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雪蟷螂 の商品レビュー

3.9

91件のお客様レビュー

  1. 5つ

    22

  2. 4つ

    34

  3. 3つ

    20

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    2

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2024/03/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

寒さ厳しい山脈を居とする部族の双頭、蛮族と呼ばれる戦いを好むフェルビエと、呪術を操り死人狂いと呼ばれるミルデ。長きにわたりいがみ合い戦をしていた2部族の戦の終結のため、フェルビエの族長の娘、アルテシアは前族長同士の盟約によりミルデの族長に嫁ぐことが決まっている。 愛する男を噛み殺すほどの激情をもち「雪螳螂」との異名を持つフェルビエの女でありながら、子供の頃からの運命を冷静に覚悟を持って受け入れ、アルテシアは彼女の影武者であったルイと近衛隊のトーチカのみを連れて婚礼相手のもとに向かうが、ミルデの族長オウガはアルテシアに開戦をつげる。 婚姻を無効にしないために奔走する中で、ただの部族間の未来のための盟約に見えた婚姻に、親世代も含めた両部族の間の複雑に絡み合った想いがこめられていることが見えてきて…。登場するすべてのフェルビエの女性がそれぞれの形の雪螳螂で、ちゃんと自分の愛を貫ききるのが切なくもかっこよかったです。

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2020/12/10

お友達がお勧めしていたのを見て読みました。熾烈な戦を長きに渡り繰り広げてたフェルビエ族とミルデ族。戦を終わらせるために、極寒の山脈に平和を築くために取り交わされた政略結婚。その裏には憎しみと言うには生ぬるい、愛と言うには激しすぎる、交差する激情があった。運命の輪は複雑な文様を描い...

お友達がお勧めしていたのを見て読みました。熾烈な戦を長きに渡り繰り広げてたフェルビエ族とミルデ族。戦を終わらせるために、極寒の山脈に平和を築くために取り交わされた政略結婚。その裏には憎しみと言うには生ぬるい、愛と言うには激しすぎる、交差する激情があった。運命の輪は複雑な文様を描いて廻り始める。とても面白く読みました。何より文章が素敵で好みでした。極寒地が舞台ですが、読んでいてその寒さを直に感じるくらい。タイトルも秀逸。他の作品も読んでみたいです。

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2020/05/25

高校生の時に買って読んで、それ以来ぶり。誰かに貸して手元から無くしてしまったので、買い直した。 かろうじて結末は覚えていたけれど、それと関係なく、途中で胸に刺さるものがあって、やっぱり好きだなと思った。

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2018/09/04

社会人Mi.N.、「雪氷の覆う山地、フェルビエ族とミルデ族の長きにわたる戦に終止符が打たれようとしていた。フェルビエ族は、愛するおのさえ噛み殺すとされる激情を持つことから、畏れを込めて“雪蜥蜴”と呼ばれている。その族長アルテシアとミルデ族の政略結婚である。しかし、その約束の儀は、...

社会人Mi.N.、「雪氷の覆う山地、フェルビエ族とミルデ族の長きにわたる戦に終止符が打たれようとしていた。フェルビエ族は、愛するおのさえ噛み殺すとされる激情を持つことから、畏れを込めて“雪蜥蜴”と呼ばれている。その族長アルテシアとミルデ族の政略結婚である。しかし、その約束の儀は、世代を超えて交錯する人々の想いにより阻まれる。山脈の平和とそれぞれの恋の行方は…」

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2017/04/18

人喰い三部作の最終章。 言われないと気付かなかったけれど、確かにそういうお話でした。 愛しているから貴方を食べたい。 激情にかられ狂おしいほどの愛。 男性はどうなのか分からないけど、女性にとってそんな愛に出会えるのって幸せなことだと思いました。

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2016/05/22

久しぶりにすごく好きな本。静かだけどすごく熱い複雑な気持ちの揺れがすごく好き。いろいろな愛の形が切なくてどうしようもない。いづきさんの本が好きになったきっかけ。

Posted byブクログ

2015/07/30

想い人をも喰らうフェルビエ族。 そんな彼女達の、狂おしい恋のお話。 綺麗過ぎてなんというか、 どろどろしてない。潔い恋だなぁと。 愛の力は30年の戦をも終わらせて、 凍てつく冬は春を迎える。 未来はわからんけど、 手にした幸せが永く続くといいな。

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2015/05/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

人喰い物語三部作の最終巻。 実は愛の物語。 敵対する部族同士の策略結婚のために、替え玉さえ用意され育った族長アルテシア。 敵の族長ミルデのオウガの父は、オウガの母よりも敵であるアルテシアの叔母に恋慕する。 ただ、一言『俺の永遠をやる』と告げて。 アルテシアの替え玉ルイと入れ替わり、婚姻を上げるオウガ。 フェルビエの雪蟷螂と称されるアルテシアは、子供の頃のたった一度の恋慕を入れ替わりで手に入れる。 恋慕は雪馬車から見えた倒れた少年トーチカだった。 実はトーチカ、フェルビエとミルデの混血だった。 すでに、血を流す事も戦う事もなかったというのに。 ただ、いとまれ、蔑まれながらトーチカは生きていたのだ。 それを救った幼少時のアルテシア。 フェルビエだと言い切り。 それだけが、トーチカを生きる意味とさせた。 お互いが実は恋慕していた。 互いに幸せになれると信じての婚姻。 ルイも入れ替わる事を願ったのだから。

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2015/02/02

この人の作品、個人的に一貫して言えることは、読み始めると止まらなくなること。誰もが一度は読みたいって思うような絵本みたいな世界がそこにあること。

Posted byブクログ

2023/12/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

設定も良かったし話の流れもキャラクターも好き。ただ、薪が乏しく暖房に必要で貴重だろう雪国の山の中で火葬にするのか(チベットとかでは木が少ないから遺体燃やせないし、土が凍って掘れないから土葬にもできないし宗教にもよるんだよ葬式って)、というのと、アルテシアの気持ちが唐突に思えたのと、トーチカの魅力が伝わってこないとこが不満というのと、やはりちょこっと展開が読めたというか、ものすごいまーるく収まったなあ、という気持ちが少しだけある。 魔女の喋り方もちょっと好きでなかったかも。 あと、1箇所オウガとガルヤの名前が混同してて間違えてたとこがあった。←他の方のレビュー見たら2箇所だったらしい(;´Д`)大事なとこ!そこ大事なとこ! 「射れー!」って言葉にモヤついたのもこの本だったろうか。別の本だったろうか。射るの命令形って私もちょっとパッと浮かばないけどなら「射(う)て」とか「放て」でええのかな。 細かすぎるかもだけど細部はおろそかにしたらいかんと思うよ。

Posted byブクログ