まほろ駅前多田便利軒 の商品レビュー
三浦しをんの長篇作品『まほろ駅前多田便利軒』を読みました。 三浦しをんの作品を読むのは初めてですね。 -----story------------- 三浦しをんの出世作! 第135回直木賞受賞作! まほろシリーズ第一弾! まほろ市は東京のはずれに位置する都南西部最大の町。 ...
三浦しをんの長篇作品『まほろ駅前多田便利軒』を読みました。 三浦しをんの作品を読むのは初めてですね。 -----story------------- 三浦しをんの出世作! 第135回直木賞受賞作! まほろシリーズ第一弾! まほろ市は東京のはずれに位置する都南西部最大の町。 駅前で便利屋を営む多田啓介のもとに高校時代の同級生・行天春彦が転がり込み、二人は様々な依頼に精を出す。 ペット預かりに塾の送迎、納屋の整理……ありふれた依頼のはずが、このコンビにかかると何故かきな臭い状況に。 予言する曽根田のばあちゃん、駅裏で夜の仕事をするルルとハイシー、小学生の由良、バスを監視する岡老人……個性的な依頼人たちが登場し、抱腹絶倒かつ心温まるストーリーを展開。 そんな中、多田と行天の過去が次第に明らかになり、二人の抱えるものと生き方が、読者の心に突き刺さる! ----------------------- 文藝春秋の発行する『別冊文藝春秋』に連載後、2006年(平成18年)に刊行された作品……まほろ駅前シリーズの第1作です。 まほろ市は神奈川にはりだした東京南西部最大の街……神奈川や八王子からヤンキーたちがくりだし、繁華街の一すじ裏には“ちょんの間”があり、暇をもてあました金持ちが妙な道楽をする、、、 外界から異物が流れ込む混沌と平凡な日常のリズムが奇妙に両立するこの街の駅前で便利屋を営む多田啓介のもとに高校時代の同級生・行天春彦がころがりこんだ……ペットの世話、塾の送り迎え代行、納屋の整理、恋人のふりetc……。 ありふれた依頼のはずがこのコンビにかかると何故かきな臭い状況に……多田・行天の魅力全開の第135回直木賞受賞作。 まほろ市で便利屋「多田便利軒」を営む多田啓介のもとに、昔の同級生・行天春彦が転がり込んでくる……ふたりが請け負う日常の依頼を通して、街の人々の孤独や事情、人間模様が少しずつ浮かび上がる展開で、ふたりの距離間が心に残る物語でしたね、、、 多田と行天の掛け合いはユーモラスなのに、どこか影があり、依頼人たちの背景にも、ささやかな痛みが潜んでいて、読んでいると胸の奥がじんわり温かくなる感じ……派手な事件は起きないのですが、ふたりが同じ時間を過ごすうちに、少しずつ前に進んでいく そんな変化がとても丁寧で、読後には静かな余韻が残りました。 映画では、多田啓介を永山瑛太、行天春彦を松田龍平が演じているようです……イメージ、ぴったりですね! 以下、主な登場人物です。 多田 啓介(ただ けいすけ) まほろ駅前にて「多田便利軒」という名の便利屋を営んでいる三十半ばの男。 十数年ぶりに再会した行天と生活を共にすることとなる。 バツイチであるほか、結婚していた当時、生まれたばかりの息子を亡くしている。 行天 春彦(ぎょうてん はるひこ) 多田の中学校時代の同級生。 十数年ぶりに多田と再会し、彼の下で生活を共にすることとなる。 中学在学中に右手の小指を切断した過去がある。 ある経緯によって小さい子供が大嫌い(由良は例外)。 多田と同じく、バツイチ。 ルル / ハイシー まほろ駅の裏通りの風俗店で働いている娼婦たち。 田村 由良(たむら ゆら) 多田が、学習塾への送り迎えの依頼された小学4年生の男児。 年齢の割りになかなかの食わせ物。 家庭は両親とも共働きであり、本人曰く自分には興味ないと述べている。 三峯 凪子(みつみね なぎこ) 行天の元妻である医者。 「はる」と言う名の娘がいる。同性愛者。 星 良一(ほし りょういち) まほろ市の裏の世界で幅を利かせている男。 麻薬の密売等を行っているが、未成年。 私生活では、タバコを吸わず、酒もほとんど飲まないなど、健康志向の生活を送っている。 岡(おか) まほろ駅前から車で数十分ほどの家に住む老人。 利用しているバス路線の間引き運転を疑っており、 一定の季節にて多田に近所のバス停で間引き運転の証拠をつかませるなど、 風変わりな依頼を行うリピーター。
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すごい何かがおこるわけではないけど、読んでいて愛くるしくなるようなキャラクターばかりで癒された。人ってこんな感じで色んな縁と繋がっているんだろうな。
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行天のキャクター設定が絶妙。 9割理解に苦しむ言動や行動だか、1割の的を得た言動や行動で好感度を倍増させる効果があるなと… 映画化もされ松田龍平さんが演じるキャラのイメージにぴったりというか他にいなくねーって感じ… 場末の繁華街、町田あたりのお話だと思うけど独特な街の治安や人々が...
