宇宙創成(下) の商品レビュー
宇宙論の面白さというのは未知の塊である事だと思う。 青木氏もあとがきで書かれているが、その未知に対して人類が科学的方法によって一歩一歩前進していく過程が本書に描かれている。 その仮説、検証、考察の繰り返しの過程は宇宙のみならず未知に対する取り組みとして普段の生活における教訓ともい...
宇宙論の面白さというのは未知の塊である事だと思う。 青木氏もあとがきで書かれているが、その未知に対して人類が科学的方法によって一歩一歩前進していく過程が本書に描かれている。 その仮説、検証、考察の繰り返しの過程は宇宙のみならず未知に対する取り組みとして普段の生活における教訓ともいえる。 毎回思う事だが改めてサイモンシン氏の知識、取材力、表現力と青木氏の意訳の上手さに感服した。
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下巻はほぼビックバン宇宙論が確定するまでの、観測と物理と理論を軸とした人間模様。理論が観測によって打ち破られたり、補強されながら、共通の認識とされていく歴史は中なかスペクタクル。歴史モノとして読んでも十二分に面白いんじゃなかろうか。
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宇宙の成り立ち、ビックバンの考え方はどのように生まれて、証明されたのか、分かりやすく説明されている本だった。宇宙史に名を連ねる人たちそれぞれにドラマがあり、正当に評価された人、されなかった人、たくさんの人間ドラマを見ることができた。サイモン・シンの本は専門的な知識がなくても読める...
宇宙の成り立ち、ビックバンの考え方はどのように生まれて、証明されたのか、分かりやすく説明されている本だった。宇宙史に名を連ねる人たちそれぞれにドラマがあり、正当に評価された人、されなかった人、たくさんの人間ドラマを見ることができた。サイモン・シンの本は専門的な知識がなくても読めるのでとても面白い。
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ちょうどこれを読んでいる頃に、TVから録画しておいたウォルター・ルーウィン教授の物理を扱った、MIT白熱教室 特別講義を見終わった。 その最後は、 「この講義で君達は、白色矮星と中性子星のスライドを見た。だから最後にはブラックホールも見たいと思うのは当然のことだ。しかし、ブラック...
ちょうどこれを読んでいる頃に、TVから録画しておいたウォルター・ルーウィン教授の物理を扱った、MIT白熱教室 特別講義を見終わった。 その最後は、 「この講義で君達は、白色矮星と中性子星のスライドを見た。だから最後にはブラックホールも見たいと思うのは当然のことだ。しかし、ブラックホールからは何も抜け出すことはできないから、写真で撮ることもできない。そこで今回は、白鳥座X-1のドナー星を見せるとしよう。でも、君たちは帰ったら家族や友達にこう言えるだろう。 ある写真を見せてもらった。その隣には、見えないけれど、ブラックホールがあった。 これが知識の素晴らしさだ。例え見えなくても、その存在を知ることができる。」 見ることができない発見された知識の歴史。 ・読者は、空間のあらゆる部分が膨張し、銀河はその空間内で静止しているというなら、銀河それ自体も膨張しているのではないかと思われるかもしれない。理論上はそれもひとつの可能性なのだが、実際には、銀河の内部には強い重力が存在するため、銀河の膨張は微々たるものでしかない。 …ウッディ・アレンの映画『アニー・ホール』の冒頭近くにある回想シーンで、シンガー夫人は、なにやらふさぎ込んでいる息子のアルヴィーを精神科医に連れて行く。少年は医者に向かって、宇宙は膨張していると本で読んだが、膨れ上がって破裂したらすべてはおしまいだと話す。すると母親が口を挟んでこう言った。 「宇宙がなんだっていうの?あなたはブルックリンにいるのよ!ブルックリンは膨張してないの!」 シンガー夫人はまったく正しかったのだ。 ・科学で耳にするもっとも胸躍る言葉、新発見の先触れとなるその言葉は、「ヘウレーカ(分ったぞ!)」ではなく「へんだぞ…」だ。―アイザック・アシモフ ・われわれが生きるために、十億、百億、それどころか千億の星が死んでいる。われわれの血の中のカルシウム、呼吸をするたびに肺に満ちる酸素―すべては地球が生まれるずっと前に死んだ星たちの炉で作られたものなのだ。―マーカス・チャウン (星は核融合する際に様々な元素を作り、超新星爆発でそれを宇宙にばらまく。太陽は第三世代の星と推測されている。) ・アレグザンダー・フレミングがペニシリンを発見したのは、窓から飛び込んできた一片の青カビがシャーレに落ちて、培養していた細菌を殺したことに気がついたからだった。それまでにも大勢の細菌学者が、培養していた細菌を青カビに汚染されたことだろう。だが彼らはみな、何百万人もの命を救うことになる抗生物質を発見する代わりに、がっかりしながらシャーレの中身を捨てていたのだ。ウィンストン・チャーチルはかつてこう述べた。「人はときに真理に蹴躓いて転ぶが、ほとんどの者はただ立ち上がり、何もなかったようにさっさと歩き去る。」
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CMB放射のゆらぎあたりが理解できなかった。ものすごく噛み砕いて書いてくれてるので申し訳ない気がした。 終盤で今だ解けぬ謎、として書かれていた暗黒物質がロマンチックすぎる。この謎はそう遠くない日に解明されるのかもしれない。今も叡智のリレーは続いてるのだなぁ。事実を知れば知るほど...
