宇宙創成(上) の商品レビュー
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化学などの科学と違い、観測することでしかデータや証拠を集められない天文学。観測機具などの精密さがなかった古代では、現代では誤りとされている説もまかり通っていた。そんな時代であっても、自分の観測に基づいて新しい説を打ち出していく古代の天才天文学者はとってもすごいと感じた。また、自分の説を証明するために絶え間のない緻密な観察をしていく様子もすごかった。 イマヌエル・カントも天文学における重要となってくる説を唱え始めた人物であったというのが、上巻では一番驚いた。天文学者は誰にでもなれるからこそ、ロマンにあふれている学問となっている一因なのであろう。 そして、20世紀の大発見と言える「ビッグバン理論」について。科学に全然明るくなかったので、ビッグバン理論は一人の人ないし数人の人が理論立て証明した理論だと思っていた。しかし、現実にはそうではなく理論の提唱から1世紀近くも証明に要した大理論でありびっくりした。しかも、ビッグバン理論を決めつけたのが最近であることにもびっくりした。宇宙マイクロ波背景放射といった解説されてもイマイチびんとこないものもあったが、興味深く読めた。 最初に読んだ時は、「光」についても良くわからなかったが、最後まで読んでみて、なんとなく、わかった気がした。これが科学の勉強法なのであり、発展していく過程。のようにかんじた。
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天文学の歴史ドラマ。保守との戦いに勝つには周到な準備と次の時代が来ることへの確信。順を追って話が流れるので、とにかく分かりやすい。
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漠然とした宇宙嫌いを払拭できたら、と読み始めた。サイモン・シン特有の鮮やかな書き口で読者を飽きさせない。ただ、登場(紹介?)する人物各個人には興味を誘われたものの、依然として宇宙自体にはに関心を抱けず、下巻購入は見送った。
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歴代の天文学者や科学者達の尽きる事のない好奇心が徐々に宇宙の本当の姿を明らかにしてきた。それぞれの科学者が生きた時代背景やその時の技術レベル、個々人の状況なども良く分かり興味が沸く。しっかり読まないと次に進めない場面もあり読み返す事もしばしば。ニュートンVSアインシュタインやドッ...
歴代の天文学者や科学者達の尽きる事のない好奇心が徐々に宇宙の本当の姿を明らかにしてきた。それぞれの科学者が生きた時代背景やその時の技術レベル、個々人の状況なども良く分かり興味が沸く。しっかり読まないと次に進めない場面もあり読み返す事もしばしば。ニュートンVSアインシュタインやドップラー効果のあたりが、とても面白い。
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これは面白い本でした。宇宙の始まり、ビッグバンをめぐる科学者達の物語。この上巻では主にアインシュタインの活躍を中心に語ります。物語としておもしろく、物理学入門としても良い本でしょう。
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「フェルマーの最終定理」に匹敵するくらい知的好奇心を刺激される。 偉人たちの才覚や努力が積み重なってガリレオやアインシュタインといった超人がそれを結実させる。例えば地動説がコペルニクスからケプラーに引き継がれ、ガリレオが理論を完成させる。科学とはなんとダイナミズムに富んでいるの...
「フェルマーの最終定理」に匹敵するくらい知的好奇心を刺激される。 偉人たちの才覚や努力が積み重なってガリレオやアインシュタインといった超人がそれを結実させる。例えば地動説がコペルニクスからケプラーに引き継がれ、ガリレオが理論を完成させる。科学とはなんとダイナミズムに富んでいるのだろう。 といいつつアインシュタインの一般相対性理論も重力に関わる理論とは知らなんだ。勉強にもなる。下巻も楽しみ。
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壮大なる宇宙に魅了された科学者達の格闘を描いた作品。古代ギリシャから現代にいたる。前半はヒックバン理論にたどりつくまでの歴史。後半も楽しみだな。
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宇宙にまつわる古代の神話から、一般相対性理論、ビックバンまで、面白く読めます。 久しぶりに読み返しましたが、やはりサイモン・シンの本は面白いです。
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はるか昔の人間が、平易な幾何学の考え方から、地球の直径を求め、そこから月の直径、月までの距離、太陽までの距離、太陽の直径、とどんどん考えを進めていく様を、鮮やかに描き出した冒頭部分。 ド文系の自分にもスイスイと頭に入る内容で、完全に心を掴まれました。 そこからは歴史に沿って、宇宙に関する科学がどのように発展してきたかが、絵、図表、グラフなど理解を助ける補助資料も加えて、分かりやすく解説されています。 1章分が終わると、その章のサマリーがあるのも素晴らしい。 引き込まれたまま下巻へ。
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