどいい作品かも。
Posted by
『制服捜査』は、本当に印象に残る短編集であった。帯広の駐在所に飛ばされた元道警捜査一課のやり手刑事。道警裏金問題によって失われた権威と信頼を取り戻すため、警察は無理矢理なローテンションを現場警官たちに強いた。その影響下で思いもかけぬ道東の片田舎に追いやられ制服警官となった川久保...
『制服捜査』は、本当に印象に残る短編集であった。帯広の駐在所に飛ばされた元道警捜査一課のやり手刑事。道警裏金問題によって失われた権威と信頼を取り戻すため、警察は無理矢理なローテンションを現場警官たちに強いた。その影響下で思いもかけぬ道東の片田舎に追いやられ制服警官となった川久保巡査は、十勝の四季の中で稀に起こる犯罪やトラブルに対処してゆく。そのローカルな生活感や、この風土ならではの独特の事件性が目を引く作品集だった。 本書はその川久保巡査を主人公にした初の長編作品である。大いに期待したのだが、実際の読後感はその期待感をある意味で裏切る。それというのも、川久保巡査が思ったより活躍してくれないのだ。この『暴雪圏』の主人公は、吼え猛ける風であり、降りつのる雪であり、広大な原野であり、何よりも十勝の冬である。災害小説とも取れるような最大級の嵐に見舞われた十勝の大地に沸き起こる事件の数々と、人間たちの運命の絡み合い、そうした群像小説という形にもってきたのが、この作品。 シリーズ的な楽しみはある意味奪われた感があるものの、別の独立長編としてのインフェルノ小説的楽しみが逆に満喫できるあたりが、曲者である。雪に閉ざされたペンション人質篭城事件などは、まるで別の小説のように思えるのだが、こういう風にまとめずに、できればモジュラー型ミステリーの楽しみのまま、川久保巡査にもっと活躍して頂きたかったというのが、わがままな読者としてのないものねだり。 それにしても除雪車の出動順序によって道路が開通するという設定のあたりは北海道小説としては楽しいものがある。おかげで、ラストシーンは川久保巡査の西部劇みたいな活躍のシーンが用意されている。さすがに北海道開拓時代のガンマン小説(ぼくは勝手に蝦夷地ウエスタンと名づけているが)を書いている作家である。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
川久保巡査長シリーズとはいうものの、制服捜査とは全く趣の違う話だった。 どちらかというとパニックものか。 登場人物が多くて視点がばらける上に ほぼ全員が何かしら重いものを抱え込んでて居たたまれないので 読み進むのにものすごく苦労した。 実際ちょっと斜め読み気味に読了。 正直なところ、この話に川久保巡査長を登場させる意義があまり見えなかった。 穿った見方をすると たまたま用意した設定にうまくハマったので川久保さんを突っ込んだという感じがする。 諸手を挙げてよかったねぇとは言えない、モヤモヤ感と曖昧さが残るエンディング。 個人的には山口さんと美幸ちゃんのその後が気になる。
Posted by
Posted by
暴風雪吹き荒れる中、女性の死体発見と暴力団組長自宅強盗殺害事件が起こる。いろいろな事情でペンションにたどり着いた人々・・・。読み終わって明美と西田のその後が気になっている。
Posted by
「制服捜査」の続編。 吹雪で閉ざされた街の中で、いろいろな人間模様が集約されていく過程はドキドキハラハラ感があって面白かった。彼岸荒れの描写もリアルで怖い。ただ、これは警察小説ではないな、という印象。川久保巡査の活躍を期待して読むと、ちょっと期待はずれかも。
Posted by
殺人、強盗、横領、不倫。数十年に一度の猛烈な吹雪に見舞われた北海道を舞台にそれぞれの想いを胸に人生の勝負を賭ける。が、大雪が彼らを足止めし、たどり着いたところは・・・。前半で期待が高まり過ぎて、最後は尻すぼみ?で少し残念。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ハラハラドキドキ。おもしろかった~。 北海道の作家さんだけあって、雪の怖さがリアル。私も猛吹雪の中運転していて、周り全部真っ白で何にも見えなくなって、怖い思い何度もしたことある。あれは怖いわ。 自然の恐ろしさと人間の恐ろしさ。複雑に入り混じって、ラストまで一気に読みました。まぁ、いろいろ詰め込み過ぎたって感じもしないでもないですが 短編集「制服捜査」の続編ですが、これは長編。読み応えあり。一応前作の駐在さんが主人公ですが、自然の猛威になすすべなく、影が薄めだったかもしれない。
Posted by