行天のキャクター設定が絶妙。 9割理解に苦しむ言動や行動だか、1割の的を得た言動や行動で好感度を倍増させる効果があるなと… 映画化もされ松田龍平さんが演じるキャラのイメージにぴったりというか他にいなくねーって感じ… 場末の繁華街、町田あたりのお話だと思うけど独特な街の治安や人々がしっかり描かれており作品として楽しめた。続編もあるようなので多田と行天の物語をまだ読みたいなと思う。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
天真爛漫な行天がかわいかったあ。多田との関係がさっぱりしてて、良かったです。正直、全然期待してなくて三浦さんが著者だからーと読み始めましたが、これは嬉しい誤算。バツイチのおっさんコンビがこんなにかわいく思えるなんて予想外も良いところでした。予言のばあちゃんも、夜に働く女性陣も、星たち密売人も良い味してる。地味にシンちゃんがお気に入りなので、出番があることを期待しつつ、次巻も読んでみます!
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第135回直木賞受賞作。 犬の飼い主を探したり、小学生の塾の迎えや、恋人の身代わり、バス通りの運行状況の調査などなど、便利屋という名の何でも屋。 多田と行天の高校時代から現在までの生き方や考え方、二人での共同生活が心に残る。 今後も凸凹コンビとして活躍してほしい物語でした。
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便利屋とはどんな仕事でもするということ。 要するに「何でも屋」なので、小説にとっては設定が容易で都合がいい。 自由にストーリー展開できる環境を整えて、自由気ままに語るのが三浦しをんさんだ。 これは面白いに決まっている。 犬の散歩、塾の送迎、荷物の片づけ、恋人役、家出の手伝い、な...
便利屋とはどんな仕事でもするということ。 要するに「何でも屋」なので、小説にとっては設定が容易で都合がいい。 自由にストーリー展開できる環境を整えて、自由気ままに語るのが三浦しをんさんだ。 これは面白いに決まっている。 犬の散歩、塾の送迎、荷物の片づけ、恋人役、家出の手伝い、など仕事内容はざっくばらん。 読み進めていくうちに、親子関係(血縁関係)や家庭環境が一つのテーマであることがわかる。 「便利軒」の二人、多田と行天も親子関係に問題を抱えていたし、仕事に関係して登場する人たちもそうだった。 三浦しをんさんらしく、コメディタッチで書かれているが、実はシリアスな内容だったりする。 あと、行天はタバコ吸いすぎ!
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三浦しをんの少年漫画っぽさ、やっぱたまらん〜!! 闇堕ちもグロいシーンも多少あるけど、しんどくならないほどよいラインなのがよき。 安心して読める。楽しかったぁ。
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2度目の読書。なんだろう、この魅力的な物語。傷つきながらも生きる姿は人間のたくましくさを感じる。人生はやり直しは出来ないが未来はある。
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北九州の煤けた風が運ぶ鉄の匂いや、上京して初めて住んだ蒲田の駅前に漂う、安酒と湿った煙が混じり合う独特の熱。三浦しをんが描く「まほろ」という街の肌触りは、僕がかつて吸い込んできたあの街々の記憶と、驚くほど地続きの体温で繋がっていた。そこは、洗練されたニュータウンのような無機質な清...
北九州の煤けた風が運ぶ鉄の匂いや、上京して初めて住んだ蒲田の駅前に漂う、安酒と湿った煙が混じり合う独特の熱。三浦しをんが描く「まほろ」という街の肌触りは、僕がかつて吸い込んできたあの街々の記憶と、驚くほど地続きの体温で繋がっていた。そこは、洗練されたニュータウンのような無機質な清潔さとは無縁の場所だ。古びた建物の影、路地裏の雑踏。人間の生々しい営みが澱(おり)のように堆積し、正解のない人生を生きる者たちが、その濁りの中にそっと身を潜めている。 僕の胸中には、常に二人の男が同居している。一人は、過去の罪悪感や責任感という名の重荷を背負い、誰かに必要とされることで自らの空虚を埋めようと足掻く「多田」だ。微かな光であろうとするその真面目さは、時に理想を美化しすぎる僕自身の鏡でもある。そしてもう一人は、世間体や将来などという形のない縛りを軽やかに飛び越え、ただ生物としてその瞬間に肉体を置く「行天」だ。誰に理解されずとも、酒と煙草さえあれば満ち足りた顔でそこに佇む彼の奔放さに、僕はどうしようもないほど共鳴してしまう。 この二人が便利屋の軽トラに揺られ、互いの領域を侵さぬまま隣り合っている姿は、僕の内面で行われる終わりのない対話そのものだ。かつて新卒で入った会社に、どうしようもなく自堕落な同僚がいた。生産性も向上心も欠片さえない男だったが、僕は彼が好きだった。安い居酒屋のカウンターで、何者でもない自分としてだらだらと過ごしたあの無為な時間。何ら立派な結末など用意されていなくても、ただ「そこにいていい」という共犯関係が、張り詰めた僕の肩の荷をどれほど軽くしてくれたことだろう。 物語は、劇的な解決も輝かしい未来も約束しない。けれど、それこそが救いなのだ。高潔なメッセージを語れる立派な人間になど、ならなくていい。人生という物語に、無理に美しい教訓を書き加えようとしなくていい。まほろの街の片隅で、嗜好品を燻らせながら、ただ「明日も便利屋を続ける」という不器用な継続。その足跡こそが、傷を抱えたまま生きていく僕らに許された、唯一無二の再生なのだ。
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