CMB放射のゆらぎあたりが理解できなかった。ものすごく噛み砕いて書いてくれてるので申し訳ない気がした。 終盤で今だ解けぬ謎、として書かれていた暗黒物質がロマンチックすぎる。この謎はそう遠くない日に解明されるのかもしれない。今も叡智のリレーは続いてるのだなぁ。事実を知れば知るほど新たな謎を発見する、という人類の果てしない冒険は、まさに膨張し続ける宇宙と同じところに帰結するんじゃないかしらと思った。
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夜空に輝く星たちを美しいとは思いませんか?思わない?それなら君とは話をしない。那由多の彼方から届いた光、それは古代の人々に夢を抱かせ、近代の科学者には宇宙の起源への手掛かりとなった。天文学者達の地道な観測の歴史、それが現代の物理学理論と合流して100億年前の世界を明らかにする。翻...
夜空に輝く星たちを美しいとは思いませんか?思わない?それなら君とは話をしない。那由多の彼方から届いた光、それは古代の人々に夢を抱かせ、近代の科学者には宇宙の起源への手掛かりとなった。天文学者達の地道な観測の歴史、それが現代の物理学理論と合流して100億年前の世界を明らかにする。翻訳者の「科学的方法の特徴は、人間は間違いを犯すということが、あらかじめ組み込まれている事だ」という言葉はビッグバン理論が誠実さの結晶である事を証明している。夜空に輝く星たちの、理由を解き明かそうとする事は美しいとは思いませんか?
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サイモン・シン、3冊目。ビック・バンモデルの検証過程を追いながら、科学的手法というものを感じることができる良書。あくまで、感じる…。原子物理学あたりは、どうしてもポカーンとしてしまった。でも、それにも耐えて読み進めることができたのは、科学や、科学的であることに対する、ワクワク感と...
サイモン・シン、3冊目。ビック・バンモデルの検証過程を追いながら、科学的手法というものを感じることができる良書。あくまで、感じる…。原子物理学あたりは、どうしてもポカーンとしてしまった。でも、それにも耐えて読み進めることができたのは、科学や、科学的であることに対する、ワクワク感と興奮。♪ららら〜科学の子〜 科学者とは、正しい答えを与える者ではなく、正しい問いを発する者である。(クロード・レヴィ=ストロース/フランスの人類学者)
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
化学などの科学と違い、観測することでしかデータや証拠を集められない天文学。観測機具などの精密さがなかった古代では、現代では誤りとされている説もまかり通っていた。そんな時代であっても、自分の観測に基づいて新しい説を打ち出していく古代の天才天文学者はとってもすごいと感じた。また、自分の説を証明するために絶え間のない緻密な観察をしていく様子もすごかった。 イマヌエル・カントも天文学における重要となってくる説を唱え始めた人物であったというのが、上巻では一番驚いた。天文学者は誰にでもなれるからこそ、ロマンにあふれている学問となっている一因なのであろう。 そして、20世紀の大発見と言える「ビッグバン理論」について。科学に全然明るくなかったので、ビッグバン理論は一人の人ないし数人の人が理論立て証明した理論だと思っていた。しかし、現実にはそうではなく理論の提唱から1世紀近くも証明に要した大理論でありびっくりした。しかも、ビッグバン理論を決めつけたのが最近であることにもびっくりした。宇宙マイクロ波背景放射といった解説されてもイマイチびんとこないものもあったが、興味深く読めた。 最初に読んだ時は、「光」についても良くわからなかったが、最後まで読んでみて、なんとなく、わかった気がした。これが科学の勉強法なのであり、発展していく過程。のようにかんじた。
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下巻も興味深し。ビックバンと定常宇宙の正当性争いを通して、まさに科学的方法とはなにか、を著者は説きたかったのだと思う。
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